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『絶望と再生』

少女は教室を出て、階段を上り、校舎の裏にある焼却炉に立ち止まった。そこには一人の少年が座っていた。

少女に気づいた少年は立ち上がり、「こんにちは。」と言って、友人に呼ばれたためその場を去ってしまう。

教室から見える中庭に一人の女生徒がいたが、少女はすぐに視線を戻した。授業が終わり、少女が帰りの準備をしていると、声をかけられる。

振り向くと、先日食事をした友人の一人である女子生徒がいた。少女は彼女と一緒に教室を出て、近くのファミレスに入った。

向かい合って座り、彼女が話しかけてくる。「ねぇ、あの時言ったこと、嘘だったの?」と聞いてくるので、少女は首を振る。彼女は続ける。「じゃあ何で?」

自分の理由を説明することはできなかった。「どうすれば良かったのか分からないからです」とは答えられなかった。彼女は言葉を続ける。「あなたが何を思っているのか、正直言って、私には全然分からない」

少女は分かってほしいと思ったことはない。自分だって、人の考えていることが全部分かるわけではない。それに、自分が思っていることなんて、きっと誰にも分からないだろう。だから少女は黙っていたのだが、それを伝える方法も分からなかった。

ただ、自分が彼女を傷つけてしまったことは分かった。謝ろうと思って口を開いたが、何も言えなかった。

「……何が言いたいの?」
「ごめんなさい。」
「それで、許してくれるとでも思ったの?」
「はい。」
「ふざけないでよ。」
「本当に、すみませんでした。」
「何でよ」
「もう、分かりません。」
「意味わかんない」
「そうですね。」
「あんたのせいよ」
「そうかもしれません。」
「ふざけんなよ」
「はい。」
「もういい」
「ふざけんなよ」
「いい加減にしてよ」
「うるさいんだよ」
「いい加減にしろよ」
「お前のせいで」
……
「死ねよ」……
「あんたなんか死ねばいいのよ」………………。
…………私、死にます。
彼は彼女を呼び止めなかった。
一週間後、彼女は亡くなった。
遺書には、こう書かれていたそうだ。
「私は最低の人間です。
私は友達を殺しました。
私は自殺します。
今までありがとうございました」
この話をしてくれた人の名前は知らない。
誰も知らなかった。
何故ならその人は、自分が話した後すぐに亡くなってしまったかららしい。
突然現れて、いつの間にかいなくなっていた。
そんな不思議な人だ。
今思えば、あの話は本当だったのかもしれないと思う。
そして、彼女に会ったことがあるのかもしれないと思う。
いや、確かに会ったはずだ。
なぜなら、彼女の言う「彼」は、自分自身だったからだ。
これは僕が経験した話だ。

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