バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

『家族の絆』

と言われてしまい、少し驚きながらも謝る娘に彼は更に謝った。
そして彼は娘の持っていた財布を見て言った。
「あっ!すみません!!僕のせいですね!!」と言いながら、彼の手が伸びるのを見た娘はとっさに身構えたが、その手は彼の頭の上に乗せられた。
キョトンとする娘に対し、笑いながら彼が言う。
「あははっ!大丈夫ですよ。
お金を取って食べようなんて思っていませんから」そう言われた瞬間、安心と共に恥ずかしさを感じた娘の顔は赤く染まった。
それを見た彼は慌てて謝りながら言った。
「ごめんなさいね!別にそういうつもりでは無かったんですけど、……あの……すみませんでした」
頭を下げる彼を前にした娘は慌てるばかりでどうしていいのか分からなかったため咄嗟に口走ってしまった。
「べ、別に大丈夫です!」そう言った瞬間だった。
彼の頭がゆっくりと上がるのを見て、ホッとしていた娘の視界にある物が映った途端固まってしまう。
なんと彼の頭にあった手が動き出し始めようとしていたからだ。
(まずいわ!このままだと叩かれる!)そう思い目を閉じるも一向に痛みがやって来ない。
不思議に思い目を開けるとそこには手が止められている姿があった。
驚いて見てみると、いつの間にか横にいる男性の手が止めていたのだった。
「何をしているんですか?」と聞いた彼に男が言う。
「何って、この子の頭を触ろうとしただけだよ?何か問題があるかい?」と返す男に娘が話しかける。
「あ、あの!私は気にしていませんので!頭をあげてください!!」と言った娘に対し男は手を放し言った。
「すまないねお嬢さん方。
ではまた今度会った時にでも」そう言って去って行ってしまった男の後ろ姿を見ていると不意に名前を呼ばれる。
呼ばれた方へ振り向くと先程止めた男性がいた。
「無事でよかった」と彼は喜ぶが目つきは厳しかった。
その様子に恐怖を覚えた娘は思わず後退りしてしまったが男性はそれを見てさらに微笑むと娘に話し掛けてきた。
「ねぇ君名前はなんて言うんだい?良かったら一緒にお昼食べない?」と言う男性の誘いに対して断る理由もなく娘は了承したのだが次の瞬間驚くことになった。
何とその男は娘を連れて歩き出すと人気のない場所へ連れて行ったのである。
何故こんな事になったのか分からないまま娘は怯えていると突然背後から抱きつかれたのだ。
手で口を塞がれ襲われる寸前で人の声がした。
その声に反応した娘は思わず振り返ってしまうとそこには先程の男性が立っていたのだ。
「こんなところで何をしてるんですか?」と言う質問に対して男性はこう答えたらしい。
「いや〜可愛い子を見つけたんでちょっとお茶しないかなぁと思って声を掛けたんだけど断られちゃってさ~」と言って笑う男性だったがそれを遮って今度は私が口を開いた。
「それって私のことですか?」それを聞いた男性は一瞬驚いていたがすぐに笑顔に戻るとこう言ったのだ。
「そうだよ♪どう?僕とお茶しない?」と言われた私は思わず首を横に振ってしまったのだが、この行動によって事態が悪化してしまった事は言うまでもないだろう。
「何で駄目なんだい?」と聞かれた私は正直に答えた。
「だって知らない人と一緒に行くだなんて嫌ですから」と答えた私に怒ったらしいその人は私の腕を強引に引っ張ると歩き出したのだ。
そして連れて来られたのは人気の無い路地裏だったのだが、そこで私を地面に押し倒すと服を脱がそうとしてきた。
「やめて下さい!」と言ったものの聞いてくれずとうとう下着だけになってしまった私を見た男の人は言った。

しおり