バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

10.小鳥が呪われた理由と契約者について

 スノーラが話してくれた小鳥の話し。僕はそれを聞き初めてすぐに頭にきちゃって、思わず地面をバンバン叩いちゃいました。人間や獣人が無理やり小鳥を捕まえようとしたかもしれないなんて、一体何をかんがえてるのさ!

 えと、先ず小鳥はとっても珍しい小鳥でした。何十年に1度、生まれるかどうかも分からないくらいの珍しい小鳥だったんだ。普通の鳥よりも違う事がいっぱいなの。体の色とか、魔法の力とか。 

 まず1番の違いは色だって。僕はまだ他の鳥を見ていないから分からないけれど、この世界の鳥に青色の鳥はいなくて。薄い青い色の鳥は時々いるらしんだけど。それでも珍しいんだ。なのにこの小鳥みたいに、こんなに綺麗な瑠璃色なんて、スノーラも生きてきた中で初めて見たって。

 あっ、ちなみにスノーラは300歳超えていました。これでも若いんだぞって、ニヤッと笑いながら、カッコいいポーズ?を決めていました。300歳で若い? じゃあ僕は? この世界の基準は、僕のいた世界とは違うのかな?
 と、それは良いんだけど、そんな300年生きているスノーラでさえ、こんなに綺麗な小鳥を見た事がないんだよ。

 だから無理矢理にでも捕まえようとしたんじゃないか。それがスノーラの考えでした。これは絶対にダメな事だけれど、小鳥を殺してでも良い、絶対に捕まえるために、呪いの魔法陣をしかけたんじゃないかって。死んでいてもかなりの額で取引されるから。それにこういう小鳥を連れているだけで、みんなの注目の的だから、優越感にひたりたい金持ちが、よく捕まえにくるみたい。

 それを聞いた僕はさらに頭にきちゃったよ。こんなに小さい小鳥を、自分達のためだけに捕まえようとするなんて。しかもあんなに苦しい呪いをかけて。本当に死んじゃったら…。ふぅ、僕の魔法がなんとか効いてくれて良かったよ。
 そういえば今、新しい情報が。スノーラ、貴族って言ったよね。これについても後で聞けるかな?

『森を守るものとして、この事態に気づけなかった事、本当にすまなかった』

 スノーラが小鳥に頭を下げます。小鳥は元気よく鳴いたあと、片足を上げました。気にするなって言っているみたい。そして小鳥に頭を下げたスノーラは、僕にも頭を下げてきて。

『レン、お前にも助けられた、ありがとう』

「うん!!」

 別にそんな事しなくて良いよ。だって苦しんでいるのに、黙って見ている方がダメだもん。

『と、小鳥の能力についてはおいおい話すとしよう。能力のといってもまだ小鳥だからな、そんな大層な力はまだ使えないのだ。と、小鳥について簡単にはこんな感じだが、お前に頼みというか、小鳥についてお願いがある』

 小鳥についてのお願い。それは小鳥が、僕と友達になりたいと考えているって話しでした。僕はもう友達って勝手に思っていたんだけど違った? それだったら恥ずかしいな。

「ぼく、もう、ちょもだち!!」

『ああ、それは分かっている。小鳥も友達だと思っているからな。我が言っているのは、契約のことなのだ。簡単に言えば魔法を使った契約だな』

 契約? スノーラがさっき見たステータスボードの能力の所、追加されていた契約者について話してくれました。やっぱり僕が知っているテイムと同じだったよ。小鳥は僕と契約がしたいんだって。でもね。

『この者は、お前を主人としてではなく、相棒として友達として、契約したいと言っているのだ』
 
 ああ、何だそんな事? こんなに小さく1人で何もできない主人なんておかしいでしょ。それにあんまり主人とかそういうのは好きじゃない。相棒、友達。そっちの方が良いよ。僕はうんうん頷いて小鳥の前に手を出しました。そうしたら小鳥が片足を乗せてきて握手。

 スノーラの話しは続きます。なんかね契約すると、色々良い事があるみたい。契約した者どうし、魔法の力が強くなったり、お話しもできるようになるんだって。魔法の力は強くなってもならなくても、どっちでも良いけど。今はピュイとかピュイィィィとかだけど、そうじゃなくて今のスノーラみたいに話ができるようになるみたい。お話ができるなんて、僕とっても嬉しいよ!

 ただ、小鳥はまだ小さいから、もしかしたらもう少し大きくなってからじゃないと、話しができない可能性もあるらしくて。こればっかりは契約しないと分からないって。そっか。話せたら良いけど。でもいつか話せるようになるんだから良いよ。

『レン。頷いているが、本当に分かっているのか?』

「うん!! わかりゅ!!」

『本当か?』

「うん!!」

『幼いわりに、ずいぶんしっかりとしているな』

 まぁ、元は中学生だし。

『友達と主人の違いも分かっているか? まぁ、今のお前では友達と認識しているようだから、問題はないと思うが。おい、お前はどうだ? もう1度確認だ。契約してしまったら、そう簡単に破棄はできんからな。このまま契約しても良いか?』

『ピュイィィィ!!』

『そうか。考えは変わらんか。お前ももう1度確認だ。こいつの事をどう思っている?』

「うんちょ、おちょもだち!!」

『わかった。お前達が良いのなら、我はもう何も言わん。それに、寝ている時まで息がぴったりならば、問題ないだろう』

 最後の方、スノーラの声が聞こえませんでした。寝てる時がどうしたの?

『良し!! 次の話しをする前に、契約をしてしまおう』

 スノーラのその言葉を聞いて、小鳥が洞窟の中を飛び回ります。ピュイピュイ、歌いながらね。

 でも、大丈夫? 僕さっきステータスボードを出すのも大変だったんだよ。スノーラの力借りたし。それにヒールはどうしてできたか分からないけど、契約なんて難しそうな事、僕にできるかな?

『そう心配そうな顔をするな。先程のように我が力を貸せば、レンならすぐに契約できるだろう』

 スノーラが僕を見ながら、ニッて笑ってきました。小鳥が僕達の所に戻ってきて、僕の肩に止まって、ほっぺにすりすりしてきたよ。うん! 僕頑張って契約するよ。呪文とか難しくないと良いけど。でも難しくても頑張る!!

『お前はレンの前に。レン、今から先程のようにお前の魔力を引き出すから、じっとしているのだぞ』

しおり