268章 妖精、シノブの会話
シノブは妖精に質問を投げかける。
「ミサキさんはどうして、太らないんですか?」
「体質に極端な補正をかけているからです。太りにくい体にしなければ、あっという間に動けなくなってしまいます。動けない体になったら、命を落とします」
シノブはお腹の肉をつまんだ。
「太りにくい体は女性の憧れです。私も同じようにできませんか?」
「それは無理ですね。体質を変えるスキルは持っていません」
シノブはがっくりとうなだれる。
「脂肪のつかない体になりたいです」
「自力で痩せてください。ウォーキング、ランニングなどで汗を流せます」
ウォーキング、ランニングによるカロリー消費は大変。シノブもそのことをわかっているのか、元気のない声で返事をする。
「わかりました」
「私は用事があるので、そろそろ失礼させていただきます」
妖精は姿を消す。そのあと、室内は明るくなった。
「ミサキちゃんは、たくさんのお金をもらっているんだね」
「うん。生活は余裕あるけど・・・・・・」
「たくさん食べるのは、とってもきついよね」
「うん。食べる量を減らしたい」
「妖精さんにお願いできないのでしょうか?」
「一度だけ言ったけど、無理だといっていたよ」
「そっか」
「十分すぎるお金をもらえるだけで、感謝しないといけないよ」
「そうかもしれないね」
「シノブちゃん、睡眠はきっちりととれた?」
「もうちょっとだけ眠りたい」
「ゆっくりと眠っていいよ」
「ありがとう」
シノブは再び、ベッドに向かった。ミサキはその様子を確認すると、シャワー室に足を運んだ。