ある日のバレンタイン捜索隊日記 番外編
本日も二話更新します。こちら一話目です。よろしくお願いします。
☆。.:＊・゜☆。.:＊・゜
『トリュフ出来たぞ』
『マカダミアナッツと、アーモンドチョコも出来たわよ』
「はーちょ、できちゃ～♪」
『うん。上出来だぞ』
『上手に出来たわね～』
「えへ～？」
やった～♪
『大人用にはウイスキーならぬシードルボンボン出来たし』
『ドライフルーツのビターチョコレートがけもできたわよ』
「しょっか～」
苦いチョコは興味ありません。甘いのがいいです。
「ちょこ、あいしゅにかけりゅ、ぱりぱり♪」
『お～混ぜ込むのもいいけど、たしかに、アイスにかけてパリパリになったのも美味いよな』
『だったら、バナナもあるし、カットフルーツを用意してチョコレートフォンデュみたいにしたら？』
『いいな、それ』
「しゃんしぇ～い」
『うふふ。決まりね。あとは？』
「ぷりん！」
『プリンか～プリンは他にも試しいのがあるから、ほかの日にしないか？』
「う？わかっちゃ～」
いっぱい食べられるなら大歓迎～♪
『あとは、何かしらね？』
『生チョコとかか？』
『ココアパウダーがいるんじゃない？』
『そこは魔法で』
とかなんとか、サーヤたちが盛り上がっている頃
『あれ～？畑にいると思ったのに～』
ぴゅいきゅい『『いないね～？』』
『ほんと、どこ行っちゃったのかしら？』
『ハク、匂いで分からないのか？』
『そっか～やってみるね～』
『『ハク、がんばれ～』』
『『『がんばれ～』』』
ハクたちが、サーヤたちを本気で探してました。
「ここあ、のめりゅ？」
『ん？今か？』
「あい」
『そうね～飲めないこともないけど、今はこんなのどうかしら？』
「う？」
『棒を用意して、この先にチョコを固めて』
『あっ、なるほどな』
おいちゃんの魔法でちょちょいのちょいです。
『カップにホットミルクを用意して』
『よっと』
これもおいちゃんが、ちょちょいのちょいっと
『サーヤ、これをクルクルしてみて』
「あい。くりゅくりゅ～」
するとどうでしょう！白かったホットミルクにチョコが溶けて
「ふあ～あああ」じゅるり
チョコレート色になった～♪
『うふふ。おめめもおくちもきらきらね～』
『溶けたら飲めるぞ。でも熱いからフーフーしてな』
「あ～い」
ふーふー
その頃
ぴゅいきゅい『『こっち～？』』
『ハク～こっちは』
『ドワーフさんたちのおうちだよ？』
『そうだね～でも、こっちにサーヤの匂いがするよ～』くんくん
ハクのお鼻は優秀です。
『ほんと～？』
『あそびにきたのかな～？』
『だれかにきく～？』
『そうねぇ？親方に聞いてみましょうか』
『その親方はどこだろな？』
すぐそこまで迫る捜索隊⋯
「ぷはぁ おいちい～♪」
甘い～♪
『ぷっ。そうか、そりゃよかったな』
『ふふっ。そのお顔でお外に出たら大変ね～』
「う？」
おかお？
『まあ、どうせ汚れるからあとでな』
『そうね』
「うにゅ？」
なんだろね？
そして、とうとう⋯
『親方～』
フゥが声を上げると
『ん？どうした？みんな揃って。珍しいな』
ひょっこり現れた親方。
ついにちびっこたちが親方にたどり着いた！
ぴゅいきゅい『『サーヤちらない？』』
『『いないんだ～』』
『『『さがしにきたの～』』』
おお？これは誤魔化さないとまずいか？
『さあ？見てないぞ？畑じゃないのか？』
『それがいなかったんですよ』
クゥが答えると
『そうか、それじゃどこいったんだろな？』
親方はすっとぼけようとしたが
くんくんくんくん
ハクが親方をくんくん
『ハク？どうした？俺を嗅いでも汗臭いだけだぞ』
『ううん。親方、サーヤの匂いがするよ～』
『え？』どきーんっ
なんだと？
『サーヤに会ったでしょ～？』
『いや、まあ少し前に会ったけどな、もう一緒にいないぞ』
頼むから納得してくれよ
『ほんと～？』
くんくんくんくん
『おう。ほんとだぞ』
くそ～鋭いなぁと思っていると、今度は
『あれ～なんか甘い匂いがするよ～？』
くんくんくんくん
『気のせいじゃないか？』
うおお～まずいぞ～
『ん～？気のせいじゃないよ～？サーヤとおいちゃんの匂いもするよ～。あっちかな～？』
くんくん
『え？あっちは工房しかないからな。危ないぞ』
おお～ゲン～！そろそろ限界だぞ～！
『ハク、本当にあっちなの？』
『うん。間違いないよ～』
くんくん
『そ、そうか？』
あ～ダメかあ
『親方、おれとフゥがついてるんで、奥見ていいですか？』
『気をつけますから』
『お願い～』
ぴゅいきゅい『『おやかた～』』
『『少しだけ～』』
『『『いいでしょ～？』』』
みんながキラキラ純粋なおめめ攻撃！！親方は
『ううっ。わ、分かったよ。危ないからな俺もついてくぞ』
無理だっ！こんなキラキラした目で見られたら！すまんっ！ゲン、サーヤ、凛さん！
『『『『『わ～い！』』』』』
ぴゅいきゅい『『やったー！』』
『ありがとう～』
『『ありがとうございます』』
なんの疑いも持たないキラキラ笑顔攻撃！！
『お、おう』
な、なんだ、胸が、胸が痛いぞ！
哀れ、親方⋯
『これで粗方、作り終えたな』
『そうね。片付けて戻りましょうか』
「まっちぇ～」んっくんっく
まだ飲めてないよ～
『慌てなくていいぞ』
『そうよ。熱いんだからゆっくり飲みなさい』
その時！ついに！
『わ～？これなに～？』
ぴゅいきゅい『『はたけ～？』』
『『なんでこんなとこに～？』』
『なんか』
『いつものと』
『ちがう～？』
『ほんとね？なんか、蒸し暑い感じね？』
『あっあんなとこに小屋があるぞ』
『お、おいっ、そっちは』
外が急にがやがや。親方が必死に止めてくれてます。
『あらあらまあまあ？』
『サーヤ、前言撤回だ急げ！』
「んぐっ！？」
んっくんっく、ぷはー
ガチャッ
『『サーヤ～？』』
『いるの～？』
ひょこっ
「ふあっ」
みんな来ちゃった？ドアの方にサーヤが顔を向けると
ぴゅいきゅい『『ぎゃーっ！』』
『『お化け～！！』』
『『『にげろ～！！』』』
『わあ～こわい～っ！』
『『ちょ、ちょっとみんな！？』』
だだだだだーっ
って、みんな逃げちゃいました。
「うにゅ？」
なんでかな？
『あらあらまあまあ？』
『な、なんだったんだ？』
呆然とするサーヤたち三人⋯
『な、なんだ？みんな慌てて逃げてったけど。すまねぇ、誤魔化そうとしたんだけ、ど⋯』
あれ？親方固まった？
『ガハハハ！なんだそりゃ？サーヤ！その顔？』
え？かお？
『ぷっ。あらあらまあまあ』
『ワハハハ！なるほどな～』
「うにゅ？」
なあに？なんで笑うの？
『くすくす。サーヤ、お顔。はい、鏡』
『最後急いで飲んだからな～』
おばあちゃんが出してくれた鏡を見ると
「ふおおおお」
お顔がチョコだらけ！それに
『なんだその輪っか？』
『チョコドリンク、ほぼミルクだからな』
『お顔にくっきり輪っかが出来たのね～』
『その前の味見で既にくわっくわだったしな』クククッ
「ふお～」
たしかにお顔がパリパリするかも～？
『ガハハハ！サーヤ、口じゃなくて顔で食ったんだな！』
「ぶー」
ちゃんとお口で食べたよ？
そして、お家まで逃げ帰ったちびっ子たち
『あ～こわかったね～』
ぴゅいきゅい『『こわかった～』』
『あれ？結局』
『サーヤたちは？』
『『『あれ～？』』』
不思議がるちびっこたち。でも、さすがにこの二人は⋯
『そうだったわね』
『どこいったんだろな？』
ちびっこたちにそう言いながら念話で会話。
『『あれって、さーやだったわよね？』』
『『そうだよな？すごい顔だったけどな？』』
『『この子達ほんとに気づいてないのかしら？』』
『『まあ、それで良かったんじゃないか？』』
『『そうね』』
まあ、とにかく、捜索隊の任務は失敗？に終わりましたとさ。
☆。.:＊・゜☆。.:＊・゜
お読みいただきありがとうございます。
