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14.『やったぁ!!』のシャキーンッ!!のポーズ

「ローレンス様、スチュワート様がお戻りになりました」

「そうか。ケビン皆にお茶を用意してくれ」

「ただいま戻りました」

「ご苦労だった。それでどうだった」

「バディー様が感じた、おかしな気配を感じた場所を調査しようとしたのですが。あそこはそう簡単には入れない場所なので。とりあえず行くことのできる、1番近くまで調査に。バディー様はそのまま気配の感じた場所まで」

「それでかまわん」

「私達が調べた場所には、何も問題はありませんでした。ですがバディー様が感じた、おかしな気配は、まだ少し残っているようで」

「一体あの森で何が起きたのか。バディーの報告を待つことになるが、何もなければそれで良い。が、もし何か起きたなら」

「ですがあの森には」

「確かにあの森は、あの方が護っている森だ。何かあればすぐに解決するはず。もう解決しているかもしれんが。もしおかしな気配の原因が人間によるものだったら」

「そうですね。あの森に手を出す者など居ないはずですが。あれからもう何十年。あの時の事を知らず、しかも話を信じない者達も出てきている今、絶対にという事はありませんからね」

「バディーは一瞬力が爆発した感じがしたと言っていた。そしてすぐに落ち着いたと。ただの自然に溜まった魔力が爆発しただけなら良いがな。とりあえずバディーを待つとしよう」

      *********

『レン! 昨日スノーラが隠した石を探そう!』

「うん!!」

 僕達の冒険や探検ごっこのために、昨日スノーラが色々隠してくれたんだ。綺麗な石とか花とかね。だからそれを探そうって。洞窟の中には隙間がいっぱい。その隙間もスノーラは魔法でちょっとだけ見やすくしてくれて。ちょっとだけだよ。洞窟の広い場所みたいに、完璧に明るくしちゃつまんないでしょう?
 細い隙間や小さな穴は、小さいルリが中に潜って探します。僕が入れる場所は一緒にね。

「あっちゃぁ?」

『う~ん、ここにはない!!』

 すぐにルリが穴から出てきました。次は隣の少し大きい穴。ここは僕もハイハイすれば入れるから一緒に探します。けっこう楽しいんだ。今までみたいに施設で頼まれた仕事しないで良いし。勉強はまぁ。少しくらい勉強の事を考えなくても良いよね。それから宿題の事とか。今はちょっと遊びたい気分なんだよ。せっかく大切な友達もできたしね。

「ここにもにゃい」

『ない。今度は向こう行こ』

 次の細い隙間にはルリが入りました。そして見つかったんだけどね、探していた石じゃなくて、変わった形の葉っぱでした。面白い葉っぱで、花みたいな形をしているのに葉っぱなんだ。葉っぱが何枚もくっ付いていて花に見えるの。

 石じゃなかったけど、見つかったから良いや。僕とルリは『やったぁ!!』のポーズ。シャキーンッ!!って。僕は右に向かって両腕を伸ばして、ルリは左に両方の羽を伸ばすの。足も右足を曲げて、もう片方を伸ばして。なんとルリもこれできるんだよ。座ってから左足を伸ばすの。これが『やったぁ!!』のシャキーンッ!!のポーズね。

 見つかった物は、すぐに僕達のおもちゃが置いてある場所に持っていきます。それで木の実の籠にそれを入れて。なくさないようにだよ。
 葉っぱを片付けた時でした。スノーラが僕達を呼びに来ました。もう片付けが終わったし、ご飯の時間だから遊びは終わりだって。スノーラ片づけ早くない?
 みんなでご飯の所まで戻ります。スノーラが僕の洋服の襟を咥えて、そのまま歩き始めます。ルリはスノーラの頭の上ね。さっさと移動したい時はこれなんだ。僕の洋服を咥えて、僕はぶらぶら。

 戻るといつもみたいに、木の実と果物、それから魔獣の山ができていました。ルリが1番に自分の木の葉座布団に座って、次が僕。最後にスノーラが魔獣の姿のまま座って。みんな揃っていただきます。

 今日のルリのご飯はツノうさぎ。うさぎに似ているけど違うの。頭にツノが生えているんだ。それから歯がとっても鋭くて、肉食のうさぎって感じです。そのツノうさぎを勢いよく突いて食べていくルリ。あ~あ、頭を突っ込んで食べてるから、また身体中が…。

 横を見るとスノーラも同じようなものでした。肉食だもんね。最初は見慣れていなかった光景に、ちょっとう~んって感じだったけど。すぐに慣れて今はぜんぜん平気です。それに時々お肉が食べたくなるよ。でも今までの僕ならもしかしたら、調理ができたかもしれないけど、今の僕じゃね。

 スノーラは少しなら料理ができるみたいなんだけど、でもあいつと別れてからかなりたつから、本当に作り方がそれであっているか心配だから、まだ作らないって。焼くだけならスノーラできるんじゃない?
 あっ、あとそれからね、あいつのことについて聞いたみたんだけど、いつかなって言われちゃったんだ。本当に誰だろうね?

 いっぱいご飯を食べた僕とルリは、これもいつもみたいに手を洗って、それからスノーラに綺麗にしてもらって。スノーラはまだご飯だから、スノーラの近くでおもちゃで遊び始めました。

 と少したった時、急にスノーラが食べるのをやめて、洞窟の出入り口の方を見ました。ルリがどうしたのか聞こうとしたら、『しっ』て。僕もルリも遊ぶのをやめて木の葉ベッドの方に。スノーラが静かにしろとか、今みたいに『しっ』てした時は、木の葉ベッドにいく約束なんだ。

 スノーラは少しの間、耳を動かしたり匂いを嗅いだりしていたけど、立ち上がって思いっきり『チッ』てしました。それからすぐにご飯の山を端っこに片付けて、木の葉座布団も片付けちゃったの。

『良いか。これから客が来る。お前達は大人しく奥の遊び場にいろ。我が良いと言うま出てくるな』

 僕を咥えて急いで移動するスノーラ。誰が来たのかな? カースだったらこんな事しないはず。奥の遊び場に着くと、もう1回静かに遊んでるんだぞって言って、すぐにスノーラは行っちゃいました。

「だれかにゃ?」

『いつも森にいない魔獣の感じがする』

 ルリ、そんな事分かるの? 凄いね。

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