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475 おしおき

大泣きしてたちびっこたち。
サーヤはおいちゃんに抱っこされて、えぐえぐしてます。
『ほら、サーヤ、泣きやめ。大丈夫だから』ぽんぽん
「ふぇ⋯えぐえぐ」

ハクや双子たちは
『ハク、落ち着いたか』
『うん。お父さん⋯ぐすっ』

『大丈夫だぞ。お前たちは我が守る』
ぴゅいきゅい『『おとうしゃん⋯ずびっ』』
お父さんたち、がんばってます。

そして、
『ほら、フィオ、ヴェル、アーブ泣かないで』
『『『フゥ~うえぇ』』』
『フライとフルーも泣かないで大丈夫だぞ』
『『クゥ~うわぁ~』』
ちびっこたちもそれぞれ慰められている。

そして、思わぬ余波が寄ってしまったところも⋯

『よしよしなんだな』
みゃあ『ぽぽちゃ~ん。おおきいごしゅじん、ねぇね~っ、うにゃ~んっ』
『かわいそうなのだ~。ううっ』
『兄ちゃん~』
『にいちゃん~』
話を聞いたぽぽちゃんたち兄弟。つくしちゃんと、なずなちゃんまで泣き出してしまい、ココロと姫ちゃんに加えて弟と妹にも泣きつかれてしまったぽぽちゃん。四人まとめて面倒を見ることに⋯

そして、
〖まったく、そんなことまでしてたなんて〗はああ⋯
頭痛いわ。と、眉間をぐにぐに揉み揉みしているジーニ様⋯
〖アイナたち、よく無事でしたね〗
シア様も、はあっと大きなため息。

『非道という言葉が相応しい行いですの』
『まさか、サーヤたちにもするつもりではありますまいのぉ』
じぃじと亀じぃも長老としてお話に参加。あまりの酷さにお怒りモード

そして、

『あらあらまあまあ?そんなこと私が許さないわ』にこにこごごご
『ミアも許さない』
仁王立ちして胸の前で短い腕を組んで凄む、にこにこ顔の怖いバージョンのおばあちゃんと、無表情で凄むミア。
編みぐるみコンビ。
その前には

『あ~ん。サーヤたちにはやらないわぁ』
正座で怒られ中の結葉様。

『あらあらまあまあ?当たり前よね』にこにこごごごご
『させない』ずずずっ
反省の色を見せない結葉様に、おばあちゃんとミアの編みぐるみコンビは

チュイーンっ バシュッ!
チュイーンっ バシュッ!

『いやぁ~ん』
結葉様の両脇を掠めるように、いつぞやの魔力を的に当てる練習の時のチュイーンっなやつが通過した。結葉様の両脇を通過したチュイーンっは少し離れた地面に穴を空けている。これには流石に

〖ちょちょちょ、ちょっと待ちなさいっ〗
〖そそそ、それはいくらなんでもダメですっ〗
慌ててジーニ様とシア様が止めに入る。

『あらあらまあまあ?安心して?当てるようなヘマはしないわ』にこにこ
『仕留める気なら、急所狙う』ふんっ

〖〖いやいやいや〗〗
〖なおなのことだめでしょう!〗
〖やめてください!サーヤたちも悲しますよ!〗
女神様二人、必死で怒れる編みぐるみコンビを止める。

『『ふんっ』』
ふんっとそっぽを向く編みぐるみコンビに

『いや~ん』
と、編みぐるみコンビの神経を逆撫でしそうな声を出す結葉様。果たして本当に反省してるのだろうか?

『そもそもの話ですがの?結葉様は、なぜそのようなことをしなさったのかの?』
『そうですのぉ。いくらなんでも、やりすぎとは思いませんでしたかのぉ』
もっともな疑問を結葉様にぶつけるじぃじと亀じぃ。
そう言えばそうだなと、今ごろ他の大人たちも気づいた。
とすれば、みんなの視線は自然に結葉様に集まるのだが⋯

『え~?ほら、人間やエルフって悪知恵だけは働くじゃなぁい?だからぁ、あらゆる悪い事態を想定してぇ、自分の力がどういうことが出来てぇ、どういう効果をもたらすか実感してもらおうと思ってぇ』

しーん

人間&エルフ不信の結葉様らしい考え方のようにも思えるけれど
〖は~ああぁ、だからってアイナたちにしたことは、いくらなんでもおかしいでしょうに〗
ジーニ様がまたまた大きなため息をつきました。

『だってぇ。上の子たちは平気だったから~。むしろ、ケロッとしてたからぁ、この位やらないとダメだと思ってぇ』

しーん

〖結葉⋯念の為に聞くけど、その上の子ってまさか?〗
〖空と水のでしょうか?〗
ジーニ様とシア様がすっごいジトーっとした目で聞きます。

『そうよぉ。あの子たちは何をしてもケロッとしてるからぁ、つまらなかったのよぉ』

しーん

〖⋯よりによって〗
〖引き合いに出したのが〗
〖あの、脳筋共とは〗ピクピク
神様三人、呆れ果ててます。というより、もしかして⋯

『いや~ん。ジーニ様たちったら、なんで怒るのぉ?』
やっぱり怒ってた?

〖〖〖怒るわっ!!〗〗〗
あっ、神様たち切れた?

『あらあらまあまあ?ジーニ様、説明してくださる?』にこにこ
『だれ?』
おばあちゃんとミアちゃんが、そこだけで納得してないで説明しろって顔が言ってます。

〖ん~アイナの兄たちなんだけどね〗ぴくぴく
〖なんと言うか、少々粗暴というか、異様に頑丈なのが取り柄と言うか?〗ひくひく
〖ふんっ。あれは脳筋と言うのですよ。あんなのの後に、よりによって〗ピキピキ
神様三人のコメカミがピクピクしてます。

『ああ、もしや、以前アイナ様がおっしゃっていた、ことある事に末っ子だからと厄介事を押し付けるという』
『今回も真っ先に末っ子だからお前が行けと言ったという、あの』
『『お兄様たちですかの(ぉ)?』』
じぃじコンビが、アイナ様が聖域に来た時のことを思い出すと

〖そう。それよ。まったく〗
〖悪い子達ではないのですけどね〗
〖踏んでも蹴っても無傷でいるような奴らですよ。なのによりによって繊細なアイナにあいつら以上の仕打ちをするとは〗
〖〖〖殺す気(ですか)?〗〗〗
神様三人から殺気が⋯

『え~でもぉ、無事だったでしょお?』
結葉様、それは

『あらあらまあまあ?それは優しいドワーフさんたちがいたからよね?』
『運が良かっただけ』
反省の色がない結葉様にみんな怒り心頭

『あれですの、これはサーヤの案を採用で良いのではないでしょうかの?』
『そうだのぉ。今の結葉様には一番答えるのではないですかのぉ』
じぃじたちが言葉で通じないならと提案したのは

〖そうね。期間はどの位にする?〗
〖この生活に慣れてしまった今なら、一食でもキツイはずですから、明日の朝までではどうですか?〗
〖甘いですよ。せめて明日いっぱいではいかがです?〗

神様三人が話し合います。その様子を見て
『えぇ?何が明日までなのぉ?』
結葉様がようやく不安な様子を見せてきました。

『もちろん、結葉様のご馳走我慢ですの』
『アイナ様の為にゲンたちががんばっておりましたからのぉ』
じぃじたちがお仕置の説明をすると

『えぇ~?そんなぁ』
結葉様が泣きそうです。

『甘いわ。ごちそう我慢だけじゃダメよ』
『足りない』
おばあちゃんとミアがそんなんじゃ全然足りない!と握りこぶしを

〖凛、ミア、あとはどうするの?〗
ジーニ様が聞くと

『決まってるわ。サーヤのお触り』
『禁止!』
ビシィっとポーズを決める編みぐるみコンビ。

〖そ、それは耐えられないわ〗ガーンっ
なぜかジーニ様がショックを受けてます
〖お母様がショック受けてどうするのですか〗
〖ふふ。魔神のおしおきする時のメニューも決まりましたね〗
〖やめてぇぇっ〗ぐしゃあっ
ジーニ様、おしおきされるようなことしなきゃいいんじゃ?と、みんなが思っていると

『いやぁ~ん』
結葉様も、いや~んじゃなくて反省してください。


そして、この騒ぎの片隅では
『アイナ、ニャーニャ、しっかりなさって下さいませっ』ゆさゆさ
『『⋯⋯』』
体育座りで小さくなってるアイナ様とニャーニャを、リノ様が必死で慰めていたのでした。

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お読みいただきありがとうございます

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