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293章 復興開始

 住民の家は全壊に近い状態だった。自分で作った家ということもあって、耐久性に問題があるようだ。

 家を失った住民は、瞳から涙がこぼれていた。

「アカネ様、住まいを失いました。これからはどうすればよろしいのでしょうか?」

「ソラさんから、木材を提供してもらいました。家を建てるためには、十分な量があります」

 アカネは提供してもらった木材を、魔法の力で住民のところに移動させる。

「頑丈な木なので、すぐには壊れないと思います」

「アカネ様、ありがとうございます。ノウハウを生かして、家を建てたいと思います」

 20くらいの女性から、声をかけられた。

「アカネ様、子供の容態を見てください」

 子供は目を閉じていた。すでに命を落としている可能性もある。

「回復魔法をかけます」

 回復魔法をかけると、子供は目を覚ます。目を閉じていたものの、意識はあったようだ。

「アカネ様、ありがとうございます」

 子供の治療を終えると、いろいろなお願いが飛んできた。

「アカネ様、食料の確保をお願いします」

「アカネ様、水をお願いします」

「アカネ様、逃げたペットを探してください」

「アカネ様、子供を探してください」

「アカネ様、ケガを直してください」

「アカネ様、薬の確保をお願いします」

「アカネ様、痴漢にあいました。犯人を捕まえてください」

「アカネ様、道を直してください」

「アカネ様、目を見てください」

「アカネ様、トイレットペーパーをお願いします」

「アカネ様、生まれたばかりの赤ちゃんを助けてください」

 一度にいろいろといわれたので、頭がごちゃごちゃになってしまった。
 
 どこから手を付けようかなと思っていると、

「アカネさん、一人で背負い込まないでください」

 と、ソラがいった。

「ソラさん・・・・・・」

「アカネさんほどではないけど、いろいろな能力を持っています。住民の力になれることはたくさんあるでしょう」

「ソラさん、ありがとうございます」

「1000では足りないと思うので、50000を追加で呼びます」

「ソラさん・・・・・・」

「全総力を挙げて、街をお守りいたします」

 ソラが応援を呼ぶと、50000の助っ人がやってきた。

「ソラ様、何をすればいいですか?」

 ソラはたぐいまれな思考能力を生かして、部下にいろいろな指示を出していく。いずれも的確だったので、感心するしかなかった。
 

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