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492 どう聞くの?

ジーニ様がドワーフさんたちに、妖精さんや精霊さんに複数契約してもらったら?って話しをしてたら、結葉様が
『本人たちに聞いたらいいのよぉ。うふ♪』って・・・

「むすびはしゃま?どーやって、きくにょ?」こてんっ
本人って妖精さんたちだよね?

『うふふ。普通に聞いたらいいのよぉ』
「ふちゅう?」こてんっ
普通って何?

『うふふ。頭が左右にこてんこてん可愛いわぁ。簡単よぉ。まあ、見ててねぇ』
「うにゅ~?」
見ててね?頭こてんこてんしてたら、お顔両手で挟まれて真っ直ぐにされちゃいました。だから、真っ直ぐ結葉様のお顔見たら、にっこり笑っていきなり

『みんなぁ~お気に入りのドワーフさんたちと契約したい子ぉ~。ドワーフさんたちにと~まれぇ♪』
うわんわんわんわん

「ふおぉぉお?」
どうやったのか、教会の中で響き渡るような大きな声が!?くわんわんわんわん
何が起こったの~?世界が回る~くわんくわんくわん

〖サーヤっ〗がしっ
「ふにゅ~?」くわんくわん
フラフラしてたらジーニ様が慌ててサーヤを受け止めて、ひょいって抱きしめてくれました。

『あらぁ?』
〖結葉っあんたね!あんな至近距離で『精霊の呼声』使ったらサーヤがこうなるでしょ!サーヤ、大丈夫?今治してあげるわ〗ぽわんっ
「ほえ~えぇ?」
あれ?楽になった~
〖良かった。楽になったみたいね〗ほっ
「あい。あいがちょ~。でみょ~?」
何があったの~?
〖それは・・・『『『『『『ぎゃーっ』』』』』』ね?〗びくうっ

な、なに?親方たちの声?
驚いて声がした方を見ると

「ふわあ?」
〖ああ~結葉・・・やってくれたわね〗
な、なにが起きたの?


『なんだなんだなんなんだーっ!』
『前が見えないぞ!』
『前どころか身動き取れないぞ!?』
『ああ?なんか魔力吸われてないかい?』
『ああ?こら!何チュウチュウ吸ってんだい!?』
『てか、私らじゃないだろ!?』


「ふわあ~?」
親方たちか大変!?
〖結葉あああっ〗わなわな
ジーニ様がなんか怒ってます。というか、ブルブルしてます。
「あわわわわっ」
あっちもこっちも、あわわわわっです。

親方とおかみさんたちが全身色んな妖精さんたちに集られてます。
それはもう足の先から頭のてっぺんまで妖精さんまみれです。
親方なんか、がに股になって両手開いて、なんとかバランスとってます。大人気です。
しかも、妖精さんたちみんな

『『『『『チューっ♪』』』』』

って、みんな親方たちから何か吸い取ってます。それに

『ぎゃーっ』
『なにごとだ!?』
『うわーっ』
『こら、足にしがみつくなっ』
『急に顔に張り付かないどくれっ』
『誰か助けろーっ』
『どうなってんだ急に!?』
『と、とにかく親方のとこ行くよっ』
『そうだね、絶対こういうヤラカシわ!』

外でもそこら中でドワーフさん達の声がします。しかも親方のところって言ってます。と、言うことは?

『『『『『『親方ーっ!』』』』』』バーンッ!

やっぱりーっドワーフさんたちみんな来たーっ

『『『『『『『結葉様ーっ!今度は何をしたーっ!!』』』』』』』

「ふおっ!?」
〖結葉・・・っ〗ぶるぶる
みんな、なんで結葉様が犯人だって分かるの!?

『あらぁ?おかしいわねぇ?どうしてこうなったのかしらぁ?』こてんっ
結葉様、不思議そうに首傾げないでください。ほっぺに指当てて可愛らしくしてもダメですよ。

〖結葉、あなたどれだけやらかしてきたのですか・・・皆さん、何も言わなくとも誰が犯人が分かってるじゃないですか〗
〖結葉、あなたワザとですか?今回に関しては天河たち限定で良かったはずですよね?〗
シア様とエル様が背筋が凍りそうなほどのジト目で結葉様に詰め寄ってます。

『ええ~?』こてんっ

『あらあらまあまあ、結葉様?私たちにも分かるように説明してくださいな?』にこにこゴゴゴ
『そうだな。サーヤをフラフラにした説明をしてもらおうか』ずいっ
『もらおうか』
おばあちゃんとおいちゃんと、みあちゃんまでお怒りモードです。

『あらぁ?』こてんっガシッガシッ

『『お母様?』』ギラリッ
『サーヤちゃんの真似をなさっても』ギリ
『誰も誤魔化されませんわよ』ギリリ

「ひょえ!?」
〖ああ~ついに完全にキレたわね〗ヒクッ

い、いつもニコニコふわふわ優しいアイナ様と、ちょっと変態さんだけど、やっぱりいつもニコニコふわふわなリノ様のお顔がっ

『あ、あらぁ?アイナちゃんにリノちゃん?どうしたのかしらぁ?』ギギギ

『どうしたのかしらぁ?ではございませんわ。お母様』ギリギリギリギリ
『先程、あれほど少しは周りへの迷惑をお考えくださいませとお願いしたばかりですのに』ギリギリギリギリ

『い、痛いわぁ~ニャーニャ何とかしてぇ』

『知らないですにゃ!反省しないからにゃ!自業自得ですにゃ!』ふんっ

「あわわわわっ」
〖あらら、あのアイナをあそこまで怒らせるなんて・・・〗ヒク
アイナ様とリノ様のお顔が般若ですっ。お目目がピカギラって怪しく光ってます。声もなんか低いですっ。背中で何かがゆらゆらしてる!?しかもさっきから二人で結葉様の頭をギリギリと掴んでますっ。大丈夫?爪立ててない?結葉様、涙目だよ?
さすがのジーニ様も引いてます。

『『お母様、改めてお話が必要ですわね』』こぉぉ
『向こうに行くにゃ』
ズルズルズルズル・・・
『いやぁ~ん』

「あわわわわっ」
なんか変なも音してる~ぅ
〖行っちゃったわね~〗
引きずられてっちゃった・・・

みんな、般若化したアイナ様とリノ様に驚いて、ただただ見てるしか出来ませんでした。

『あらあらまあまあ、それじゃジーニ様にお聞きするしかないわね。何が起きたのかしら?』
一足先に復活したおばあちゃんが聞いてきました。
『そうだな。どうなってんだ?』
みんなもなんとか復活です。

〖そうね。まず、結葉がさっき使ったのは『精霊の呼声』と言って、精霊や妖精に呼びかける時に使うの。声に魔力を乗せてね〗
〖あの声は精霊や妖精の魔力と共鳴するのよ。ましてや結葉は精霊や妖精の頂点でしょ?〗
〖ただでさえも強い声を、あの至近距離でサーヤが浴びてしまったので・・・〗
神様三人が教えてくれます。なんか、申し訳なさそうに

『あ~三半規管を思いっきり揺さぶられてグラングランになった訳かあ』
『あらあらまあまあ、マイクがハウリング起こした感じかしら?』
おいちゃんとおばあちゃんが納得したみたいです。

〖ハウリングが何かわからないけど、多分そういうことね〗
そんなんだね~

『ジーニ様~』
ぴゅいきゅい『『ドワーフしゃんたちは?』』
『『どうなってるの?』』
『『『みんな』』』
みゃあ『大変そうにゃ』
『動けないのだ』
ちびっこ同盟たちも心配そうに聞いてきます。たしかに、顔にも張り付いたりしてるから、みんなグラグラしながら踏ん張ってます。

〖あれは、やられたわね。まったく〗はぁっ
〖結葉ったら、制限をかけませんでしたからね。まったく〗はあっ
〖ええ。あの言い方では全ドワーフ対象でしたからね。救いは聖域の中に限られたことですかね。まったく〗はああっ
神様三人、今度は大きなため息つきです。しかも、こめかみ辺りになんか青い筋がっ

〖それでね、妖精たちにも味に好みがあるのよ。魔力のね〗
〖妖精たちは魔力をおやつのように感じてますからね〗
あっそれ最初の日にフゥとクゥから聞いたお話だっ
〖普段から空中に漂う金剛たちの魔力を、こっそり食べてる妖精たちがいたのは気づいていたのですが〗
そうなの?

『ああ、結葉が許可を与えてしまったから』
『こっそりすることを止めたのですね』
神様三人の説明にアルコン様とギン様も納得。

『いや、説明はいいからよ』
『こいつらどうにかしてくれよっ』

『『『『『チューっ♪』』』』』

『うおーっだから魔力吸うのやめろーっ』
『ちょっと!一度離しとくれよ』
『頼むからさっ』
『なんとかしとくれーっ』

ドワーフさんたち、魂の叫び・・・

『そう言えば、肝心の天河さん達は?』
『『『あっ』』』
青葉ちゃんと泉の精霊さんたちが思い出して探すと

『なんとまあ、またかのぉ』
『よく倒れる御仁たちだのぉ』
『『まだまだ若いの(ぉ)』』
じぃじたちが残念なお目目・・・

そう、天河さんたち六人のドワーフさんたちはまたまた

『え~?でも、親方たちと違って人数少ないのに』
『起きて親方たち見たら違う意味のショックでまた倒れるんじゃないか?』

そうなのです。フゥとクゥの言う通り、また倒れてるのです。全身見えないほどびっしり集られてる親方たちに対して、天河さん達は

「いーち、にー、さ~ん・・・ふがっ」パシっ
〖サーヤ、さすがに可哀想だからやめてあげて〗ぐすっ
〖そうね。あなた達も親方たちからひとまず離れてあげなさい〗ぐすっ
〖そうですね。後で必ず契約のお手伝いをしてあげますから〗くっ
ジーニ様に口を塞がれてしまいました。そして、神様三人が涙をっ!

「あ、あ~い」
分かりました。

『『『『『『は~い・・・』』』』』』

親方たちに集っていた妖精さんたちも渋々離れて天井の梁とか、棚とかの上に並んでこっち見てます。ずらーっと、指を咥えて・・・

『『『はあっ・・・』』』
『『『助かった・・・』』』
『『『『『『は~あああ・・・』』』』』』
親方やドワーフさんたち、ぐったり。お疲れ様です。

『あらあらまあまあ、中々大変ね』
『そうだな。早く起きないかな』
『ぷっ。ヘタレは中々治らない』
みんなのなんとも言えない生温い目が天河さんたちに・・・みあちゃんだけはなんか違うような?

『『『『『『・・・・・・』』』』』』
『『『『『チューっ♪』』』』』

「ちゃべほーぢゃい」ちゅー
『あらあらまあまあ、干からびたりしないかしら?』
『干しドワーフ』ぷっ
『なんか嫌な響きだからやめてくれ』
とにかく、天河さんたち早く起きないかな?

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