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マイケルside僕の妹アンナマリー

最近、妹のアンナマリーが不穏だ。小さな頃から、我が家の姫として大事にされて来たアンナマリー。多分今時の、僕や兄さんが遊んでいる他の貴族の娘と違って、箱入りもいいところだろう。

母譲りの瑠璃色の瞳は、その美しさで人目を惹くし、流れる様な美しい黒髪は父君や僕とお揃いだ。でも何かアンナマリーの髪は人と違って見える。他の貴族の娘よりも艶やかで良い香りがするんだ。

邪気のない顔で微笑むと、真っ赤な唇が綻んで花が咲いた様になるのはいつ見ても不思議に思う。僕も同じ血が入ってるんだ、今度鏡の前でやってみようか。


そう、妹が不穏というところだけど。多分気がついてるのは僕だけじゃないかな?アンナマリーは実は僕には一番気を使ってない。関心がないと言うと悲しいけれど、僕にバレても大丈夫だと気を許してると思う。

そう、何やら企んでいる気がするんだ。先日の湖への乗馬だって、怪しかった。
珍しく頼み事をしてくるから、断れなくて可愛い妹のお供で湖へ行ったのだけど。途中でアンソニー兄さんの友人のキース様とどこかへ行ってしまった。

アンソニー兄さんは、キースはマリーに手を出すようなことをしないって言ってたけど、どうだろう。マリーはまだデビュー前だけど、美しさではダントツだし、身体だってもうすっかりレディだ。まぁ中身はお子様かな?

本当はあの時に目を離すべきじゃなかったのは間違いないのだけど、マリーの仲良しのお姉様方?ダリア様とリリー様がいらっしゃってからおかしな事になった。いつの間にかぼくたちが彼女たちをエスコートする事になって、キース様とマリーが止める間もなく早駆けに行ってしまった。

まぁ、僕もリリー様の甘い唇を堪能できたんだから、文句は言えないけれど。

それより二人が早駆けから戻ってきてからのキース様の視線がどうも気になった。こっそりマリーを見る目つきがまるで恋に焦がれてるような男の目つきで…。

何かマリーがやらかしたんじゃないだろうか。家族の前では大人しく、子供っぽいフリをしているけれど、時々凄く大人のような振る舞いをするんだ。

今度マリーが僕の騎士科の訓練場へ、慰問に来ることになっているけれど何か起こりそうで心配だ。今更来るなとも言えないし…。ああ、マリー。どうか大人しくしていてくれよ?

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