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552 鳥さんの、番!

「すぴ~もふもふ~ん⋯」
『むにゃ~もふもふ~』
きゅぴゅ『『ぴゅひ~』』
『『『『『すぴ~』』』』』

ちびっこたちは極上お布団ですやすや~

『うわぁ~ぽぽちゃんたちまで寝てるわ』

『『『くぷぷ~』』』

『警戒心が高い子鬼たちまで寝てるぞ』

『『『⋯すぅ~』』』

ちびっこたちのお世話係のフゥとクゥもびっくり

『下ろしたら起きるんじゃないですか?』
『泣き出さないですか?すごく気持ちよさそうです』

春陽くんと山桜桃ちゃんもどうしようって困ってます。

『無理に起こさんでも良いではないか?』
鳥さんは気にしてないみたいだけど

『いえ、心配してるのはですね』
『サーヤたちがまた手を離さなくなったらどうしようかと言うことでして』
『はい。何しろ前科⋯じゃなくて、前例があるので』
『ギン様の背中とかですね⋯』
前科って言ったね?

『『『あっ』』』
フゥたちの言葉に一斉に慌てる保護者たち!

『サーヤっ』
おいちゃんがサーヤを抱き起こそうと駆け寄る
『ハクッ』ぼふっ
おお、ギン様久々の人化!
『モモ、スイ!』
アルコン様も!でも⋯

つんっつんつんつんっ

『ん?』
『鳥?』
鳥さんもバートさんも異変に気づいた⋯

『あ~遅かったか⋯』
『ハクっ起きなさい!』
『モモ、スイ!離しなさい!』

『『ああ~やっぱり』』
『『手遅れでしたか⋯』』

フゥたちの予感は的中した⋯

〖あははははっ〗
〖鳥!サーヤたちを虜にするなんて、なんて羨ましいの!〗
〖お母様、さすがにそれどころではない様な⋯〗
イル様はもう、何が起きても笑っちゃうみたいですね。そんなお年頃?

サーヤたちは案の定、がっちり鳥さんの羽を掴んでしまってます。

『あらぁ、またぁ?絹、どうにかなりそうかしらぁ?』
結葉様が絹さんに聞くけど

きゅるる『しっかり指に絡めちゃってるから、難しい』
『やっぱりぃ?』
ギン様の時と同じらしい。鳥さん、いきなりハゲチャビンの危機?

『ほ~ハゲたくはないな。私は梟であってハゲタカではないからな』
『まあ、そうですね。私もハゲた鳥は見たくないですね』
ですよね。

『どうするよ⋯』
『どうすると言われても⋯』
『水をかけるわけにもいくまい』
アルコン様、それはダメ

みんながどうしようかと考えあぐねていると

『あらあらまあまあ、仕方ないわね~』にまにま
『仕方ない』ニヤニヤ
おばあちゃんとミアちゃんが何やら悪い顔⋯

『ミア、そろそろお茶にしましょうか』
『でもミアと凛、食べられない』
『だからね、さっき作ったばかりの今が旬!とろ~り甘々な桃をふんだんに使ったチーズケーキ!ヨーグルトムース!タルト!』どどん!
『おお、これをどうする?』こてん
『あらあらまあまあ、決まってるじゃない!神棚にお供えして向こうの私に食べさせるのよ!』じゃじゃん!
『おお、なるほど~』ぽんっ


『凛、ミア、中々の棒読みだな』
『意外だね、もっと演技力ありそうなのに』
『兄貴、ありゃ、わざとだろ?』
『大きな声でサーヤちゃんたち、起こそうとしてんだろ?』
『にしたって、でっかい身振り手振りだな』
『ノリノリだね』
ドワーフさんたち、おすそ分けに貰った桃のドライフルーツをむしゃむしゃしながら観劇中


『まだまだあるわよ!桃のゼリー!コンポート!シャーベット!んん~いい香りね~♪』んん~
『桃、冷やすだけでも美味しい』すりすり


『『⋯⋯⋯』』
ぱたぱたぱたぱた

『⋯山桜桃?春陽?何してるんだ?』
『『風を送って香りを皆さんに⋯』』
ぱたぱたぱたぱた
『凛さんに頼まれたの?私が風で送ってあげるわ⋯』
ふわ~
『『ありがとうございます』』
フゥとクゥは、凛さんに乗せられてる春陽くん達がちょっと心配に⋯


『さあさあ、サーヤたち眠っている間に送っちゃいましょ~う♪うふふ』

ぴくっ

『くふふ。凛とミアで先に全部味あう』

ぴくぴくっ

『あらあらまあまあ、正確には天界の私だけどね。さあ、これも送っちゃいましょう~♪』
『おー!』


ぱちっ がばーっ
「ぢゃめー!」
『だめー!』
ぴゅいきゅい『『おかしー!』』
『『『『『食べるー!』』』』』
ちびっこたち目覚める!


『あらあらまあまあ、あっさり成功しすぎじゃない?』
『ぷぷっ単純』
おばあちゃん、さすがに苦笑い⋯

『ほ~簡単に起きたようだな』
『流石ですね』フッ
鳥さんは半分呆れて、バートさんは面白がってますね


〖ガハハハッなかなかの連携だったな!〗
『春陽と山桜桃が扇ぎだした時は何かと思ったぜ』
〖ふふふ。しっかり仕込まれているようですね〗
面白がってるのはヴァル様たちも同じかな


「う?ももにょおかちは?」きょろきょろ
『美味しい匂いしたよ~』くんくん
ぴゅいきゅい『『たべるの!』』
『『桃どこ~?』』
『『『あまいの~』』』
みゃあ『ちょうだいにゃ!』
『どこに隠したのだ?』
きゅるるん『『『お母さ~ん』』』
きゅるるん『『『『おかしは~?』』』』

ちびっこたちはもう桃に夢中!だがしかし

『こら!』
ぴこぴこぴこぴこぴこっ

「いちゃ?」
『痛っ?』
ぴゅいきゅい『『なんで?』』
『『『『『いたた』』』』』
おいちゃんの高速ピコピコハンマー炸裂!

『お前たち、鳥の神獣様のお名前はどうした?』
『名前も考えずに昼寝するとは感心しないな?』
保護者たちがちびっこたちに注意!たまには親の威厳を見せないと!特にアルコン様はね。

「ふあっ!」
『そうだった~』
ぴゅいきゅい『『ねちゃった!』』
あまりに気持ちいいから寝ちゃったよ!

「ごめしゃい」ぺこ
『『『『『ごめんなさい』』』』』
素直にみんなで謝ります。

『ほほ~まあ、私の羽毛は最高だと言うことが証明されたわけだからな。悪い気はしないぞ』
『ふふ。子供に懐かれるのは虎⋯』
『牙王だぞ』
『そうでしたね。牙王の専売特許だと思っていましたが、鳥もいけたのですね。もっと早くその姿になっていれば良かったですね』にこ
『遠慮しよう。天界は牙王に任せるよ』
『そうですか?』くくっ
鳥さんとバートさんは気にしてないみたいです。

とりあえず
「おいちゃん、おんり」
バンザイして下ろしてポーズです。
『ん?下りるのか?もふもふ大好きのサーヤが?』
おいちゃん、目が飛び出しちゃうくらい驚いてる?
サーヤも下りたくないけど

「もふもふ、ねちゃう。かりゃ、あちょで」
もふもふがもふもふすぎて、またねんねしちゃうから、一回おんりします。
でも、後で乗せてね?

『おお、サーヤにしては考えたな。偉いぞ!』
「えへ~?」
偉い?あれ?でも、サーヤにしては?
「うにゅ~?」
なんか、ほめられてない?
『くくっ気にするな』ひょい
「む~?」
まあ、いいか?それよりお名前です。

みんなも下ろしてもらってます。
お名前~お名前~

「とりにょ、おうしゃま、とりおう?」
『焼き鳥屋みたいだからやめてやれ』
「しょっか~」
おいちゃんにあっさり却下されました。
「うにゅ~」
誰かいい案ある?
ぴゅいきゅい『『あんよすごいから~』』
『脚王か?やめておけ⋯』
ぴゅいきゅい『『むう~』』
双子にアルコン様によって却下
『『爪?』』
『『『つめおう~?』』』
『フルー、フライ、妖精トリオも』
『それもやめた方が良さそうよ』
こちらもフゥとクゥによって却下
みゃあ『おはねすごいにゃ!』
『羽王なのだ?』
『ココロちゃん、姫ちゃんも』
『せめて後ひと声⋯』
こちらも山桜桃ちゃんと春陽くんからあと少しな声が⋯
「うにゅ~」
ダメ出しが続いてます。あれ?

「はく~?」
何だかずっと考えてます。

『ほぉ?ハク、何か思う所があるのか?』
『遠慮なく言って大丈夫ですよ』
鳥さんとバートさんがハクになんでも言っていいよって。

『そう~?え~とね~?鳥さんの白い羽根がとっても綺麗だから~、夜お空を飛んだらすごく綺麗じゃないかな~と思って~』

「ふお~」
たしかに~きれいかも~
ぴゅきゅ~『『うん。きれい~』』
みんなで想像します。絶対綺麗です。お月様の光とか浴びてもきれいだと思う~

ということで、
「おいちゃん、おばあちゃん」
出番ですよ

『ん~、夜に映える白い姿か⋯ちょっと意味違うが白夜(びゃくや)とか?』
『そうね~サーヤの月の光ならそのまま月光(げっこう)とかかしら?月の夜で月夜(つきよ)とか?』

「ふおお」
『色々出てきたね~』
「あい」
さすが、おいちゃんとおばあちゃんです。

『ほ~今の中から私が選んで良いのか?』

『もちろん』
『ええ。どうぞ。ね?みんな』
「あいっ」
『どうぞ~』
好きなの選んで~


ごそごそ
『『⋯⋯』』
『『⋯⋯』』
ん?なんか後ろで動いてる気配?


『ふむ、私はハクの気持ちが嬉しかったのでな、ゲンが言っていた『白夜』にしようと思う』

「ふおお~」
いいんじゃないかな?
『えへへ~。嬉しいけど、いいの~?』

『ああ。気に入ったよ』にこり

『そっか~じゃあ決まりだね~』
「あいっ」
それじゃあ~ハク、ご一緒に~

「とりしゃん」
『あだ名『「白夜(びゃくや)」』いいです(しゅ)か?』

『ああ、『白夜』良い名だ。頂こう』

ピッ

「ふあっ」
『あ~』

『『あっ』』
『ハクまで』

カーッ!

「ふぎゃあああっ」
『うわ~あっ』
目が目が~っ

『しまったなぁ』
『うっかりしてたわね~』
『ハク⋯』
今回はハクも巻き込まれたようです。

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お読みいただきありがとうございます。

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