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呪い合い

あの女が呪い殺したのは、明白だったが、現在の法では、呪殺で人が死んでも、呪いによって人が死ぬことは証明できない。あの女が、これこれこういう方法で、呪ったと警察に訴えても、司法は動かない。逆に、私が、殺人鬼と言いふらして彼女の名誉を傷つけたと名誉棄損で、訴えられた。仕方なく、私は出向いた裁判所で、裁判官の目の前で、彼女の弁護士を呪い殺してみせた。実演してみせれば、私が嘘をついておらず、彼女の呪殺の罪を、裁判官に認めさせられると思ったが、裁判所は、呪殺というものを認めず、ただ、私が何らかのトリックを使い弁護士を殺した殺人犯として、私は牢屋に入れられ、彼女は自由の身で、未だに、気に入らない相手の呪殺を続けていた。

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