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549 個性的?

きらきらきらきらっ

「うにゅ~?まぶち?」
思わずお手手でガードしちゃいます。
『ん~?でもさっき~?』
ぴゅいきゅい『『おしゃまったよね?』』
『『『『『うん』』』』』
たしかに、さっきの光は一回収まったよね?

きらきらきらきらっ

でもお馬さんは、そのキラキラの中で真っ白な翼を色んな開き方をしたり、お顔の向きや足なんかも変えてポーズとってます。


こそこそ
『な、なあ、あの光、自分で⋯?』ひくひくっ
『あらあらまあまあ、そこは気付かないふりをしておきましょうか⋯』
『『『あ、ああ』』』
『『『そ、そうだね』』』
おいちゃんやおばあちゃん、ドワーフさんたちも、なんかこそこそ話しながらお顔がひくひくしてます。


〖あはは~天ちゃん相変わらずだね~〗
〖自分大好きだものね〗
〖元からのこの性格に、主人たちの影響で色々拗らせてますしね〗
〖〖そう(だ)ね〗〗
イル様家族は何だか納得してます。
ということは?

〖いつもの事だな〗うん
『そうだな。通常通りだな』うんうん
へ、へぇ~?ヴァル様達まで言うなら間違いないね


〖まあ、とにかく天馬も元に戻ったようですから、改めまして。サーヤ、皆さん、こちらが私の愛馬、天馬です。神馬とも言いますね〗
『私は神馬ですよ。皆さんがいつまでも私を天馬と呼んでいるだけです』ひひんっ
つーんってお馬さんがそっぽ向いてます。

〖ふふ。仕方ないよ。だって天ちゃんは天ちゃんだもん。あのね?天ちゃんはね、医神が生まれた時に、少~し足が悪いからって育児放棄されてしまったところを保護して、神馬にまで育て上げたんだよ。優しいよね~〗
〖そうね。医神が父親みたいなものよね。医神にかかれば、あの位の足の障害は大したことないし〗
〖まあ、育ての親が医神だったのが、性格形成上、良かったのかは分からないですけどね〗
〖〖まあね~〗〗
イル様たちが色々教えてくれます。エル様、優しい!

『何をおっしゃっていらっしゃるのです。私の性格に問題などありませんよ』ひひんっ

〖そうだね~天ちゃんはなんやかんや、医神のことが大好きだもんね~〗

『当たり前ですよ!』ひひんっ
おお!思いっきり自信たっぷりに答えた!

〖ですって。医神〗ふふ
〖良かったですね〗ふふ

〖⋯⋯〗ふいっ

そっか~。エル様優しいもんね。大好きになるよね!
あれ?エル様のお顔がちょっとだけ赤い?

〖気のせいですよ?〗

ほえ?でも~

〖気のせいですよ〗にこ

あ、あい。何でかな背中に吹雪が見えるよ?ぶるぶる

『ふふ。まあ、とにかく、天馬の紹介は終わったということでいいですかね?それでは⋯』
『ちょっと!バートっ!まだ私のこの美しさを伝えきれていないのですよ!?この筋肉美!美しい鬣や尾!毛艶!そして大きな翼!』
真っ白なキラキラな体を見せつけるお馬さん。

『もう十分伝わっていると思いますが?』
『いいえ!まだ足りないでしょう!』
『十分ですよね?』にこ

バートさんの問いかけに、みんな一斉に、うんうんって頷いてます。

『ほっほぉ。では、私の番ですね。馬は引っ込んでなさい』ふふん
『うぬぬ~』わなわな
あ~あ⋯鳥さん、思いっきりお馬さんを鼻であしらってるね

『さて、こちらは私の相棒の鳥ですよ。種族は梟ですね。とても頭がいいのですよ。それに先程少しお見せした通り、隠密行動にも長けてますね』

「ふお~おんみちゅ⋯!」
隠密と言えば
「『にんじゃ(ね)』!」きらきら
だよね?おばあちゃん!

『でも、隠密行動するにはその白い姿は目立たないか?綺麗だけどな』
おいちゃんが姿を褒めつつ疑問をぶつけると

『ほっほぉ。ありがとう。私は擬態という力が使えるのだ。だからその時々で色や大きさもだが、形も枝に似せたりと多少変えることが出来るのだよ』
『ええ。鳥は周りの状況を見て瞬時に判断できるのですよ』
鳥さんとバートさんが教えてくれました。

『へえ~。凄いな。本当に頭もいいんだな。そういや梟は知識の象徴や、幸運を呼ぶ鳥とか言われてたな』
『そうね。日本では昔は不吉な鳥として言われることもあったけど、外国では幸運の鳥のイメージが強いわね。日本人も今は幸運の鳥と思ってる人の方が多いんじゃないかしら?』
「ほーほーしゃん、きりぇい!もふもふはしぇいぎ!」
だから、幸運の鳥さんだよね!
『あらあらまあまあ、そうね。もふもふは正義だものね』
「あい!」
当然だよね!

『ほっほぉ。もふもふか?』
「あい!もふもふ!」
もふもふ大事!

『そうかそうか。では、手入れは怠らないようにせねばな。主人、よろしく頼むぞ』
『ふふ。畏まりました』
「あい!」
わ~い♪もふもふがもふもふ!

『ああ、そうでした。鳥も神獣ですよ。昔はもう少し可愛げがあったのですが、今は可愛気など全くありませんが』ふぅ~
バートさんも意地悪言いつつ、教えてくれます。
『相棒がコレなのだから、当然の結果だと思うが?』
『本当に可愛くないですね』ふっ
『褒め言葉として受け取ろう』ほっ

「あわわ?」
けんか?
〖大丈夫だよ~いつものじゃれあいだからね〗
〖そうよ。サーヤ〗
〖気にしないで大丈夫よ〗
「あ、あい」
そっか~いいのか~


『なあ、神獣ってのはみんなそんな感じで相棒になるのか?』
おいちゃんが聞くと、

〖そんなことないよ~話してる内に仲良くなって相棒になったり~〗
〖自分で生みだしたり〗
〖あら、そう言えば鍛治神のところなんて〗

〖おう!喧嘩だな!俺が勝ったから『負けたから殺せ』なんていうコイツを相棒にしたんだ〗ニカッ
『ふん!そんな話知らねぇな』ふいっ

『へ、へ~』
『あらあらまあまあ』
「ふお~」
そうなんだ~

〖そうそう。ゲンの刀に使った武神の龍の皮なんか、あいつの愛の証らしいぞ〗にやにや
『あ~そんなこと言ってたな。龍の脱皮した皮、龍が知らない内に全部集めて保管してたんだと。龍が『捨てろーっ』て怒鳴ってたな。俺、脱皮する種族じゃなくて良かったわ』ほ~
〖あ?牙なら取ってあるぞ?〗
『やめろや!』うがーっ

「ふお~。あい?」
色々取ってあるんだね。
『あらあらまあまあ、そうね、愛ね』
『成長記録みたいなもんか?』
「うにゅ。にゃかよち」にぱ
仲良いんだね~

〖そうだろ?〗ふふん
『やめろーっ』ウガーッ


〖ふふ。そうだね~みんな仲良いよね。特に武神は先代の神竜から次代の神竜を託された感じだから〗
〖あれも父親みたいなもんよね?いつだったかご飯食べさせたら詰まらせちゃって、大騒ぎしたわよね〗くすくす
〖ああ、情けない顔で〖医神、助けてくれーっ〗と、飛び込んできた時は何事かと思いましたね〗ふふ

『そうか』にまにま
「ほえ~」
みんな仲良いんだね。
おいちゃんは何か面白いこと聞いたな~とか言ってるね。

『あらあらまあまあ、それぞれの出会いがあるのね~。それじゃあバートさんたちは?』
おばあちゃんが聞くと

『私たちですか?私たちは敵同士だったのですよ』

『『『『『え?』』』』』
敵?

『ある森で魔物の領土争いが激化してると聞きまして、それが片や大型の魔獣、片や小型の魔獣。しかもどうやら小型の魔獣の方が押していると言うのですよ。興味が湧きますよね?』ニヤリ

『そりゃまあ、そうか?』
「あ、あい」
普通は逆だと思うよね?

『しかも、どうやらその中心にいるのが鳥らしいと言うのですよ』ニヤニヤ

『『『『『あっ』』』』』
鳥さんということは?

『ほっほぉ。私だな』
やっぱり

『私は上空から高みの見物をしていたのですが、何を思ったのか、鳥たちが攻撃してきましてね?まあ、死なせる訳にもいきませんから眠らせてから転移魔法で森に送り返していたのですが、それがお気に召さなかったようで』


ぼそっ
『あ~、まあまあえげつないもんな⋯』
『あらあらまあまあ、ダメよゲンさん、今は黙って聞いてないと』ごすっ
『す、すまん』げほっ


『まあ、私たちなど暇つぶし程度にもならないと言わんばかりだったからな。頭に来たわけだ。私もまだまだ若かったからな』ほぉ~
『だから、顔だけでも拝もうと思ってたのですよね』ふふ
『いや。そのいけ好かないふてぶてしい顔を地上に蹴落としてやろうと思っていたんだがな。私の自慢の速さも、爪も全く通用しなかったのだ』ほぉ~


『本当に攻撃したのか。怖いもの知らずだな』
『あらあらまあまあ、だからお静かに』ごすっ
『げほっ』
おいちゃん⋯


『まあ、そんな訳でですね。敵認定された私はしつこく攻撃を受けて辟易としまして、話がわかるなら話し合いで決着をつけようとしたのですが、ああでもないこうでもないと、これまた口の方も達者でして』
あ~二人とも頭いいもんね

『三日』

『『『『『は?』』』』』
「ほえ?」
何が三日?

『三日三晩、上空で飲まず食わずの話し合いの結果、私のあいぼうとなったのです』
『私と口で対抗出来る者などいなかったからな。つい熱くなっただけだ』ほぉ~
『おや、私はいつでも受けて立ちますよ』にっこり
『遠慮しておく。疲れるだけだからな』ほ~


「ふえぇ?」
『なんとまあ、攻撃は攻撃でも、口撃か⋯』
『あらあらまあまあ、それは私も遠慮したいわ』
『いや、みんなそうだろ』

『『『『『うんうん』』』』』
だよね?

兎にも角にも、仲良しこよしの神様たちと神獣さんたちは、出会いも性格も、とっても個性的だと言うことが分かりましたとさ。


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お読みいただきありがとうございます。更新遅くてすみません。

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