ウソ泣き
私は、大切な親友をなくした可哀想な友人を必死になって演じるため、お葬式でウソ泣きをした。なにしろ、彼女を殺したのは私であり、私に疑いの目が向かないように必死に演技した。
彼女とは本当に仲が良く、殺す直前まで親友だった。だが、以前から彼女には、「友達だからいいよね」といって宿題を写されたり、新品の化粧品を勝手に使われるといううざいところがあった。宿題や化粧品までならいいが、好きな人が被っていると知ると、私に身を引いて、さらに自分を応援するように迫ったので、つい堪忍袋の緒が切れてやってしまったのだ。
私と彼女が親友同士だったのは、彼女のご両親も知っていることで、私は必死に、周りから心配されるくらいに親友が亡くなって憔悴して悲しんでいる友人を続けた。だが、彼女がいなくなって日が経つにつれて、内心ではすごく気分が軽くせいせいしていた。親友面した彼女が私の生活にどれほど負担をかけていたのか、本当に心の底から自由を謳歌していた。