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495 妖精さんたちのお名前?

妖精さんたちが、それぞれお気に入りのドワーフさんたちのお腹の辺りで、お団子に・・・

『よ、良かったね』
『ぼくたち大人しくしてて』
『『『大正解』』』ガタガタガタガタ
抱き合って震える妖精さんたち。その視線は、床で涙を流しながら倒れている、妖精四人・・・

『おなまえ・・・』
『すっごい』
『てきとうに』
『決められた~』
『『『『うううぅぅっ』』』』
しくしくしくしく

そう、ジーニ様の静止も虚しく、名が決まってしまった、光の妖精ポワ、ピカと、火の妖精ボン、メラだ。そして、

『あ、あぶなかったぁ』へなへな
『たすかったぁ』ぶるぶる
抱き合って震えてるのはもちろん、
『あんたたち、あの名前でいいかい?』
『『・・・・・・っ』』ふるふるふる
シュルとニョキになりかけた緑の妖精の二人だ。

「うにゅ?」
なんだろね?

『あらあらまあまあ、孫がごめんなさいね』
『サーヤがすまんな』
おばあちゃん、おいちゃん、だから何が?

『まあ、かわいいお名前ではございませんか。なぜ、泣いてらっしゃいますの?』
『そうですわよね?何がいけないのでしょうか?』
そうだよね?アイナ様、リノ様。お名前かわいいよね?
アイナ様たちも結葉様がこっちに来ちゃったので、一緒にこの騒ぎを見てます。それにしても、結葉様はどうやって抜け出してるんだろね?

『にゃはは、ご主人とリノ様と、サーヤちゃんのネーミングセンス、やっぱり似てるにゃね。ここはニャーニャに任せるにゃ』
そう言いながら、泣いてる四人に近づくニャーニャ。四人の前に膝をつくと優しく語り掛け始めた。

『みんな、元気出すにゃ。気持ちはわかるにゃ。ニャーニャは仲間にゃ』キラリ
ニャーニャの目に光るものが・・・

『『『『ニャーニャ様・・・』』』』うるうる
ニャーニャを見つめる四人・・・

『元気出すにゃ。四人の名前は、特徴を掴んだかわいい名前だと思うにゃ。愛し子のサーヤちゃんが選んでくれた、かわいい名前にゃ。ニャーと鳴くからニャーニャよりよっぽど素敵な名前にゃ』ほろり

『『『『ニャーニャ様・・・』』』』ほろり
あれ?何だか四人の涙が変わった?

『それににゃ?思い出すにゃ。みんなも仲のいい、田んぼの鴨ちゃんたちの名前や、モーモーさんたちの名前を』ほろり

『『『『ハッ!』』』』
『そうだった、牛だからって・・・』
『うーちゃん、しーちゃん···』
『カモさんたちは・・・』
『ネギちゃん、ナベちゃん・・・』
んん?なんかみんなの目が開いた?

『そうにゃ、ゲンさんに聞いたにゃ。あの名前の由来を···。カモがネギしょって鍋にされて美味しく頂かれてしまうそうにゃ・・・』つーぅ
涙がひとすじ・・・

『『『『か、かわいそう・・・』』』』
みんな口を手で覆って、目を見開いてる?

『そうにゃ。涙なくては語れないにゃ。そう思うと、ニャーニャはニャーニャで良かったと思うのにゃ』そっ
妖精さんたちに、手を伸ばすニャーニャにゃん。

『うううっ』
『食べられちゃう名前より』
『たしかに幸せ』
『うん。この名前で良かった』
再び涙を流し始めた四人・・・

『分かってくれたかにゃ?』
『『『『はい。ニャーニャ様』』』』
『みんにゃ!』
『『『『ニャーニャ様!うわぁんっ』』』』
ひしっ
抱き合って泣いているニャーニャと四人の妖精さんたち。分かりあった瞬間だった。


「ぶー」
なんか、色々言われた気がする~

『私も何だか納得できませんわ』
だよね?アイナ様

『まさか、ここで鴨たちの名前が出てくるとはなぁ・・・』
『あらあらまあまあ、サーヤったら・・・』
『ぷっ。まあ、解決?』

ニャーニャにゃんのおかげか、かわいそうな牛さんや鴨さんたちのおかげか、四人は名前を受け入れた!


〖ま、まあ、良かったんじゃない?〗ヒクッ
〖そ、そうですわね〗ヒクッ
さすが女神母娘!ひきつり方がそっくり!

〖さあ、それでは他の子もはやく契約してください〗ニコリ
エル様は変わらず、容赦のない笑顔です。

『『『『は、はい』』』』
『『『『すぐに!』』』』
ドワーフさんたちが一斉に背筋を伸ばします。

ドワーフさんたちのお腹の上では妖精さんたちが、期待のこもったキラキラなおめ目で、ドワーフさんたちを見つめてます。
そして、またまた

「ぽわちゃん、ぴかちゃん」
『『サーヤちゃん』』
サーヤがぽてぽてとやって来て、

「よいちょ」ぺちょん
『ん?なんだ?』
天河さんの太腿に腹ばいで寝っ転がりました。妖精さんたちと同じ目線です。
床に直接寝っ転がってないから、ぽんぽんから風邪ひくこともありません。むしろ、ぽんぽんぽかぽかです。
『俺は暖房か?』
まあまあ、いいじゃないですか。

「てんがしゃん、どんにゃ、おなまえ、ちゅけりゅかにゃ?」
『さあ?どうなるかな?』
『火と土と、緑と風と、水の妖精だね』
「しょっか~」
みんないるね~。そう言えば、ジーニ様が前に、ハクが癒しの魔法が使えるって言った時に、水の魔法でも癒しが使えるって言ってたよね?なんで使えるのかな?聞いてみようかな

「じーにしゃま、いやし、つかえりゅ?おみじゅ?」
何でかな?

〖え?ああ、そうね。前に少し触れたことがあったものね。確かに、癒しの力は光の属性が有名だけどね、水や緑の属性も、形は違えど癒しの力は使えるのよ〗
ジーニ様が優しく教えてくれます。

「おみじゅ、も、みどり、みょ?」
〖そうよ。お水も緑もよ〗なでなで
えへへ~。「も」がんばったの分かってくれたみたいです。

『なるほど、人の体の六割以上は水分で出来てるしな。緑も薬草とか人を癒したりするしな。そんな所が関係してるのかもしれないな』くしゃくしゃ
えへへ♪おいちゃんも分かってくれたみたいです。

『へえ?俺たちの体はほとんど水ってことか?水って、すげぇんだな』
天河さんが水の妖精さんを見て感心してます。
水の妖精さんが照れてます。

『ん~名前、名前かぁ。どうすっかな~?水だから水?土だから土?』

「ほええ?」
水だから水?土だから土?
『それ、まんまだよな』
〖そうね、名前と言っていいのかも怪しいわよね・・・〗
〖お母様、ダメだと思います〗
〖そうよね···〗

みんな、ポカーンです。いや、水と土の妖精さんは必死に首振ってます。
『『······っ』』ぷるぷるぷる
涙目です。

『にゃ、にゃんと?ご主人と、リノ様と、サーヤちゃんの上をいってるにゃ?』
愕然とするニャーニャにゃんに

『『ボン、メラ・・・』』
『『ピカ、ポワ・・・』』
『『『『このお名前でよかったね』』』』ひしっ
四人の妖精さんたちが、抱き合って涙を流してます。

「ぶー」ぷくう
なんか素直に喜べません。
『サーヤちゃん、私も同感ですわ』ぷくう
『アイナ、サーヤちゃん、私もですわ』ぷくう
やっぱり?なんか、ひどいよね?
三人でほっぺ、ぷくうしちゃうよ?

『もうなってるな』
なんですか?おいちゃん。

〖医神、急かすのはやめてあげて〗
〖そうですね。相談してゆっくり決めるのがいいかと〗
ジーニ様とシア様が、あまりに気の毒だわって、エル様をやんわりと説得してくれてます。

〖・・・そうですね。私が急かしすぎていたようです。ゆっくりお決め下さい〗
エル様も急かすのはやめたようです。お名前大事だもんね。

『あんた、こっちのなまえが決まったら、一緒に決めてやるから、じっとしてな』ギロッ
『あんたらもだよ。あんたらのネーミングセンス似たようなもんだろ』キッ
『大人しく待ってな』ビシッ
『『『勝手に付けんじゃないよ!』』』ギンッ!
奥様たちから、待ったがかかりました。お目目が鋭く光ってます!

『『『は、はい』』』
天河さんたち、完全に尻に敷かれてるね。

『『『『『ほっ』』』』』
妖精さんたち、みんな、明らかにほっと安心してます。
良かったね。天河さんが付けないなら、みんな少しは安心、かな?

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