バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

366章 絵を描き続ける少女

 サナエは絵を描き続けていた。必死に書き続ける姿からは、仕事に対するモチベーションの高さを感じる。

 サナエは筆をおいた。絵を描き続けてから、二時間以上は経過している。

「サナエさん。納期は大変そうですね」

「はい。5枚の絵を一週間以内に完成させなくてはなりません。かなりのハードスケジュールですね」

 一週間で五枚の絵を描き上げる。タイトな生活を送っている。

「私の家に来てもよかったんですか?」

「ミサキさんと会うことで、心のリフレッシュをしたいと思っていました」

 サナエは大きな背伸びをする。

「ミサキさんといられるだけで、とっても癒されます。体は疲れていても、まだまだ頑張れそうにも思います」

 サナエも体に鞭をうって、絵を必要とする人のために力を尽くす。本当のファンを大切にする気持ちが伝わってくる。

「ミサキさん、そろそろご飯の時間ですね」

「そうかもしれません・・・・・・」

 ミサキのおなかは空腹のサインを発する。

「ミサキさんの大食いを見ているだけで、たくさんの力に変換されます」

「そうですか?」

 サナエは瞳をきらめかせる。

「はい。私も食べている気分になれるんです」

 ご飯を食べる姿を見るだけで、元気を与えられる存在。自分では意識していないけど、周りにはそう見えるのかな。

「ミサキさん、たっぷり食べてくださいね」

「わかりました」

 洋食を食べたかったので、ロールパン30個、シチュー20人前、ステーキ10人前を注文した。やや少なめかなと思ったものの、これくらいにしておこうと思った。

しおり