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「ありがとう♪じゃあいくよ?」

しかも唇同士が触れるようなものではなくしっかりと舌を絡ませるディープキスだったため余計に恥ずかしくなった僕は何とか離れようとしたものの彼女の力が予想以上に強かったらしく全く動けずにいたのだ。
そのまましばらくの間貪られていた僕は解放される頃には完全に力が抜けてしまっていた。
「ふふっ、これで貴方は私から離れられないね♡」と言う彼女を前に何も言えずにただ見ている事しか出来ない僕に彼女は再び顔を近づけてくると、今度は耳元で囁いた。
「……ねぇ、もう一度してもいいよね?」そう言われてしまった僕は拒むことが出来なかった。
「うん……」と返事をすると、
「ありがとう♪じゃあいくよ?」と言った後でまたキスをしてきたのだが、先程とは違い軽く触れるだけのものだったので少し物足りなく感じてしまったのだが、そんな事はお構いなしといった様子で舌を入れてきたのだ。
その瞬間口の中に広がる甘い味がしたかと思えば意識が遠退いていく感覚に陥りながらも、
「ぷはっ」と言って離れる彼女の顔を見ていると、目が合ったので目を逸らす事が出来なくなってしまったがそこでふと気が付くといつの間にか押し倒されていた僕は慌てて抵抗するのだがびくともしない上に段々と近づいてくる彼女の顔から目が離せなくなってしまっている自分がいることに戸惑いつつも覚悟を決めた時、急に目の前が真っ暗になったことで驚いていると、
「あれ?どうされたんですか?」と後ろから声を掛けられたので振り向くとそこにいたのは同じクラスの女子生徒達でどうやら忘れ物を取りに来ていたようだった。
「あぁ、実はこの子がね……」と言うと、何があったのかを説明することになった。
話を聞いた彼女達は、何故か嬉しそうな表情を浮かべていたので不思議に思っていると、女子生徒の一人が教えてくれた。
「貴方知らないのですか?この学校では知らない人はいないくらい有名な話ですよ?」と言われてしまった僕は気になったので詳しく教えて欲しいと頼むと、快く引き受けてくれたので感謝の言葉を伝えると彼女達の口から語られた話は衝撃的な内容ばかりだった。
その話とは、なんと僕のファンクラブが出来ていたというのである。
「嘘だろ……」あまりのことに驚きを隠せないでいたがそれでも信じられないという気持ちが強くて信じようとしなかったのだが、そんな僕を置き去りにしてどんどん話が進んでいくのを見ていることしか出来ないまま話を聞いているとある人物が現れたことにより事態は大きく動いた。
その人物は僕と付き合っていると噂になっている女生徒だったのだが、
「あら、ここにいたのですね?もう帰りますわよ?」と言いながら近寄ってくる彼女の姿を見て嫌な予感を感じた僕が咄嗟に逃げようとするよりも早く捕まえられてしまった後強引に引きずられるようにしてその場を後にすることになった。
「それではご機嫌よう」その言葉を残して去って行った彼女と別れた僕は自宅に戻ると真っ先にお風呂に入り汚れを落とすことにしたのだった……
翌朝目を覚ました俺はいつも通り身支度を済ませてから朝食を取ると家を出た。
それから学校に着くまでの間誰とも会わなかったことが不思議だったけれど特に気にすることなく教室へ向かうことにする。
「おはよう!」そう言いながら勢いよく扉を開けて入ったところクラスメイト全員から挨拶されたのでびっくりしたものの俺もそれに答えたところで違和感を覚えてしまう。
何故なら昨日までの彼らならこんな反応はしなかったからである。
(何故なんだ?何かあったのか……?)

「どうしたの?そんな難しい顔して?」不意に話しかけられたのでそちらを見ると例の女子生徒がいた為驚いた俺はつい質問してしまったのだ。
「お前……何でここに……?」それに対して返ってきた言葉は、
「何言ってるのよ?私は最初からここの生徒よ?」というものだったが信じられなかった俺がさらに追及しようと口を開いた所で、
「こらっ!何をしているんだお前は!!もうすぐ授業が始まるというのに何をのろのろしているんだ!!」と怒鳴る教師が現れてしまった為に中断せざるを得なかった。
だがしかしその後もずっと俺に対する態度を変えることなく接してきたせいで俺のイライラは限界に達しかけていたのだ。
なので思い切って話しかけてみることにしたのだが……
「なぁ?いい加減にしろよな?いつまでこんな事を続けるつもりなんだよ?」すると彼女は微笑みながらこう言ってきたのである。
「それはどういう意味かしら?」その言葉に怒りを覚えた俺はついに我慢出来なくなったので彼女に掴みかかると怒鳴った。

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