243章 エマエマと食事
夕食を満喫していると、エマエマから声をかけられた。
「ミサキさんのテーブルは、大量のお皿がのっていますね」
ミサキは食べる手をストップする。
「はい。腹ペコ少女なので、これくらいは食べなければなりません」
いつもの必要カロリー+移動分の食事をとりたい。本日の目標は、30000キロカロリーだ。
「ステーキ、フォアグラはとってもおいしそうですね」
「はい。とってもおいしいですよ」
エマエマは深呼吸をして、息を整えた。
「ミサキさん、一緒に食事してもいいですか?」
テーブルの上には、乱雑に皿が置かれている。片付けをしなければ、一緒に食べることはできない。
「この状態では・・・・・・」
浴衣姿の女性は、食べ終わった皿を片付ける。テーブルのスペースをあけたことで、エマエマは食事できる状態となった。
エマエマは会釈をしたのち、ミサキの隣に腰かける。
「ミサキさんと食事できて、とても光栄です」
浴衣姿の女性は、エマエマに声をかける。
「エマエマさん、お食事をお持ちいたしましょうか?」
「お願いします」
エマエマはどんな食事をするのか。ミサキは大いに興味を持った。
シノブはこちらの席にやってきた。
「ミサキさん、とってもおいしいですね」
「うん。すっごくおいしい」
「ミサキさん、今日はありがとうございます。一生の記念になりそうです」
シノブは元の席に戻っていく。入れ替わりに、食事が運ばれてきた。
「エマエマさん、夕食です」
エマエマの食事を見た直後、口をポカーンと開けてしまった。
「エマエマさんリクエストの、玄米パン、野菜ポトフ、フォアグラステーキです」
健康に気をつかっているように見えて、がっつりとしたものも食べている。アヤメとは異なり、バランスを取っている。
「ミサキさん、一緒に食べましょう」
「はい・・・・・・」
エマエマと二人で夕食を取る。ミサキにとって、最初で最後の経験。せっかくの機会を、存分に楽しみたい。