バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

337章 焼きそば店勤務

 ミサキは仕事をするために、焼きそば店にやってきた。

「ミサキさん、おはようございます」

 最初に挨拶したのはシノブ。焼きそば店において、店長をしている。

「シノブちゃん、おはよう。恋愛はうまくいっているの?」

 シノブの表情は曇った。

「あんまりですね。お互いに多忙すぎて、顔を合わせる余裕はありません。交際を開始してから、3回程度の顔合わせにとどまります」

 飲食店は休みを取るのは厳しい。顔を合わせるのは難しいと思われる。

「お互いの同意の上、破局することになるでしょう。喧嘩別れではないので、将来的に交際を再会させるかもしれません」

 恋愛を犠牲にして、店の仕事に取り組む。生半可なやり方では、成功を収めることはできない。

 飲食店で成功したとしても、過労死するというパターンもある。成功も地獄、失敗も地獄なら、どのようにすればいいのか。

「焼きそばを心から愛しています。こちらを犠牲にするのは、絶対にありえないです」

 シノブが結婚するとすれば、焼きそば店で一生働いてもいいという男性のみ。選択肢はかなり限られてしまっている。

「ミサキちゃん、おはようなのだ」

 フユコはアホ毛が特徴的な女の子。語尾に「なのだ」をつけるのも、大きな特徴である。

「フユコちゃん、おはよう・・・・・」

 エマエマの熱狂的なファンで、一枚目のCDを所持している。数枚しか売れていないため、持っている人は限りなく0に等しい。

 一枚目のCDには、彼女直筆のサインが書かれている。オークションに出品すれば、1億ペソはくだらないと思われる。

「フユコちゃん、CDを大切にしているの?」

 フユコは首を縦に振った。

「サイン入りCDは、5重ケースで保管しているのだ。音楽を聴くのではなく、観賞用にしているのだ」

 フユコはとっても大切にしている。その話を聞くだけで、とても温かい気分になれた。

「ミサキちゃん、おはよう」

「ユタカちゃん、おはよう」

 ユタカは物静かな女性。感情を表に出すことは少なめ。

 スレンダー体質で、本人はその部分を気にする。胸はおまけであると、割り切ることはできていない。

「ミサキちゃん、おはよう」

「アズサちゃん、おはよう」

 アズサは一週間前に入社し、焼きそば店の一員として働いている。仕事、子育てを両立しているため、勤務は週に1~2回程度。ミサキよりも、勤務日数は抑えられている。

 勤務時間は午前中もしくは午後のみ。子育てをしながらの仕事は、思っている以上に大変なようだ。

 アズサは耳の上に、2つの丸い玉がある。長い髪をくくるために、丸玉にしているといっていた。丸球を解放したとき、どのような長さになるのか。

 マイ、シラセも焼きそば店で仕事する。7人体制で、たくさんのお客様をもてなす。

しおり