211章 焼きそばづくりをお願いされる
握手、サインをしていると、店長から声をかけられた。
「ミサキさん、ちょっといいですか?」
「シノブちゃん、どうしたの?」
「3食限定で、オリジナル焼きそばを作っていただきたいです。焼きそばの味は、完全オリジナルでお願いします」
ミサキの焼きそばを食べられると知って、店内は大いに盛り上がることとなった。
「ミサキちゃんの焼きそばを食べられる」
「今日はどんな味なのかな」
「ソース味ではなく、醤油味の焼きそばを食べたい」
「炭酸水もありだと思うよ」
「みそ汁風の焼きそばを食べてみたい」
「ラーメンスープ味もいいかも」
炭酸水、みそ汁風、ラーメンスープ味の焼きそばはどんなものなのか。作ったことがないので、イメージは沸いてこなかった。
シノブはクジを取り出す。
「焼きそばを食べる人は、抽選で決定します。あたりを引いた人は、焼きそばを食べることができますよ。店の中にある具材で、リクエストOKです」
お客様は順番にくじを引いていく。
最初にあたりを引いたのは、18歳くらいの女性だった。
「あたりを引いた」
「おめでとうございます。どのような味を希望しますか?」
「エビ、イカ、豚肉、キャベツ、もやし入りの焼きそばを食べたい。焼きそばの味はしょうゆベースでお願い」
「かしこまりました」
ミサキの頭の中で、海鮮しょうゆ味焼きそばをイメージした。
「かしこまりました。醤油味の焼きそばを作らせていただきます」
2番目のあたりは、17歳くらいの女性だった。こちらは席から立ち上がって、ガッツポーズをしていた。
「ミサキちゃん、牛肉、鶏肉、豚肉の肉三昧焼きそばを食べたい。野菜は何も入れなくていいよ。味つけはソースがいい」
「かしこまりました」
お肉だけの焼きそばを頭の中でイメージする。
3番目のあたりは、18歳くらいの女性が引いた。
「ミサキさん、オードソックスな焼きそばをお願いします」
「かしこまりました」
三人の注文を頭に叩き込ませると、厨房の中に入っていった。