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『プラットフォーム』  パンナコッタは届いたか?【90点】

【あらすじ】



 スペインの新鋭ガルダー・ガステル=ウルティアが、極限状態に置かれた者たちの行動を通して様々な社会問題をあぶり出した異色スリラー。

 ゴレンは目が覚めると「48階層」にいた。

 そこは遥か下まで伸びる塔のような建物で、上下の階層は部屋の中央にある穴でつながっており、上の階層から「プラットフォーム」と呼ばれる巨大な台座に乗せられて食事が運ばれてくる。

 食事は上にいる人々の残飯だが、ここにはそれしか食べ物はない。

 各階層には2人の人間がおり、ゴレンは同じ階層にいた老人トリマカシから、1カ月ごとに階層が入れ替わること、そして食事を摂れるのはプラットフォームが自分の階層にある間だけ、というルールを聞かされる。

 1カ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは以前より遥か下の「171階層」で、しかも彼はベッドに縛り付けられ身動きが取れなくなっていた。

 2019年・第44回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門で観客賞、第52回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀作品賞など4部門を受賞した。



【冒頭紹介】



 主人公ゴレンは目を覚ますと、老人が部屋の中にいて、中央には大きな穴があいていた。

 穴をのぞくと、深い所まで穴は続いており、各階層に人がいることがわかる。

 穴の上から立派な食事が台にのって運ばれており、上の階層の人間によって食べ散らかされていた。

 葛藤しながらも、老人と仲良くなっていくゴレンだったが、階層の変更が始まる1ヶ月後、プラットフォームの真の恐怖を知ることになる・・・。



【門平善照と美雪雪音の映画語り】



門平「はい、こんにちは。門平と美雪の映画紹介です」

美雪「こんにちは。美雪です。いろんな所を異動になった結果、私たちは神に転生しまちた」


《門平君と美雪さんは『お前たちに『映画』をゆる~く語ろう』と『誰も映画を観てくれないので、殺人鬼を幼女化してノベライズする』に出演しているよ!》


門平「大学生、社会人とやってきましたが、現在は年齢不詳ということで、もう読者の想像に任せようと思っております。ちなみにぼくは男です」

美雪「私は女子高生で~す!」

門平「(えっ? 打ち合わせと違う・・・)」(←女子高生設定にするとは聞いてない)

美雪「前の『だらだらとした映画語り』は因幡さんが1人で語るというさびし~い設定だったんですけど、今回から趣向を変えまして、私たちが映画を語ることにしました」

門平「まあぶっちゃけ言っちゃうと、1人で語るのもあきてきたらしいので、単なるテコ入れですな。雑談系は因幡さん本人が語るよー」

美雪「それではさっそくいきましょう! 今回の映画は『プラットフォーム』! 未来を舞台としたSFシチュエーション・スリラーです!」

門平「ちなみにプラットフォームとは『台』という意味ですな」

美雪「男が目を覚ましたらっていう、お決まりの『デスゲーム形式』で始まるけど、途中から主人公が自分から志願して、プラットフォ―ムに入ったことがわかるのよね?」

門平「謎を解き明かしていくというよりかは、社会の縮図みたいな物語になってるね。さまざまな人間ドラマが見えたりします」

美雪「プラットフォームは、予告映像を見たらわかるんだけど、閉鎖空間なのよね。食べ物がなくなったら人間は何を食べると思う?」

門平「部屋には2人の人間が用意されてるんだよね。上から食べ物が降りてくるんだけど、当然だけど、上の人間が食べ物をガツガツ食べてしまう。下に行くほど、食い物はなくなっていく。このままでは餓死しちゃうから、相方を・・・」

美雪「やだっ! グロい!」

門平「人間のモラルを訴える人も出てくるんですけどね。人の欲望の前では無意味ですよ。だって人間は愚かだもの」(あきらめ)

美雪「プラットフォームには1つだけ物を持ち込むことができるのよね? 主人公が持ち込んだのは1冊の本。『ドンキホーテ』」

門平「『無駄な正義を振りかざしたヒーロー』。彼は人の本能に負けることなく、パンナコッタを上位階層に届けた」

美雪「はたしてパンナコッタは届いたか? まるで童話のような残酷な物語をぜひ考察してください!」

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