152章 仕事をする
ミサキは休憩中の店長に挨拶する。
「シノブさん、こんにちは」
「ミサキさん、どうかしたの?」
「店を休んだことを、謝りに来ました」
ミサキは深々と頭を下げる。
「ミサキちゃん、気にしなくてもいいよ」
「店に来る途中で、お客様に見つかってしまった。みんなは勤務するのを楽しみにしていた。
「ミサキさん、お仕事をしましょう。アイドル撮影の疲れもあると思うので、1時間から2時間くらいでどうでしょうか?」
あの空気を前にしたので、仕事を休む選択肢はなかった。
「わかりました。よろしくお願いします」
「勤務開始は15分後なので、しっかりと準備してください」
「うん。わかった」
マイは写真撮影のことを聞いてきた。
「ミサキちゃん、写真撮影はどうだった?」
「スクール水着とはいっても、水着姿はとっても恥ずかしかった」
マイはしんみりとした表情になった。普段はポジティブなだけに、意外な一面を見た気がする。
「私も一度くらいは、写真撮影してみたかった」
「マイちゃんは写真撮影していないの?」
「写真撮影できるのは、人気を認められた人だけ。私たちのレベルでは、テレビ出演で終わりだよ」
写真集を発売されているのは、アヤメ、ココロ+数人のアイドルにとどまる。他のアイドルについては、写真集を発行していない。
ユタカは艶のある掌を、ミサキの腰に当てる。硬派なイメージを持っていたので、この行動は予想していなかった。
「服を着ているからわからなかったけど、ウエストはトップレベルに細いね」
シズカの計測によると、ウエストは47センチ。小学生ならまだしも、成長した体では非常に珍しいといえる。
「マイさん、ユタカさん、仕事を始めましょう」
シノブの掛け声によって、3人は仕事モードに突入する。