169章 ユタカがやってきた
玄関のチャイムを鳴らされた。すぐに対応したいところだけど、ミサキの太腿には、ホノカの頭が乗せられている。身動きをとれない状態だ。
ホノカの頭を移動させようとすると、眠っていた女性は目を覚ます。
「ミ・サ・・キ・ち・・・ゃん・・・」
「来客が・・・・・・」
ホノカは小さく頷いた。
「ごめんね。頭をすぐに離すね」
膝を解放されると、すぐさま玄関に向かった。
ミサキの家の前には、一緒に勤務する女性が立っていた。
「ユタカちゃん、どうかしたの?」
「ミサキさんのことが気になったので、こちらにやってきた。思っていたよりも元気そうなので、安心したよ」
40分前は、空腹で大いに苦しんでいた。ホノカの手厚いサポートによって、元気を取り戻すことができた。
「ミサキちゃん、家の中に入ってもいい?」
「どうぞ。家の中に入って」
「おじゃまします」
ユタカは靴を脱いだあと、きっちりと揃えていた。