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騎士団に慰問に行きますわ

マイケルお兄様と約束した通り、今日は騎士科に慰問に来てますの。王都の騎士科は王族の守護を任されている白騎士団、王都の守護の青騎士団、他国との砦を守る黒騎士団というように三つの騎士団で構成されてますわ。

王都の騎士科はマイケルお兄様の様な見習いや、未婚の若手の騎士たちが訓練などを行なっていますの。そう、ここにはぴちぴちの男達がたっぷりいるって事なの。うふふ。


ここが私が考えた第二の狩場なの。本当はここで2~3人味見したいところだけれど、同じ場所で数をこなすとなると、リスクの方が高くなるから、ちょっと冒険だわ。年齢が違うなら大丈夫かしら?取り敢えず、今日は顔を売りに来たわ。

あら?流石にここの狩場は他の子女にも人気なのね。あそこに私とデビューが一緒になるローザリンが居るのが見えるわ。みんな考えることは一緒ね?それとも誰かお目当てがいるのかしら?


今日は男臭い騎士達が好きそうな、華やかな女子力の際立つアンナマリーにしてきたわ。真っ赤なドレスは装飾を減らして、ハート型にくりぬいてある隙間から胸の谷間が見えそうで見えない、いや見えるって感じのドキドキドレスよ。ふふふ。

他の女の子達は胸をこれでもかって見せつけてるけれど、見えれば良いってものじゃないのよね?見えそうで見えないのが、男の狩猟本能をくすぐるのよ。あー、このドレスに何人食いつくか楽しみだわ?


「マイケルお兄様!」

私はよく通る甘い声を響かせて、手を振ったわ。マイケルお兄様の周囲だけでなく、近くにいたほとんどの騎士達が私を見たのには正直怖かったわ。私は気づいていないフリをして、お兄様のそばの柵に近寄ると、籠を持ち上げて邪気のない笑顔を炸裂したわ。

マイケルお兄様の近くにいた騎士達が皆顔を赤らめたのが面白かったわ。

「もう来たのかい?迎えに門まで行こうと思っていたんだよ。」


「早く着いちゃって、待ちきれなくて来てしまいましたわ。お兄様の訓練の勇姿が見られると思ったら、気がせいてしまったんですもの。」

わたくしが頬を軽く膨らませると、お兄様の側にいた背の高い赤い髪のイケメンがニッコリ笑って言ったの。

「やぁ、こんにちは。マイケルの妹君?もしかして噂の姫かい?あ、私はロナウド カーキステック。今はカーラス子爵でもある。はじめまして。」

「初めましてロナウド様。わたくしはアンナマリー ジュリランドですわ。今日はマイケルお兄様のために慰問で来ましたの。」

わたくしはロナウド様の視線がわたくしの胸元に向けられるのを確認しました。何なら、他の騎士達の視線もこの胸の隙間に集中してる気がしますわ。効果はわたくしの思う以上だったみたい。うふふ。

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