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「隼くん、本当に絵が上手だね!」


みんなが帰った後、菜摘さんは僕の隣に腰掛けてそう言った。

「ありがとうございます…!」

「色使いが好きだな。夕焼けなのに、少しピンクっぽいのが素敵。」

「昨日の夕焼けは、すごくピンク色に近かったんです。…あと、いつもより空気が柔らかい気がしました。」

「隼くんは、いいことに気がつくんだね。自然の空気とか色をちゃんと見ている人なんて珍しいよ。」

「絵を描くのが好きだから、つい見ちゃうんです。なんなら、人に対しても何となくのイメージで覚えたりしますよ。この人は何色っぽいな、みたいな感じで…」

「そうなんだ!じゃあ、私は何色のイメージなの?」

「菜摘さんは……」



目を輝かせて興味津々に聞いてくる菜摘さん。

彼女を見て、僕は昨日の景色を蘇らせた。


そして我ながら、自分の絵を見て驚いた。

なぜなら菜摘さんは、彼女そのものが……



「……この絵……みたいな色です…」


僕も無意識だったが、昨日描いた絵の色や雰囲気は、まるで菜摘さんそのものだったのだ。


僕の手に乗るスケッチブックが、2人の視線を一気に浴びて心なしか照れたように微笑んだ気がした。



「…菜摘さん…よかったらこの絵、菜摘さんにあげます。」


僕は自分でも驚くくらい、自然とその言葉が口から出ていた。

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