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『絆の響き』

「おや、ここにいたのか。もう帰ると言っていたのに」と彼女が近づいてくる姿を見て、僕は嫌な予感を抱いた。しかし、逃げようとする前に彼女に捕まえられ、強引に引きずられるようにしてその場を後にすることになった。

彼女は「それではご機嫌よう」と言って去っていった。僕は自宅に戻り、まずはお風呂に入って汚れを落とすことにした。

翌朝、目を覚ますといつも通り身支度を整え、朝食を取って家を出た。学校に着くまでの間、誰とも会わなかったことには不思議さを感じたが、特に気にすることはなかった。教室に向かうことにした。

「おはよう!」と元気よく声をかけながら扉を開けると、クラスメイト全員から挨拶された。驚いたが、僕もそれに答えると、違和感を覚えた。なぜなら、彼らが昨日までとは違う反応を示していたからだ。

「何か嬉しいことでもあるのか?」と、女生徒が声をかけてきた。

「君、ここにいたのか」と僕が尋ねると、彼女は「ずっとだよ。おかしな人だけど」と答えた。

「まさか」と僕は言った。

その後も彼らの態度はどっちつかずで、欲求不満が爆発した。

「いつまで続けるつもりなんだ?」と僕が問い詰めると、彼女は「どういう意味?」と笑った。

「冗談じゃない! 媚びられても迷惑だろ!」と僕は怒った。

彼女はうつむいたが、すぐに大笑いした。

リアクションに困りながらも、僕は押し切られる形で彼女と関わることになった。

その晩、彼女が寝入りばなに訪れた。

「こんばんは。夜這いに来たわ」と彼女が微笑みながら言った。僕は呆れて言った。

「しつこいな。興ざめだ」

「それは関係ないわ」

このままでは襲われてしまう。そう思った瞬間、彼女は気絶した。

彼女の突然の倒れ込みに困惑しながらも、僕は声をかけたが、返事は返ってこなかった。代わりに、聞こえてきたのはすすり泣く声だった。その理由はすぐに判明した。彼女は死んでいたのだ。しかも、幸せそうな笑顔を浮かべていた。

その光景にショックを受けた僕は吐き気を催し、トイレまで駆け込み、嘔吐した。しばらくして落ち着くと、寒気が走った。当然だろう。目の前で人が死んでいるのだから、冷静でいられる方がおかしい。

部屋に戻って落ち着くと、空虚感に押しつぶされた。無駄な捜索活動をしたが、奇跡的に再会することはなかった。

その晩、夢魔の姿をした彼女に襲われ、裸足で逃げ出した。しかし、結局は一晩中続き、翌朝になると「女子高生」は「女」になっていた。

そして、翌日から少女を目にした者は誰一人としていなかった。

その晩、少年が家に帰ってくると、「どうするんだよ」と声をかけてきた。僕は「何が?」と尋ねると、少年は「お前のことだよ。あの子の目、見たことあるのか?」と言った。

「あいつの目は違うんだ。俺らとは違う。大人なんだ」

少女は聞いていて、「違うって、何が違うの?」と言うと、別の少女が答えた。

「だって、あの子は時々とても大人びて見えるんだよ。なんて言ったらいいか分からないけど、何かね!」

別の子が言って、もう一人の女子生徒が「え~!?」と言った。「それにしても、あいつ、また今日もいないな。あいつの家、大変なのかな」と言った言葉を聞いた瞬間、少女の顔色が変わった。

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