286章 出勤
ミサキは焼きそば店にやってきた。
「ミサキさん、無理をいってすみませんでした。他の人にも連絡を取ったのですが、誰も出ませんでした」
「シノブちゃん、気にしなくてもいいよ」
ミサキは当日欠勤の常連。欠勤をするたびに、たくさんの人に迷惑をかけてきた。
「ミサキさん、焼きそばの調理をお願いします。味はオリジナルで構いません」
「カウンターにいなくてもいいの?」
「今日はいなくてもいいというよりは、カウンターにいかないでください。お客さんの数が増えすぎると、対応できなくなってしまいます」
お店にいるのは、シノブ、ミサキの二人だけ。他の従業員はどうなっているのだろうか。
「シノブちゃん、今日は二人だけでやっていくの?」
「はい。今日は二人で焼きそば店を営業します」
ミサキのいるときは5人なのに、ミサキのいないときは2人で回していく。出勤日、休暇のときで客の人数は大きく異なる。
「ユタカさんが、12時にやってきます。かわりがやってきたら、あがってくださいね」
「うん。わかった」
ミサキの勤務は午前中のみ。きっちりと仕事をして、バトンタッチできるといいな。