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『海底47m 古代マヤの死の迷宮』  いじめられっ子覚醒する【50点】


【あらすじ】



 海に沈んだ檻の中で人喰いサメの恐怖と対峙する姉妹の姿を描いた海洋パニックスリラー「海底47m」のシリーズ第2弾。

 親同士の再婚で姉妹になったミアとサーシャ。

 まだどこかぎこちない娘たちの距離を縮めようと考えた父親の提案で、2人は週末に行われる船中からサメを鑑賞するツアーにでかける。

 当日、現地で偶然友人たちと出会った2人は、マヤ文明の遺跡が眠る海底洞窟を目指すケーブダイビングに誘われ、海に潜ることに。

 神秘的な海底遺跡に目を奪われる2人だったが、複雑に入り組んだ遺跡を前に迷子になってしまう。

 そして、そこには盲目の巨大人喰いサメがいた。

 監督は前作同様のヨハネス・ロバーツ。

 主人公の姉妹を演じるのは「やさしい本泥棒」のソフィー・ネリッセと、オスカー俳優ジェイミー・フォックスの娘コリーヌ・フォックス。

 そのほか、シルベスター・スタローンの娘のシスティーン・スタローンも出演。



【冒頭紹介】



 主人公ミアは、同級生からプールに突き落とされるという、いじめを受けていた。

 複雑な家庭環境だったため、血のつながらない姉サーシャとも仲が悪く、父は娘たちの仲を改善するために、サメ鑑賞ツアーに行かせることにした。

 ミアとサーシャはツアーにいじめっ子が参加することを知り、仲間の誘いにのって、ツアーに参加せず、スキューバダイビングをしに行くことに。

 海底洞窟探索をすることになり、海に沈んだマヤ遺跡を見学していると、目が退化した魚が泳いでいた。

 その魚が仲間のニコルに襲いかかり、パニックとなり、柱を押し倒してしまう。

 砂が海底に充満し、視界が悪くなるなか、突然盲目の巨大ザメが襲いかかってくるが・・・。



【因幡さんの映画語り】



『海底47m』のシリーズ第2弾。

 第2弾とされているが、第1弾とはなんの関連もないので、ここから初めて見ても問題はない。

 前作は水中で檻の中に閉じ込められ、ここからどう脱出するかが問題となり、海底47mが障害になっていたみたいだが、今回はまっかくその要素は生かせていないもよう。(←前作見てません)

 サメ映画のお約束として、肉感的な水着美女、人間関係の悪化、サメの捕食など、数多いサメ映画の中でもマトモな作品である。

 盲目で体中傷だらけの白い巨大ザメの迫力も出ている。(←造形が『ドント・ブリーズ』という映画をあきらかに意識はしているが)



 マヤ遺跡としているが、特に謎解き要素もなく、ダイビングする動機付けだけで、遺跡の作りもしょぼい。

 盲目のサメという設定は良かったものの、後半は生かしきれておらず、ただのサメになっていた。

 主人公ミアにいたっては、シリアスなシーンにもかかわらず、笑顔がチャーミングなので、どこか違和感がある。(女優さんの癖だと思う)

 ただモンスターパニックにありがちな、いじめっ子死亡の「ざまぁ」ではなかったのが、この映画の良かった部分だろう。

 海底洞窟のサバイバル好き、もしくはサメの捕食が大好物な人は、ぜんぜん見られる映画である。

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