ガイド
「都心から車で簡単に来れる、誰でも楽に登れる、終末のアウトドアに最適と、やたらと雑誌で紹介するから、仕事で疲れた心を癒すためとお気楽に登る人が増えたから、私のようなガイドの仕事がこの山には必要になったんだよ。初心者向きの山で、以前は、ちゃんと標識を見て登れば、絶対に迷うはずがないんだが、最近は、いたずらで、標識の向きを変えたり、引っこ抜いて、その辺に捨てちゃうマナーの悪い人が増えてね、ゴミのポイ捨ても多いし、ガイドというより、私の仕事は山の番人だね」
「でも、あんたたちは、運が良かった。ガイドのこの私に出会えて、これで、きちんとこの山を下山できるよ」
「え? 逆に山を登っているように思えるって。まさか、この私が、この山で遭難した幽霊で、仲間が欲しくて、君たちを迷わせていると思っているのかい?」