384章 保護
警察に事情を説明すると、アオイ、ツカサの母親に連絡を取ってもらえた。
「アオイちゃん、ツカサちゃん、自宅に戻ったほうがいいよ」
娘がこんなに苦しんでいるのに、放置し続けている両親。そちらについても、どうかと思うこともあった。
アオイ、ツカサの両親は3時間ほどでやってきた。
「ミサキさん、うちのバカ娘が大変失礼しました」
謝っているのにもかかわらず、怒気を大いに含んでいた。娘に対する怒りを、どうしても収めることはできないようだ。
「あんた、何をねだったの?」
「パンなどを・・・・・・」
「人様に食料をねだるなんて、どんな神経をしているの?」
「ご、ごめんなさい・・・・・・」
ツカサの母親も頭を下げる。
「ミサキさん、お詫びは必ずさせていただきます」
アオイ、ツカサは地面におでこをつけられていた。
「アオイ、人様に迷惑をかけるんじゃないよ」
アオイはろくでもない性格だけど、母親はまともな人だ。あんな性格になってしまったのは、彼女自身によるものだった。
「ツカサ、乞食みたいなことをするな」
ツカサは絞り出すようにいった。
「おかあさん、ごめんなさい」
アオイの母親は、深々と頭を下げる。
「アオイは責任をもって、引き取らせていただきます。ミサキさんの前には、絶対に現れないようにします」
ツカサの母親も頭を下げる。
「本当に失礼しました。ツカサを監視下に置きます」
アオイ、ツカサは車にのせられる。ミサキ、ホノカはその様子を静かに見守っていた。