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358 ドワーフさんたちが気になるものとは?

ドワーフさんたちがニヤリっとした物、それは、糸巻たちの中で一際輝く

「きんし、ぎんし」
金糸と銀糸はキラキラキラキラとっても綺麗な糸だけど、おばあちゃんが、

『これはね、大人しか触っちゃダメな特別な糸なのよ。だから、子供は我慢ね。もし触ったら、おやつが無くなっちゃうわよ~?』

と、と~っても怖いニッコリ顔で言ってた、と~ってもお高い糸だから、サーヤはお触り禁止なのです。

「そりぇ、さーや、さわっちゃ、めっ!にゃの。おこらりりゅ」
お手手でおっきなバッテン印です!

『ええ?サーヤも触れないのか?』
おっちゃんが驚いてから残念そうにしてますが、ダメなものはダメなのです!

「あい。と~っちぇも、こーきゅー。さーや、おしゃわりきんち。おやちゅ、なくなりゅ。だいじけん」
おやつ大事!

『おやつ取り上げられちゃうのかい?そ、そうかい。それじゃ、触れないねぇ。残念だねぇ』

そうでしょ?おやつ無くなるのはダメなんだよ!

『う~ん。なんか違うんだけどね⋯』

何がですか?おかみさん。
なんか、また残念なお目目が?

『で、でもよ、こういうものがあると分かったんだからよ』
『そうだね。もしかしたらゲンさんが作り方知ってるかもしれないしね』
『それに、あんな風に金属を糸として使えるなら、それこそ可能性は無限だよ』
『そうだよ。縫ったりするだけじゃなく、布そのものが織れれば』
『世界一軽い鎧を着るようなもんだよな!』
『付与魔法だって付けやすくなるね~』
『夢が広がるね~』
『腕がなるね~』
『ゲンのやつ、早く帰って来ねえかな~』
『『『ふふ、ふふふふふ』』』
『ふはははははは』

う、うお?悪代官がいっぱい!?

〖サーヤ、またやっちゃいましたね〗ぽんぽん
「う、うゆ?」ぽんぽん
エル様?肩をぽんぽんされちゃいました。
〖師匠、ご愁傷様です〗
「あ、あわわわわ」
おいちゃんにおこらりりゅ~


『ふえっくしょい!う~』
なんだ?風邪か?なんか背中が⋯

『なんだゲン風邪か?』
『う~。ずびっ。いや、そんなはずは』
『さっきもなんか感じてたよな?』
『じゃあ、誰かウワサしてんだよ』
『サーヤあたりが何かやらかしたんじゃねぇか?』
『ちげえねえ』
『『わはははははは』』
『は、はは⋯』
有り得そうすぎて笑えねぇぞ?サーヤのやつ大人しくしてんだろな?


おいちゃんが、謎のくしゃみに襲われていても、話は続く。

『まあ、触れないんじゃ仕方ないよな』
『そうだね。拝めただけでもありがたいことだしね』
『そう言えば、前に魔物が出す糸にも魔力が宿るって聞いたことあるけど』
『絹さんと子供たちはどうなんだい? 』
おかみさんたちが、絹さんたちに突然聞きました。

きゅるる?『私たち?どうかしら?』
きゅるる~ん『『『わかんないね?』』』
きゅるる~ん『『『『わかんないね~』』』』

ドワーフさんの質問に絹さんは首をかしげ、子グモさんたちは『わかんないね~』って歌いながらクルクル手を繋いで回ってます。かわいい♪

「じーにしゃま?」
ジーニ様なら分かるよね?

〖ふふ。絹は間違いなく魔力を込められるわね。今までは意識しなかったでしょうから、ムラがあるけど、今から意識して魔力を込めれば色々出来るでしょうね〗
きゅるる『そうなの?やってみなきゃね』

「ほーほー」
やっぱりできるんだね。すごいね~。子グモちゃんたちは?

〖子グモたちはね?〗ニヤリ

ニヤリ?ジーニ様、悪いお顔?

きゅるるん?『『『『『『『な、なに?』』』』』』』
びくうってする子グモさんたちと
きゅるる『ジーニ様?』
心配そうなお顔の絹さん。やっぱりお母さんだもんね。

〖ふふ。子グモたちはね、練習したら出来るわよ。しかも、七人の力合わせたら、面白いものが出来そうだわね〗ニヤ

「おもちろいもにょ~?」
〖そうよぉ。うふふ~〗
「うふふ~?」
な、なんだろ?

〖うふふふふ〗
ジ、ジーニ様?

きゅるる~ん『『『お、おかあさん』』』
きゅるる~ん『『『『こわい~』』』』
きゅるるん『だ、大丈夫よ』
不気味なジーニ様に震える絹さん親子

スパーンッ
〖あいたっ!〗
「ほ、ほえ?」
え、エル様?

〖何を怖がらせて遊んでるんですか〗
〖痛いじゃないよぉ。ちょっとした悪戯心なのにぃ〗
頭をさすさすしながらボヤくジーニ様に
〖あなたのそのニヤリとした顔は、冗談にはなりませんよ。まったく〗
〖なぁんですって~?〗

「あわわわわわ」
喧嘩はダメですよ?

〖もう!お母様も医神も、ダメですよ。子グモさんたちだけじゃなく、みんな脅えてますよ〗
シア様!

〖あ、あら、ごめんなさい〗
〖失礼しました〗
シア様すご~い!!おさまった!ぱちぱちぱちぱち!

〖こほん。何はともあれ、まずは練習して自分が何が得意で何が苦手なのか見極めましょう。全てはそこからよ〗
ジーニ様が仕切り直しました。

「あ~い」
練習は大事だもんね!

〖じゃあ、これは一度片してね〗
「あい」
広げたお裁縫箱をお片しして、ポシェットにないない。

『『『『あああ~』』』』
きゅる『残念』

え?そんな落ち込まなくても~

きゅるるん『『『サーヤ』』』
きゅるるん『『『『またみせてね』』』』
「あ、あい」
めちゃくちゃうるうるおめめが、たくさん!こわこわ

〖さて、ちょっと遅くなったけど練習を始めましょう。今日から、ぽぽたちや、ドワーフさんたちも参加ね〗

「あ~い!」
『は、はいなんだな』
『『頑張るんだな』』
みゃ!「ココロもにゃ!」
〖そうだったわね。ごめんなさいね〗
みんな頑張ろうね!

『まさか、俺たちにも伸びしろがあるなんてな』
『とっくに限界だと思ってたよ』
『まあ、やってやろうじゃないさ』
『そうだね。ここでやらなきゃドワーフの名折れだからね!』
『『『おうよ!』』』
おぉ!ドワーフさんたちもやる気だ~!

〖それじゃ、サーヤ、石を選んであげてくれる?〗
「あ~い」
まかせて~。えっちょ~

〖アイナ、悪いけどそれとは別に一人に一つずつ大きめの石を作ってくれる?〗
『分かりましたわ。用途はなんですの?』
〖毎晩、魔力循環の練習に使うのよ。毎日石に力を貯めておくの。何かあった時に使えるでしょ?〗
『なるほど。かしこまりましたわ。そうすると、各自が持ち歩けるギリギリの大きさがよろしいでしょうか?内容量は大きい方がいいですわね』
〖よろしくね〗
『お任せ下さいですわ』
立ち上がると一人一人の前で石を作り出すアイナ様。

サーヤはと言うと、
「あい。こりぇは、とれちゃんにょ?わかっちゃ~。う?こりぇは、ごらちゃんにょ?わかっちゃ~。とれちゃん、ごらちゃん!どーじょ!」
マイペースに選んでおります。

『サーヤ、私が風で運ぶわ。練習になるし』
『あっ、ならオレも』
フゥとクゥも魔法でお手伝い。魔法の練習だしね!

さあ、頑張ろう~!!

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