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29.これからの予定と街でやりたい事

 その後も色々見て周った僕とルリ。その間ずっとフィオーナさんが一緒にいてくれました。スノーラはローレンスさんと、それから騎士団の団長さんのスチュアートさんと一緒に、お話しをしていたよ。これからのことについて話してるみたい。

 さっきフィオーナさんが持ってきたおやつ、クッキーを食べながら、ちょっとお話しを聞いてたんだけど。ここまで来るのに、ローレンスさん達はけっこう時間がかかりました。それでも普通の人達に比べたらだいぶ早いんだけど。でもこれから街へ行くには、もっと早く街へ行けるってスノーラが。

 ここまで来るのに、ローレンスさん達は何回か魔獣と戦いました。けっこう強い魔獣達とね。それはスノーラのテストでもあったみたいで。もし魔獣にやられるようなら、僕達は任せられないと考えていたみたい。

 この森は確かに今までスノーラが守っていて、森を荒らそうとする悪い魔獣がいれば、すぐにスノーラがその魔獣を倒していました。でも生きるため生活のための、魔獣同士の狩りだったら何もしません。それは自然の事だから。
 それでね洞窟がある森の奥には、けっこう強い魔獣達がいて。その魔獣達がローレンスさん達に向かって行きました。ローレンスさん達はそんな、とっても強い魔獣を全部倒して、ここまで来てくれたんだよ。
 強い魔獣。僕は可愛いおとなしい魔獣にしかまだ会っていないけど、どのくらい強いんだろうね。

『まぁ、次は我が一緒だからな。友好的な魔獣以外は現れんだろう。だからくる時よりも出る時の方が早く進める』

 いくら強い魔獣でも、スノーラには敵わないもんね。でも、う~ん。僕スノーラが魔獣と戦ってるところ、ちょっと見てみたいかも。まぁ、倒すって事だから、今までそんなシーンを見た事がない僕。しっかりとした気持ちで見ないとダメだと思います。でもきっと戦ってるスノーラの姿、とってもカッコいいんだろうなぁ。

「森の出口付近まで行ったら、そのまま街への道へは出ず、出口付近で泊まります。その方が次の日街へ夕方頃着きますので。下手に動くと夜中移動することに。そして街についても中に入ることができない。なるべくそういうのは避けた方が良いかと」

『そうだな。その方が安全だろう。まぁ人間関係の事も我が居るからな。襲われてもすぐに終わらせるが、なるべく危険は避けた方が良い。人間も獣人も時々、我の予想外の行動をするからな』

 そんな話しをしていました。それでおやつの時間が終わっても、これからの事についてスノーラ達は話しをしているんだ。

『街、どんなかな?』

「ぼくはじめちぇ」

『ルリも! お友達できるかな?』

「おちょもだち、いっぱい!」

『うん! それでみんなでいっぱい遊ぶ!!』

 ルリの言った通り、お友達ができると良いなぁ。魔獣さんの友達はもちろん、人間の友達もできるかな? というか虐める子がいないと良いな。

 僕街へ行ったらやりたい事がいっぱいあるんだ。もちろん街で遊んだり、この世界のこと、ローレンスさん達の事をもっと知りたいけど。他にもね、本を読みたいんだ。地球みたいに動物図鑑みたいな物があればなぁって。

 この世界の生き物の事も、いっぱい知りたいの。元々僕、図鑑を読むのが好きなんだ。この世界の魔獣は地球の生き物に似ているけど、でもやっぱり違う生き物で。どんな魔獣がいるか知りたいの。
 それから僕、契約ができるでしょう? もしいつかまた、僕と契約したい、しても良いって言ってくれる魔獣が現れた時、その魔獣がどんな魔獣か、少しでも知っておいた方が良いと思うんだ。

 後は後は、獣人さん?にも会ってみたいです。獣人って言うと、本だと顔がそのまま犬だったり、オオカミだったり。それから耳が動物でしっぽがあって。でも他は人の姿をしていたり。この世界の獣人はどうなんだろう?
 スノーラは変身した時に、完璧に人の姿だよね。もしかしたら他の獣人さんも一緒で、魔獣の姿も人の姿も両方になれて、人の姿の時は僕と変わらないかもしれない。

 色々考えていたら、街に行くのがどんどん楽しみになってきました。森の友達と離れるのは寂しいけど、街での生活が楽しいと良いなぁ。

『やはり今でも必要なのか』

「ええ。最近ではそれに関連する事件も多くなってきていて、これに関しては前よりも厳しくなっています」

『そうか。まだ完璧に街で暮らすと決まったわけではないが、その間に何かあってもな。街でずっと暮らすなら尚更か』

「スノーラ様は誰も何もしてこないとは思います。もちろんルリ様がスノーラ様の元にいると分かれば、手を出してくる者もいないはず。ですが今ではあの時を知らない者達がかなり多く。完全に何もないとは言い切れませんので」

『はぁ、全く人間というものは。分かった。とりあえずルリに聞いてみる。もしルリが嫌がったらその時はまた、他の方法を考えるしかないが。レン! ルリ! こっちへ!』

 スノーラに呼ばれた僕達。さっきの偽スキップをしながらスノーラの所へ。そしてまたクスクスって笑ってる声が聞こえて、バッて僕とルリは振り返ります。

『誰か笑った?』

「ね、わらっちぇる。へんにゃの」

『変なの! スノーラ、な~に?』

「おはなち?」

『どちらかというとルリに話しなんだが』

 僕達がスノーラ達の所に行くとケビンさんがしゃがんで、僕達に何かを見せてきました。指輪みたいな輪っかで、でもチェーンで輪っかができていたり、他にも何か柔らかい素材で輪っかができていたり。それからその輪っか全部に綺麗な色々な石が付いているんだけど、その全部に何か描いてありました。
 じっと見てみると、それは何かのマークみたいで。う~ん、タカみたいな絵が描いてあるのかな? 全部同じ絵が描いてあったよ。

「ああ、それの事を忘れていたわね」

 フィオーナさんもしゃがんでそれを一緒に見てきます。

『ルリ、これはお前のような小さな魔獣が付ける物だ』

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