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522 鍛治神様とご挨拶

〖よろしくな!愛し子サーヤ!〗ニカッ

と、笑ったのは、おっきくて、熱くて、硬い

「かじしんしゃま?ゔぁりゅ、ばりゅ?」
〖サーヤ、言えてないぞ〗
「う?」
なんですか?おいちゃん

〖おう!俺のことはヴァルでいいぞ!主神たちのこともイリュとかエルとか呼んでるんだろ?〗ニカッ

「ゔぁりゅしゃま?」
〖おう!そうだぞ!〗ニヤニヤ

『鍛治神様、めちゃくちゃ締りのない顔になってるぞ』じと

〖なんだよゲン、いいだろ?やっと会えて、やっと名前を呼んでもらえたんだぞ!?にやけたって悪くないだろが!な?サーヤ〗にやにや

「あい。ゔぁりゅしゃま、よりょちくにぇ」にぱっ
〖おう!あ~、やっと会えた。こんな嬉しいことはないな。主神とバートの自慢話がどんなに腹立たしかったか!〗すりすり
ヴァル様がサーヤの頭にお顔をすりすり。すると?

『『ぶふっ』』
『にゅふっ』
『だめよぉ、三人ともぉ。ぷふっ』

「うにゅ?」
結葉様たち、何笑ってるのかな?

『くくっ、たしかに、笑っちゃ悪いけどな』
『あらあらまあまあ、たしかに、ちょっと似合わないかしらね。ふふっ』
おいちゃんに、おばあちゃんまで

「うにゅ?」
〖何だよ〗
なんでみんな笑ってるのかな?あ、みんなじゃなかったみたい。

『『『鍛治神様が⋯』』』ぶつぶつ
『『『なんてこったい⋯』』』ぶつぶつ
ドワーフさんたちは、なんかおかしいね?
何でかな?

〖ふふ。サーヤ、さっき動けないと言ってましたよね?〗にこにこ
エル様が、とってもにこにこです。
「あい」
そういえば、そうでした。なんか、グルグルして今も動けません。

〖姫もさっき、おかしなことしてましたよね?〗にこにこ
「あい」
さっき、サーヤの頭の辺りパクって、ぺっぺってしてました。
どうなってるのかな?

〖こうなってますよ〗にこにこ

どどん!

「ふおお~?」
〖うおいっ!〗

エル様が目の前に魔法で大っきな鏡を出してくれました。が、そこに映っていたのは⋯

「ふ、ふお~?さーや、ゔぁりゅしゃまに、ちゃべりゃりぇちゃう?」がくぶるがくぶる
〖食わねぇよ!?こんな風に見えてたのか?〗
鏡を見てびっくりです。

『ぶはっ』
『あらあらまあまあ、ふふっ』
おいちゃんたちが吹き出してます。

「でみょ、さーや、おいちしょう。やっぱち、ちゃべ⋯」がくぶるがくぶる
〖だから!食べねぇぞ!?〗
ほんとに?

『『ぶふっ』』
『にゅふっ』
『だからぁ、だめって言ったでしょう?あはははは』
結葉様が一番笑ってるよ。

〖ふふ。サーヤは実においしそうですね。赤と白と優しい黄色、淡いクリーム色でしょうか?実に可愛らしくてお似合いですよ。いかつい鍛治神も可愛く見えますね〗にこにこ

「ふおお?」
エル様、さらににこにこ!
〖てめえ、医神、分かっててやったな〗ぐるる
〖おや、心外ですね。まだ寝ているサーヤを抱っこしたいと言ったのはあなたではありませんか〗にこにこ
〖うぐぐ〗
あ、ヴァル様負けてるよ

〖それに、ふかふかな布団で気持ちよく寝ていたサーヤを、そのまま抱かせたら風邪を引いてしまうではないですか。どうしたものかと思っていたら、あなたが持ってきてくれたものがちょうど良かったのです。サーヤがその姿になったのは、たまたまですよ〗にこにこ
〖うぐぐぐ〗

「ふお~」
エル様が、にこにこ攻撃
『それに、絶対論破不可能な畳み掛けるような正論攻撃だな』
『あらあらまあまあ、ちょっとお気の毒ねぇ』
ヴァル様さっきから〖うぐぐ〗しか言えてないもんね?

『ねぇねぇ、おいちゃん~』
『ん?なんだ?ハク、だけじゃないな、みんなもどうした?』
まあ、だいたい分かるけどな

『サーヤのかっこなぁに~?』きらきら
ぴゅいきゅい『『おいちしょう~』』きらきら
『『とってもおいしそう~』』きらきら
『『『あれ、いちご?』』』きらきら
みゃあ『おいちゃん、つくれるかにゃ?』きらきら
『本物、作ってほしいのだ~。偽物はおいしくないのだ~』ぺっぺっ

やっぱりな
『くくっ。あれはな、いちごのクレープだ。本物はあんなにでかくないけどな』

『クレープ?』
ぴゅいきゅい『『あまい~?』』

『おう!このクレープは生クリームもたっぷりで甘くて、美味しいぞ!みんなの好きなアイスや、カスタードクリーム入れることも出来るぞ!フルーツだってなんだってありだぞ!』

『『うわ~あああっ』』
『『『『『作って~』』』』』
キラキラキラキラっ

『そうだな。あとで作るか。本格的にやるなら少なくとも、トンボは作るか?クレープパンは鉄板で代用でいいか。クレープパンじゃ一枚ずつしか焼けないもんな』

『『『『『わ~いっ』』』』』

「う、うにゅ」
サーヤも混ざりたい。けど動けません。そう、サーヤは今

「さーや、いちご」
いつの間に?とってもおいしそうです。でも、お手ても出せません!
『そうだな。かわいいぞ』ニカッ
サーヤは、つやつや真っ赤ないちごの被りものからお顔だけ出てます。お顔周りふかふかです。
その周りにも、美味しそうないちごや、ブルーベリーがたくさん!
白いサテンの布は美味しそうな生クリーム。きれいな波々になってたり、サーヤの頭のいちごには、綺麗に絞った生クリームが!
ミントや、小さなお花も飾られて、体はクレープ生地そっくりなふわふわな毛布?みたいなのがくるっと巻かれてます。完全ないちごクレープです。動けません!

そして、真っ赤ないちごがたくさんのクレープを、とっても大っきなゴツゴツなヴァル様が抱えて、今にも食べられちゃいそうです。

『あらあらまあまあ、天界の私、いい仕事したわね。とってもリアルないちごのクレープだわぁ。かわいいおくるみが他にもたくさん!サーヤはまだ二歳だから、時々はおくるみもありよね?うふふ』

きゅるる『おくるみって言うの?』
そう。鍛治神様が届けてくれた風呂敷の中には、可愛いおくるみがたくさん。

『そうよ。首の座らない赤ちゃんを抱っこしたりする時に便利なの。温度調節に使ったりね。普通は三、四ヶ月で卒業するんだけど、これは色んな所にボタンが付いていたから、今みたいなおくるみ、それから、ぽんちょ、足と手のところで留めればツナギみたいにも出来るわよ。お風呂上がりにパジャマの上に着てもいいわね』
きゅるる『あ、だから、お星様は起きてた方が面白いって』
『そうよ。手足を広げられてこそ可愛さを発揮出来るデザインだから、今回はチョコバナナパフェと、あのいちごのクレープと迷ったのよ』
きゅるる『あれが正解。サーヤの真っ赤ないちごと、白い生クリームの可愛さと、鍛治神様とのミスマッチが最高。チョコバナナパフェも可愛いけど、赤と白の可愛さには負ける』
『あらあらまあまあ、さすが絹さん。分かってるわね』
きゅるる『凛さんたちのお陰』
『うふふ』
きゅるる『うふふ』
おばあちゃんと絹さんが盛り上がってます。

『『『鍛治神様が⋯』』』
『『『真っ赤ないちごが⋯』』』
ブツブツブツブツ⋯
ドワーフさんたちだけはまだ立ち直れません!憧れの鍛治神様がファンシーないちごを抱えて、頬ずりしてるのです!ショックは計り知れない⋯

ともあれ、このあと、おくるみの着せ替え大会が決定!
ちなみに、一緒にハクたち、ちびっこ同盟の分もある。

天界でジーニ様から送られてきた映像を見た、工芸神様や、お針子の天女たち、それから天界樹の精様まで、ちびっこたちの可愛さにやられ、

ばばーん!
『妾も作るぞよ!凛!この天界で一番の糸を出す天蚕も連れてきたぞよ!』
『ぴちち』
天界樹の精様が両手に抱えるのがやっとの大きさの白い固まりを連れてきた!

『あらあらまあまあ!なんて大きなお蚕様!つぶらな瞳が可愛いわ!』
『『『『『私達もお手伝い致しますわ!』』』』』
〖私も手伝いましょう〗
『『工芸神様!』』

そんなこんなで、たくさん作ったのだ。

「ふお~たくしゃん」
〖張り切ってたからな!あいつら!わはは!〗
「ふあっ!しょうだ!あっちにょ、おばあちゃん、げんき?」
〖おう!元気だぞ!毎日毎日、武神とやり合ってるぞ!その度に主神が泣きながら壁直してたんだけどな?ついにバートがブチ切れて、専用の訓練場作ったくらいだぞ!〗ニカッ
「へ、へえ~、げんき、だにぇ⋯」
〖おう!だから心配無用だぞ!ワハハハ〗
「しょ、しょっか~、あはは⋯」
別な意味で心配なような?

『凛さん、あっちでもこっちでもなにやってんだ?』
『あらあらまあまあ、何かしら?』にこにこ
『いや、なんでもない⋯』

そっかあ、おばあちゃん元気なんだね。良かった良かっ⋯
「きゅるるるる~」

しーん⋯

「ふぉ~、さーやにょ、ぽんぽんにょむししゃんみょ、げんき」
「きゅるるるる~」
派手にお腹空いたって言ってます。安心したからお腹減ったまたいです。

『ワハハハ!そうだな!元気な腹の虫だな!んじゃ、メシ食うか!』
「あい」
「きゅるる~」
〖ワハハハハ!〗

みんなでご飯食べよう!ヴァル様も一緒にね!


そしてその頃⋯
〖嗚呼、サーヤ⋯今頃、私がいなくて寂しがってないかしら?もしかして泣いてたり!?〗
〖お母さま、皆もいますし、きっと大丈夫ですわ〗

あのインパクト大な鍛治神がいるのですから、むしろ忘れられてそうですわね。

シア様惜しい。忘れられる以前に、いないことに気づかれていないジーニ様とシア様でした。

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