168章 シノブを膝枕
「ミサキちゃん、ハグしてもいい?」
「うん。やっていいよ」
ホノカは勢いよく飛びついてきた。おっとりとしているところからは、想像もつかなかった。
「アイドルになる人の体は、とんでもなく細いね。私はどんなに頑張っても、ここまで体を絞れないよ」
自力で痩せたのではなく、妖精に設定されたもの。どのように痩せたのかを聞かれても、答えることは不可能である。
ホノカはゆっくりと体を離す。ミサキの胸には、柔らかい体温が残されていた。
「ミサキちゃん、膝枕をしてほしい」
「いいよ」
「膝枕をしてもらっているときに、太ももなどに触ってもいい?」
「胸、○○以外なら、どこに触ってもいいよ」
太腿などは触られてもいいけど、胸、○○だけは避けてほしかった。2カ所については、女性にも侵されたくなかった。
「ほとんどのところに触っていいの?」
「胸、○○以外なら、好きなところに触っていいよ」
ミサキが膝枕の体勢を整えると、ホノカはゆっくりと横になった。
「ミサキちゃん、とっても気持ちいい」
ホノカは太腿を優しくなでる。何度もされているからか、動揺することはなかった。
「ミサキちゃんの太腿は、骨と皮だけでできているみたいだね。脂肪分をまるで感じない」
ミサキの体脂肪率は、15パーセント。ボディビルダーではないものの、体脂肪率はかなり低め
である。一般的な女性の体脂肪率は、25パーセント前後である。
体脂肪の高い人は、頭皮の血行不良、血流悪化、睡眠障害などを引き起こす。髪の毛を痛める要因になるので、体脂肪率に気を配るようにしたい。体脂肪率が30パーセントを超えたら、運動、糖質制限などを実践しよう。体脂肪を減らせば、健康な髪の毛を増やしやすくなる。
体脂肪は悪のように思われるけど、体にとって必要である。体脂肪が低くなりすぎると生理、ヘルニアなどに影響する。脂肪に嫌悪感を持っている女性であっても、一定の体脂肪を蓄えるように心がけよう。
ホノカは疲れたのか、すやすやと眠ってしまった。ミサキは睡眠をとっている女性に、柔らかい視線を送っていた。