317章 エマエマ登場
食事をする前に、玄関のチャイムが鳴らされる。
扉を開けると、思いもよらない人物が立っていた。
「エマエマちゃん、どうかしたの?」
次に顔を合わせるのは10年後といっていたのに、実際に顔を合わせたのは10日後。10年と10日を間違えたのかなと思った。
「ミサキちゃんの誕生日を祝うために、こちらにやってきたよ」
「わざわざありがとう」
10日ほど休んだこともあって、体は持ち直しているように感じられた。
「体はどんな感じ?」
「ちょっとずつよくなってきたよ。半年後くらいには、復帰できると思う」
「よかった」
「ミサキちゃんのために。ファンのために、一生懸命に歌うね」
「エマエマちゃんの曲は楽しみだよ」
エマエマの登場に、30人の女性は大いに盛り上がった。
「エマエマさんだ」
「本物・・・・・・」
30人の女性だけでなく、DARZも大いに興奮していた。
「エマエマさん、お目にかかれて光栄です」
「DARZさん、はじめまして」
「ミサキさんのために、ハッピーバースデーを一緒に歌いませんか?」
「わかった」
エマエマ、DARZのコラボを聴ける。20歳になったばかりの少女にとって、最高の誕生日プレゼントになりそうだ。