恋愛成就
「神様、お願い、私の願いをなかったことにして」
「なぜ? 彼を欲しがっていたのだろ」
「彼、束縛がきつくて、別れると言ってもストーカー化して、警察の忠告も無視してうちの実家の周りをうろついて、このままだと私の両親に手を出しそうだから」
「どうしても、彼と結ばれたいと強く願ったのは君だろ、いまさらそんなこと言われても」
「神様、お願い、本当に家族ともども皆殺しにしそうな雰囲気だから」
「君の願いの強さの分、彼も真剣ということではないかね。願いが叶って、本来なら、神に感謝すべきではないかね?」
「私の家族が皆殺しになってもいいと?」
「願いが叶わないことが多いのが、現世だ。その中では、君は願いが叶ったのだから、幸せな方だと思うがね」
「私たち、家族に死ねと」
「ならば、自分たちの命を守るため、彼の死を、神たる我に願うかね?」