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288 サーヤの妄想の果てに

さて、どんどん行きましょう~!やけです!ふはははは

『サーヤ、落ち着け。次は誰にお願いするんだ?』
『氷の精霊さんかしらね?何となくこの流れだと』
「しょだね~おねがいちましゅ」
氷の精霊さんにお願いです。

『こちらこそ。お手柔らかにね』にこっ
優しい笑顔です!つられてニコニコです。

「こおりの、せいれいしゃん、きりぇいな、みずいろ、ん~ちょ、おいちゃん、こおりのおやま」
う~んちょ?なんだっけ?寒いとこにあるの
『氷のお山?氷山か?』
「しょう!しょれ!」
それの色!名前なんだっけ?

『んん?氷山の水色?アイスブルーか?』
「しょれだ~!おいちゃん!あいがちょ!」
スッキリだよ!さすがおいちゃん!
『お、おう。良かったな』
ありがとう!

「あい!こおりの、せいれいしゃん、あいしゅぶるーにょ、かみちょ、おめめ!きりゃきりゃにぇ」
『アイスブルー?』
クゥが不思議そうに聞きます。おいちゃんに向かって。なんでサーヤに聞かないのかな?

『ん~、気が遠くなるほど長い年月を重ねて作られた純度の高い氷はな、白じゃなくて青く見えるんだよ。すごく綺麗なんだ。その特別な青をアイスブルーって言うんだよ』
おいちゃんが説明してくれます。

『へぇ~。氷にも色々あるんですね』
『それじゃ、氷の精霊さんの綺麗な色はその特別な青なんですね』
フゥとクゥがまじまじと氷の精霊さんを見ます。

『え、え~と、そんなに見られると···』じりっ
あれ?隠れようとしてる?まだですよ。

「おはだ、ちろくて、きりぇいね」
『そうね。綺麗だわ』
『アイスブルーが更に映えるよな』
アイスブルーも定着です。更にみんなでじーって見ます。

『だ、だからね?そんな見ないで?ね?』たじたじ
何言ってるんですか?まだですよ。

「やっぱち」
『「おんなの(にょ)てき」』ビシィッ
フゥとハモりました。ビシィっとポーズ付きです!

『う、うぅぅ。そろそろ勘弁して』
真っ赤になっちゃいました。かわいい♪でも、まだですよ。

「あと、じぶんみょ、ちゅらいの、でも、ゆきちょ、やみにょせいれいしゃん、ちんぱい。やしゃしい」
『そうだな。雪と闇の精霊さんの心配してたな』
『優しいわよね』
『そうだな。優しい人なんだな』
つくしちゃんも同じです。そうだよね。優しいよね!にこにこ

『もうやめて~』
ぴゅ~って風の精霊さんたちの後ろに隠れちゃいました。
ありゃりゃ?

「にげちゃっちゃ」
『やりすぎだ』ぴこん!
「あいちゃっ」
ぴこん?おいちゃん。それ、いつの間に?ピコピコハンマー?

『いいだろ?これ。サーヤのぴよぴよサンダルの応用だよ』ニッ
白い歯をキラリンって見せながら、自分の手をぴこぴこ叩いてます。

「いちゅのまに?」
『ん?虫の知らせ?なんか作っておいた方がいい気がしてな?天界にいるときについでにな』ニカッ
楽しそうに言うおいちゃん。そんな虫の知らせいらないと思うんだけど、でも
「かちて?」
遊ばせて♪ぴこぴこ♪
『後でな?まだ残ってるだろ?』
「ふぎゅうっ」
そうでした···
次は雪と闇の精霊さんです。

「みちてくだしゃい」ぺこり
『わ、分かった』
『よろしくね』
よろしくお願いします。

それにしても、雪と闇の精霊さん二人並んでると、
『なんか、雪と闇の精霊さん、似てるよなぁ』
あっ、おいちゃんもそう思う?
「あい。にてりゅ」
雰囲気もなんだけど、髪型とかも似てます。色が違うけど、そっくりです。

「ゆきの、せいれいしゃん、も、やみの、せいれいしゃん、も、にほんにんぎょう、みちゃい」
『そうだな。日本人形。そんな感じだな』
うんうん。っておいちゃんも頷いてます。

『にほんにんぎょう?』
『なあに?それ』
クゥとフゥが聞いてきました。
なんて言ったらいいかな?似てるんだけどな~

『日本人形ってのは、俺たちがいた所の人形なんだよ。女の子の人形の大体の特徴は、まっすぐな黒髪で、前髪は眉毛の上あたりで、真っ直ぐぱっつんと切られててな、着物って言う伝統衣装を着てるんだ。静かな佇まいでな』
おいちゃん、長い説明ありがとう。
「おきもの、きせちゃい」
『たしかに。似合いそうだな』
うんうん。だよね。

『でも、私、黒髪じゃない』
雪の精霊さんが自分の髪をすくい上げて見つめてます。腰まであるキレイな髪です。

「まっちゃく、もんだいにゃい!ぎんいりょっぽい、ちろ、ゆきにょいりょ。はくぎん!きりぇい!」
『そうだな。白銀、きれいだよな』
でしょ?
『はくぎんって、ぼくとお父さんのお名前の色だね~おそろいだね~♪』
ハクいい子です!きらきらのお揃いです。それに
「おそろい!さーやも!ぎんいりょ!」
『みんなおそろいだね~』
「ね~♪」
みんなでにこにこです。嬉しいな。

「ゆきちょ、やみにょ、せいれいしゃん、おそろい、きしぇたい。おきものに~、ごしゅろりに~、あっ!わごしゅ!きっちょにあう!」
フリルいっぱいのおリボン、頭につけて~ふりふりのお洋服~ぜったい、にあう~♪色違いもいいよね~♪ぐへへへへ

『サーヤ、その笑い方はやめような』
『ついでに、その顔もやめましょうね』
『おま、口元光ってるぞ。しかも和ゴスってどこでそんな情報を···』

フゥとクゥとおいちゃんがなんか言ってますが、妄想は止まりません。うさぎさんのぬいぐるみとかも持って欲しいな~♪くふふふふ

『サーヤが願望むき出しにしてどっか行っちゃったよ~』
ぴゅいきゅい『『サーヤ~』』
『『お~い』』
『『『かえってきて~』』』
みゃ~ん『さーにゃにゃん』
ぺちぺちぺちぺち。肩にかけ上ってきたココロがサーヤのお顔をぺちぺちしてます。肉球ぺちぺち。ご褒美です。うへへへ

『に、にいちゃん、サーヤちゃんの頭の中、今どうなってるだか?』
『さ、さあ?』
『わかってもこわいだよ』
ぽぽちゃん兄弟も何か言ってます。なずなちゃんにもおりぼん。うへへへ

〖頭の中?そうね、覗いて見ましょうか〗
ジーニ様がぼそっと言うと

『え?そんなことできるのか!?』
驚くおいちゃんにジーニ様がこともなさげに
〖出来るわよ。私を誰だと思ってるの?〗
眉毛をクイッと器用に持ち上げたジーニ様。
『魔神様です』
おいちゃん。迫力に負けましたね
〖そうよ魔神よ。この位朝飯前よ〗
ふふんっと笑うジーニ様。

〖それじゃ、見せてもらいましょうね~〗
お着物とエプロンドレスと、和ゴスの妄想に溢れたサーヤの頭にジーニ様が手を乗せます。
「ぐふふふ」

すると···
〖こ、これは!〗
ジーニ様のおめめが、これでもかと言うほど開きました!
〖き、絹!絹!来て来て来て!はやく!〗
きゅるる?『どうしたの?ジーニ様』
不思議そうにやって来る絹さんに
〖いいから!はやく!ほら!見て!〗
絹さんの手を取ってサーヤの頭に乗っけました!
きゅ、きゅるる『こ、これは···っ!』

妄想に溢れるサーヤの頭~♪
お着物から、浴衣~、甚平さんに、ゴスロリ~、和ゴス、着ぐるみ~♪ふわふわモコモコ~♪ぽぽちゃん達にもオーバーオールとかハチさんとか、ちょうちょさんとか着てもらいないな~♪おしりぽっこりの~♪ぐふふふ

『ん?な、なんだな?』ぶるっ
『に、にいちゃん、今、なんかぶるってしただ』ぶるっ
『わ、わたちも』ぶるぶるっ

きゅるる『ジーニ様、私たちこれから忙しくなる···!』ギランっ
〖そうね!これを着たサーヤは絶対かわいいはず!〗ギラリッ

「う、うにゅ?」
なんか寒い?ぶるっ
あ、あれ?なんでサーヤの頭に絹さんとジーニ様の手が?子グモちゃんたちまで頭に乗ってる?しかも、なんか、とっても怖い感じが···?ぶるっ

〖ふふ、ふふふふ〗
きゅるる『うふ、うふふふ』
な、なんですか?なんで、うふふ?

〖頼んだわよ。絹、それから子グモたち〗
きゅるる『まかせて···!』
きゅるるん『『『『『『『まかせて!』』』』』』』
〖必要とあらばゲンを拉致しても構わないわ!〗
きゅるる『それは、ありがたいわ』
〖ふふふふ〗
きゅるる『うふふふ』
きゅるるん『『『『『『『くふふふ』』』』』』』
こ、怖いです!

『お、おい!サーヤ!お前、今何妄想してたんだ!?』コソッ
切羽詰まったコソッです。
「う、うぇぇ?お、おきものちょか、わごすちょか、きぐるみちょか、ぽぽちゃんたちにょ、おようふくちょか···」いろいろ
おいちゃん、汗がダラダラ出てるよ?
『お、お前、なんて事を···!』
え、えええ?
『い、今、オイラたちの名前も言っただか?』

『『いっただか?』』
「あ、あい」
ぽぽちゃんたちも、汗出てるよ?

みんなでちろっとジーニ様たちを見ると
『〖うふふふふふふふ〗』
すっごい笑顔でこっちを

「『『『『ひぃっ』』』』」
こ、怖いよぉ

『あ、あの、私たちは』
『どうしたら?』
雪と闇の精霊さんたちがぽつりと言うと、ぽんっ
〖ごめんなさいね。今は待つしかなさそうです。母がすみません〗
シア様が謝ってました。

『〖うふふふふふふふ〗』
ひぃ~~っ

しおり