120章 膝枕
アヤメは大きな欠伸をする。休みということもあって、完全にオフになっている。
「アヤメちゃん、おつかれみたいだね」
「アイドルの仕事はいろいろあるからね。体の疲労、ストレスはピークに達している」
プロデューサーに気に入ってもらうために、体を捧げるアイドルもいると聞く。アヤメも人気を獲得するために、プロデューサーに媚を売ったのだろうか。
アヤメは視線を、ミサキのほうに向ける。
「ミサキちゃん、膝枕をお願いします」
「うん。いいよ」
ミサキは膝枕の体勢を作ると、アヤメはゆっくりと頭を乗せた。
「ミサキちゃんの膝枕は、リラクゼーション効果たっぷりだね」
アヤメは猫さながらに、膝をさすってきた。
「ミサキちゃんの膝枕はとっても気持ちいいニャー、ストレス解消に最高だニャー、ずっとこのままでいたいニャー」
アヤメは超低確率で、語尾に「ニャー」をつける。どういう心境のときに、「ニャー」といっているのかな。
「ミサキちゃん、膝の上で寝てもいい?」
「さすがにそれは・・・・・・」
ご飯を食べるときは、ゆったりと食べられる環境にしたい。膝枕をした状態では、体の自由を奪われてしまい、ゆっくりと食べるのは難しくなる。
アヤメの様子を確認すると、吐息を立てて寝ている。少しくらいならいいかなと思い、膝の上で睡眠をとらせることにした。