135章 解散
8人は焼き肉店をあとにする。
「大満足、大満足、大満足だよ」
アオイはステーキ肉、霜降り肉などを中心に注文。他人に遠慮することなく、高いものばかりを食べていた。
「焼き肉店は最高だね」
ツカサはホタテ、アワビ、ステーキを注文。他人に遠慮する心は、一ミリも持ち合わせていなかった。
ミサキは所持金の、40パーセントを失った。全払いは免れたものの、予想以上のお金を使った。
ミサキにとってプラスなのは、40万ペソ支給日の前日であること。朝を迎えたとき、所持金は自動的に増えることになる。
ホノカ、ナナはほとんど食べなかった。遠慮したのではなく、食べ物が胃袋を通過しなかった。
「ホノカさん、ナナさん、体調はどうですか?」
シノブの質問に対して、二人は無言のままだった。声を発するのも、難しいようだ。
「私が送っていきましょうか?」
シノブの提案に対して、ホノカ、ナナは首を振った。
「シノブちゃん、一人で帰れるよ」
「私もひとりで行けるよ。シノブちゃん、心配してくれてありがとう」
「みなさん、ここで解散しましょう」
シノブは掛け声をかけると、8人はバラバラになった。ミサキは家に帰ったあと、何をするのかを考えていた。