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死神だって、おやすみが欲しい

「あなたは運がいい、死神は、今日おやすみです」
「おやすみ?」
「はい、ですから、このような事故に会われても、あの世には連れて行きません」
「死なないってこと?」
「そうです、死神だって、おやすみが欲しいですからね。二十四時間、あの世とこの世を往復するのは大変で、しかも、あまりあの世に送りすぎると、あの世が溢れて、亡者が地上にあふれてしまいます。死神も適当に休まないと、やってられませんから」
「そう、でも、この怪我・・・」
「あ、はい、死なないだけで、欠損した身体は元には戻りませんから、申し訳ありません」
「そんな、こんな身体になるんだったら、死んだ方がマシだった」

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