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511 姫ちゃん、大活躍!

「ぐしゅ⋯」えぐえぐ

絶賛、正座でジーニ様たちに怒られ中のサーやです。
サーヤは集中すると危ないんだって。集中するのはいいことじゃないのかな?

『そうだな。悪いことではないよな。むしろ真剣になれるんだから良いことなんだが』
『あらあらまあまあ、集中力と想像力があるのは、サーヤの長所でもあるから悩みどころね』
おいちゃんとおばあちゃんは、集中力があるのは良いことだと言ってくれてるけど

〖でもね、サーヤ、何事にもね、限度って言うものがあるのよ〗
〖集中するのは、たしかに良いことなのだけどね〗
〖サーヤの場合は、集中しすぎですね〗
神様たちは厳しいです。

「あい⋯ぐしゅ」
でもサーヤ、がんばっただけなのに

『サーヤ~元気だして~』
ぴゅきゅ『『いいこいいこ~』』
『サーヤはがんばっただけなのにね』
『ジーニ様たちちょっとひどい~』
『サーヤ、がんばってたよ』
『ちょっと、やりすぎちゃったかもだけど』
『なかしちゃダメ~』
みゃあ『さーにゃにゃん、たくさん考えてただけにゃ』
きゅるるん『『『『『『『そうだよね』』』』』』』
『サーヤちゃんは、ちょっと想像力が逞しかっなただけなんだな』
『『すごいと思うんだな』』
『ねぇねしゃま、げんきだちてくだしゃい』

「みんにゃ⋯ぐしっ」
みんながサーヤの周りに集まって、いいこいいこしてくれたり、ジーニ様たちに怒ったりしてくれてます。特に

『ジーニ様、魔法はイメージが大事って言ったのだ。サーヤは言われた通りにがんばっただけなのだ。コントロールを覚えるために今練習してるはずなのだ。最初から出来る前提でいちゃダメなのだ!失敗して上手になるのだ!』
姫ちゃんがジーニ様のお顔の目の前に飛んで、とっても一生懸命怒ってくれてます。

〖そうなんだけどね?〗

『姫はサーヤの守石なのだ!サーヤを守るみんなの魔力で出来てるのだ!色んな魔力をまとめる大変さは分かってるのだ!』ふんすっ

姫ちゃんはジーニ様に反論する間を与えません。

「ひめちゃん、あいがちょ。でみょ、さーや、みんにゃに、あぶにゃいちた。ごめしゃい」ぺこ

サーヤがいっぱいお水出しちゃったから、みんなにかかってたら危なかったです。
青葉ちゃんたちのおかげで大丈夫だったけど、誰かおけがしちゃってたかもです。

「あおばちゃんちゃち、あいがちょ。ごめしゃい。ぐすっ」
お礼とごめんなさいはちゃんとしないとです。

『サーヤちゃん、大丈夫』
『姫がね、念話で教えてくれてたんだよ』
『サーヤがきっと最初は失敗するから』
『近くで隠れて見ててって』

「ふえ?」
姫ちゃんが?

『そうなの。サーヤちゃんが、きっとやりすぎちゃうから』
『周りがちゃんと助けられるように準備しておかないとって』
『でも、サーヤちゃんにバレちゃうと気を使って、頑張れないかもしれないから』
『隠れて見ててって。それでね、じぃじと亀じぃもすぐそこにいたんだよ』

「ふえ?」
じぃじたちまで?

『そうなの。一緒に隠れてたんだけど、私たちより一足先に地上に上がって』
『私たちでは手に負えない時のために近く控えてたんだよ』
『だから、いつの間にか現れて』
『ハクたちを避難させてくれたでしょ?』

『そういえば~』
ぴゅいきゅい『『そうだったかも~?』』
そうなの?

『ほっほ。そこまでバラさなくても良かったのではないかのぉ』
『ほっほ。今回は姫のおかげで大事にならなくて済んだの』

「ふおお?」
みんなで守ってくれたの?
「ひめちゃん、じぃじ、かめじぃ、あいがちょ」
お礼しなきゃ

『姫はとうぜんのことをしただけなのだ』
そんなことないよ。ありがとうだよ。

『ほっほ。今回は水の魔法ということだったからのぉ』
『ワシらも手伝えることがあればと勝手に控えておっただけじゃよ』
『それは水影も同じようですのぉ』にこ
『そうではないかの?水影』にこ

「ほえ?」
みーちゃんも?

ちゃぷんっ
『⋯私はもう少し様子を見て、参加しようと思っていただけですよ』さらっ
わあっ、みーちゃんまで!泉の中から出てきました。髪の毛サラりって、整えてるけど、ちょっとお顔が赤い?

『ほっほ。そうかのぉ?』
『ほっほ。深読みしすぎたかの?それは失礼したの』
じぃじたち、くすくすしてます。

「みーちゃん、あいがちょ」
心配してそばにいてくれたんだね。

『ええと、だからですね⋯こほん。いいのですよ。サーヤはどんどんがんばりましょう。私も協力しますからね』
「あい。あいがちょ」
違うって言いたかったみたいだけど、じぃじたちのおかげで素直になってくれたみたいです。だって、じぃじたちが、うんうんってしてます。

そして、今度はジーニ様たちに向かって

『まあ、今回は姫の読みが当たりましたのぉ。ジーニ様』
『たしかに、子らは失敗して大きくなるものですからの。初めから締め付けては上達はしますまい』
『子らはのびのびと育てねばなりませぬからのぉ。ならば、あらゆる事態に対処出来るよう、大人が準備すれば良いことではないですかのぉ』
『それに、サーヤは今回のことできちんと気づいたようですからの』
『先ほど、きちんと謝っておりましたよ。のぉ、サーヤ?気をつけないとハクたちも巻き込んでしまうと気づいたのじゃろう?』
じぃじと亀じぃにはお見通しです。

「あい。はくちゃち、あぶにゃい。ごめしゃい。ぐすっ」
危なかったです。

『サーヤ、それはみんな、おんなじだよ~』
ぴゅいきゅい『『そうなの!』』
ぴゅい『どらごんぶれすとか~』
きゅい『あぶないよ~』
ドラゴンブレス?それは⋯

『モモ、スイ。それが分かってるなら、お前たちはもう少し気をつけなさい』
ぴゅいきゅい『『は~い⋯』』
アルコン様からのツッコミにしまった~ってお顔をした双子に、みんながくすくす笑いました。

『そうじゃの。誰しも失敗して大きくなるんじゃよ』
『小僧の昔なんぞ⋯のぉ?』
『ほっほ。小僧もよく失敗しとったの。たしか、ほれ、泉を凍らせて歩こうとして』
『ほっほ。そうだったのぉ。意気揚々と歩き出したのに氷が薄すぎて、ボチャッと⋯』
『黙れ。じじぃども⋯』ぐるる
いきなり過去の恥ずかしい話を暴露されたギン様は慌てて止めるけど

『ええ~ぼく聞きたい~。じぃじ、それからどうしたの~?』
『ハクっそれ以上はっ』
うんうん。聞きたいよね。

『ほっほ。見事に落ちてのぉ?溺れかけてのぉ?』
『ほっほ。ワシらが陸にひきあげたんじゃよ』
『『若かったの(ぉ)。ほっほ』』
じぃじたち、嬉しそう~

『ええ~お父さん、そんなことあったの~?』
『じじいども、覚えてろ』ぐううっ
ギン様にもそんなことあったんだね。

『『ほっほ』』
『だからのぉ、サーヤもハクたちも失敗を恐れてはならぬよ。失敗したらそこから学べば良いのじゃよ』
『そうだの。それが子らの役目であり、特権だからの。大人は見守り、助け、時には叱ることが役目だからの』

ここまで、じぃじと亀じぃ、神様三人に全く口を挟む余裕を与えませんでした。
すごいです。

〖···そうね。たしかに、今回は私たちの配慮が足りなかったわね〗
〖そうですね。つい、天界の基準で考えてしまいましたが、サーヤはまだ二歳ですしね〗
〖サーヤの魔力の多さに、つい、多くを求めてしまいましたね〗
神様たちがなんだか反省?

『お分かりいただけましたかのぉ。ともかく』
『余計なことをいたしましたの』
『『申し訳ございません』』
じぃじたち、出すぎた真似をと、ジーニ様たちに頭を下げてます。

〖いいのよ。今回は私たちにも学びがあったわ。こちらこそ、申し訳なかったわ〗
ジーニ様まで謝ってます。

『もったいないお言葉』
『ありがとうございますじゃ』
『ですが、今回は⋯』
じぃじたちの視線の先にいたのは

〖そうね。姫、ごめんなさい。あなたの言う通りだわ。それに、姫の機転のおかげでみんな無事だったわ。ありがとう〗
今回、一番裏で活躍してくれた姫ちゃん

『分かればいいのだ。じゃあ、練習再開なのだ』にこっ
姫ちゃん、かっこいい!

「ひめちゃん、あいがちょ。かっこいい♪」
『かっこいい?ん~、姫は、かっこいいより、かわいいがいいのだ』
かわいいがいいの?じゃあ
「ひめちゃん、かっこかわいい♪」
『ん~?かっこかわいい?まあ、いいのだ!姫はかっこかわいいのだ!』
「あい♪かっこかわいい♪」

姫ちゃんもみんなもありがとう!大好き!

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