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180章 おなかすいた

 3分くらいの恐怖体験は終了。あまりの怖さゆえに、体はぶるぶると震えていた。

 ミサキは安全な場所につくと、アヤメの懐に勢いよく飛び込む。

「アヤメちゃん、とっても怖かったよ」

 アヤメは子供をあやすように、髪の毛を撫でていた。

「ミサキちゃん、甘えん坊さんだね。よしよし、よしよし」

 恐怖体験を終了した直後、おなかがギュルルとなった。ミサキは空腹を察知すると、体をゆっくりと離す。

「さっき食べたのに・・・・・・」

 30分前におにぎり10個、ポテト10人分を食べたばかり。腹ペコ少女とはいっても、空腹になるタイミングではない。

「ミサキちゃん、すぐに何かを食べよう」

「うん。すぐに何かを食べたい・・・・・・」

 アヤメはすぐ近くにいる、シノブ。マイに指示を送った。 

「シノブちゃん、マイちゃん、ミサキちゃんにご飯を持ってきて」

「わかった。すぐに持っていく」

 シノブ、マイは食事の準備に動き出す。懸命に動く二人を見て、とても申し訳ない気持ちになった。

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