バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

11.小鳥との契約、契約は簡単?

 さっきのステータスボードの時みたいに、スノーラが僕の頭に自分の手を乗せました。言われた通り僕はじっとしてるよ。そうしたらスノーラが光り始めて、僕の体がポカポカ。これもさっきと同じ。って、先に契約の仕方聞いておけば良かった! 難しくても頑張るって思ったけど、難しいなら先に練習しないといけなかったんじゃ!

 僕は慌ててスノーラに聞こうとしました。でもスノーラはもう少しだからじっとしてろって。それは分かってるんだけど。と、スノーラが僕の頭から手をどかします。慌ててるうちに終わっちゃったみたい。スノーラの手がどいてもポカポカのまんまです。

『我が魔力を調節したからな。少しの間なら、魔力は安定している。さぁ契約だ』

 本当? でもなるべく早く契約した方が良いでしょう? 早く契約の仕方教えて。僕はスノーラに言います。

「けいやく、わかりゃにゃい」

『…』

 スノーラが、あって顔をしました。やっぱりスノーラも僕が契約初めてだって忘れてたよ。

『そうか、お前は魔法を知らないんだったな、すまんすまん。まぁ安心しろ。お前なら簡単なはずだ。まずは小鳥の事を考えるんだが、説明しながらやってしまおう』

 それで本当に契約できるのかな? でもやるしかないよね。僕はスノーラに言われた通り小鳥の事を考えます。スノーラは小鳥にも僕の事を考えるように言いました。そうしたらすぐに変化が。何かこう、小鳥は僕のちょっと前の方に居るはずなのに、凄く近くに居るように感じて。それからスノーラが隣に居るはずなのに、僕と小鳥しかいない感じが。

『良しその調子だ』

 と思っていたら急にスノーラの声が。ちょっとだけビクッとしちゃったよ。

『次はお互いに、契約したいと心から願うんだ。それでやる事は終わりだ』

 え? それだけ? 本当に? もっと何か呪文とか、僕が読んだ本だと、魔法陣みたいな物を描いていたけど。この世界の契約ってそれだけでできちゃうの? 良かった、それなら僕でもできるよ。

 僕はまた言われた通りに、契約したいって一生懸命考えました。そうしたらまたすぐに変化が。ブワッ!!って、地面から暖かい風が吹いてきた感じがして、一生懸命契約したいって考えていた僕は目を瞑っていたんだけど、すぐに目を開けて確かめてみます。

 地面にはいつのまにか魔法陣が現れていました。その魔法陣から光の風みたいなものが出ていたよ。そしてすぐに光の風が僕と小鳥を包んでいたんだ。光の風が僕の体に入ってくる感覚が。小鳥もそうなのかな?羽を広げたり足を上げたり、一生懸命見ています。

『ほら2人とも動くな。もうすぐ契約が完了する』

 スノーラがそう言うと、光の風が一気に体の中に入ってきて、そのまま消えていきました。光の風が消えると魔法陣も消えていたよ。スノーラがウンウン頷いて、これで契約完了だって。
 終わり? 本当に契約できた? 何か僕変わった? 例えば何か体にマークみたいな物が出るとか。僕がスノーラに聞こうとした時でした。

『契約おわり?』

 ん? 誰の声? 今までに聞いたことのない声が聞こえて。僕はキョロキョロ周りを見ます。

『もうお友達?』

『ああ、契約は成功だ。しっかり契約できたから安心しろ』

 僕は小鳥を見つめました。今の声、小鳥の方から聞こえたような? 僕はドキドキしながら小鳥に声をかけてみます。

「ぼく、りぇん。もう、おちょもだち』

『うん、レン!! ボク、レンのお友達!! ボクとっても嬉しい!!』

「ぼくもうれちい」

『うん、嬉しい!! …あれ?』

 お互いじっと相手を見つめます。そしてその後、僕は小鳥を抱きしめました。それから2人で、やったぁ!!って。僕も小鳥もニコニコだよ。だって言葉が分かるようになったんだよ! 今までは感覚で少しは分かっていたけど、今度からはしっかりお話しできるんだ。僕とっても嬉しいよ!

『小鳥もお前も小さいからどうなるかと思ったが、言葉もしっかり分かるようだな。いや良かった良かった。我の考えの通り、お前の魔力が強いのと質が良かったから、面倒な魔法陣を教えずとも契約できたな。やはりそんなところもあいつに似ているな』

 喜んでいた僕は、バッ!!とスノーラを見ます。小鳥もね。今何て言った? 魔法陣を描かなくてもって言った? もしかして本当は魔法陣を描かないといけないものだったの? そうしないと失敗してたかもしれなかったりして。

 僕はスノーラに聞こうとします。でもその時、また知らない声が聞こえたんだ。
 
『やっぱり面白いことしてたね。そのちびっ子どうしたの?』

 後ろを振り返ったら、黒い洋服をきたお兄さんが立っていました。

『面白い事があるなら呼んでって、いつも言ってるじゃないか。森の中でおかしな気を感じたから来てみたら、こんな事になってるし。何? 何十年ぶりに人間と暮らす事にしたの?』

『はぁ、煩いのがきたな。これではゆっくり話もできやしない』

 誰? 僕が固まってると、小鳥が僕の頭の上に戻ってきて教えてくれました。名前はカースで、この森に住んでいる人に変身できる黒い鳥だって。黒い鳥? カラス? スノーラがドサッと自分の木の葉座布団に座りました。僕はすぐスノーラの隣に、木の葉座布団をかき集めて座ります。だって知らない人、スノーラの隣が安全だもん。

『へぇ、随分懐いてるんだね」』

『はぁ、来てしまったものは仕方ない。だがこれから我らだけで大事な話をするのだ。2、3個質問したらさっさと帰れ』

 スノーラがカースを睨みます。カースは分かった分かったって、僕達の前に座りました。それでね、カースがすぐに僕と小鳥が契約した事に気づいたんだけど、そこである事実が判明しました。

しおり