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11話 ハッカー

 美奈のバイトは続いていたが、ハッキングの勉強は毎日続き、若い頭脳はすごい勢いでそのテクニックを吸収していった。

「なんか、僕より、美奈さんの方がもう上位者だね。今度、ハッキング大会があるけど、出てみる? 全世界で競うんだ。」
「そんなのあるんだ。じゃあ出る。どうすればいいの? このサイト? あ、エントリー画面だ。じゃあ、私のコードネームは、@takashi にしよう。」
「 @takashi って、男みたいだけど、どうして?」
「なんか女より、男の方が強そうじゃない。」
「そうなんだ。」
「来週土曜日ね。じゃあ、頑張ろう。」

 大会当日、世界の勇者が参加したが、なんと美奈は、最初の参加にも関わらず、上位3位に入賞した。

<あなた、すごいじゃない。こんな才能があったなんて気づかなかったわ。じゃあ、日本政府で活躍するとか、もっと正しいことやるべきよ。と言っても、あなたじゃ無理ね。いつも反政府側でしか活動していないもん。まあ、せいぜい捕まらないでね。>
<え、この女性って、犯罪とかしてきたの? この男性に、そんな人を好きにさせちゃダメだ。>
<ただ、利用されてきただけで、この子は本音はいい子だから、今、聞いたこと忘れて。>
<本当に大丈夫? この男性には平穏に過ごしてもらいたいんだけど。>

「すごいね。僕なんか圏外だけど、そんな力があるんだったら仕事にできるんじゃない。今いるバーのオーナーのボスが、そんな人が欲しいって言ってたから紹介しようか?」
「仕事になるんだ。じゃあ、お願いする。」

 翌日、怖そうなおじさんと会うことになった。
「お前が、ハッキングできる人だって。なんか、若い女だけど大丈夫か?」
「まあ、世界3位だし、大丈夫なんじゃない。」
「そうか。じゃあ、今夜、あるビルから情報をもらうから、やってみて。」
「わかった。どうすればいいの?」
「夜0時に、こいつがビルに行くから、まず、このビルと周辺の監視カメラを切ってくれ。そして、携帯で指示するから、あるブロックの監視カメラを切って、さっき切った監視カメラを復活して、エレベーターやドアのロックを外したりしてくれればいい。見つからないように、お前は、ネットカフェのWi-Fiから操作してくれればいい。」
「なんか、萌えるね。わかった。で、いくらくれるの?」
「最後までうまくいけば、1回50万円だ。」
「そんなにくれるんだ。やったー。じゃあ、私の携帯番号はこれだから、夜0時に電話ちょうだい。」

 その夜、美奈のサポートで無事に会社の秘密書類を持ち出し、美奈も50万円をゲットした。

「この会社、警備会社で、そんな会社なのに、こんなにセキュリティが甘いって漏れていいんですかと脅したら、3,000万円も出してきた。あの美奈っていう子、使えるな。海外で暮らしていたとか言っていたけど、あの大胆さというか、罪悪感が全くないところがいいね。また、英語、中国語もできるのがいい。これからも、どんどん儲けるぞ。」

<あのさー、本格的に犯罪集団と付き合い始めちゃった。もう、普通の生活には戻れないね。これから、抜けるとか言ったら殺されるわよ。>
<この男性が紹介したけど、この男性のせいじゃないですよ。そもそも、この子がやりたいって言うからだって。やっぱ、一緒にいない方がいいって、この男性に呟くしかないね。>
<そこまで言われると、返す言葉はないけど。>

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