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48章 何を食べたい?

「みなさん、何かを食べませんか?」

 シノブの声に対して、全員が手を挙げる。

「賛成・・・・・・」

 おなかに余裕はあるものの、食いだめをしておきたいところ。空腹になると、旅行を楽しめなくなる。

「ミサキさん、何を食べたい?」

 ミサキは迷うことなく、自分の食べたいものをいった。

「ソフトクリーム」

 電車疲れを癒すために、甘いものを食べたい気分だった。

「アオイさん、ホノカさん、ツカサさん、ナナさん、マイさんは何が食べたい?」

 全員の意見が割れたときはどうするのかな。ミサキはそのことが気になった。

 アオイが答える。眠っていたからか、寝癖がついていた。 

「ソフトクリーム」

 ホノカが答える。

「たこ焼きがいい」

 ほのかがたこ焼きと答えたことで、満場一致はなくなった。

 ツカサが答える。

「たこ焼きを食べたい」

 4人が終わって、ソフトクリーム2票、たこ焼き2票である。

 名産品のソフトクリーム、たこ焼きで意見が真っ二つに割れている。最終的にはどちらになるのだろうか。

 ミサキが気になっていたことを、アオイが確認していた。

「みんながバラバラだけど、どうするつもりなの?」

 アオイの質問に、シノブが答える。

「多数決によって、決めようと思っています。それでいいですか?」

 アオイ、ナナは渋い顔をしていたものの、他の人から反対意見は出なかった。食べるものは、
多数決で決められることとなった。

「ナナさんは何を食べたい?」

 ナナが答える。先ほどまで熟睡していたからか、声がどもっていた。

「ソフトクリームを食べたい」

 マイが答える。

「たこ焼きを食べたい」

 ソフトクリーム3票、たこ焼き3票である。どちらを食べるのかは、シノブの判断にゆだねられることになった。

「私は・・・・・・」

 シノブの意見で決まるとあって、6人の熱いまなざしが向けられていた。

「ソフトクリームを食べたい」 

 4対3の多数決によって。ソフトクリームに決定。ミサキ、アオイ、ナナは大喜びして、ホノカ、ツカサ、マイは落胆の色を隠さなかった。

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