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287 では、出陣です。

クゥもよっこらしょっと起き上がって、またお膝に座らせてもらいます。
では、いざ出陣です。

『それじゃ、私からでいいかしら?』ふわり
「あい」
目の前にふわりと降りてきたのは風の精霊さん。女の子は風の精霊さんからですね。そんな気がしてました。

『じゃあ、お願いしような』
『お願いします』
「あい。かぜ、の、せいれいしゃん、みちてくだしゃい」
ぺこり
『もちろんよ。どうぞ♪』
くるんっと一回転して見せてくれます。では

「きりぇいにゃ、うすいみどり、の、ながい、かみのけ、ふわふわにぇ」
『そうだな。綺麗な薄緑だな。』
『ふわふわね~』
ふわふわ髪の毛ずっと踊ってるみたいです。楽しそうです。

『あら♪そんな風に見てくれるの?嬉しいわ♪』
更にふわふわ。ほんとに楽しそうです。

「おめめ、も、おんなし、きりゃきりゃ、きりぇいにぇ」
『そうだな。髪と同じだな』
『キレイね』
キラキラの宝石みたいです。

『まあ!宝石?ありがとう。サーヤもとってもキレイよ♪』うふふ

「えへ~?ほんちょ?」
『そうね。風の精霊さんもサーヤもキラキラよ』
『そうだな。サーヤの髪と目もキラキラだな』
『うん。銀色できれいなんだな』なでなで
「えへ~♪」
嬉しいな♪フゥもクゥもみんなキラキラだよ!つくしちゃんもキラキラもふもふだよ!じゃあ、続きだよ!

「ふぅちょ、ちょっと、ちがう。ふぅの、いろ、こい?」
『たしかに、フゥお姉ちゃんの方が色が濃いかもだな』
つくしちゃんもそう思う?

「おんなし、せいれいしゃん、ちがう?」
とっても不思議です。

『ん~。やっぱり同じ属性は似た色なんだけどね?顔が違うのと同じでやっぱり少しずつ色も違ったりするのよ』
風の精霊さんが教えてくれました。
「しょっか~。あいがちょ」
一人一人違うんだね。疑問がひとつ解消です。
『どういたしまして』うふふ。

やっぱり髪の毛ふわふわ楽しそうです。そして、やっぱり

「ぼん、きゅっ、ぼん!にょ、うらやまけちからんぼでぃ!おいろけ、むんむん!おんにゃにょ、てき!」
びしぃっとポーズ付きで言います。

『ん~?なんか、褒められてるような?そうじゃないような?とりあえず、ありがとうでいいのかしら?』
風の精霊さんが困ったお顔してます。

『まったく、変なこと教えこんだなあ』
ぽかっ
「あいちゃ!」
おいちゃんが、頭ぽかってしました。ひどい~

『あのな、サーヤのおばあちゃん、すごい美人だったんだけどな?いわゆるスレンダー美人ってやつだったんだよ』
そうです。よく言ってました。
「じぶんは、おむね、ぺったん。くびれみょ、なければ、おちりみょ、ないわよ~!さけんでちゃ」
だからテレビとか見て、スタイルのいい人とか見ると
『よく、女の敵~って言ってたんだよな?』
「あい」
そうです。ビシッと言ってました。

『なるほど~』
風の精霊さんだけじゃなくて周りも頷いてます。

『だから、サーヤからしてみたら、褒め言葉でもあり、羨ましいほどけしからんボディという、なんだかな···嫉っ(ギロッ)コホン···羨望、願望······?』
おいちゃん?何を言おうとしましたか?なんだかみんなが
『かわいそう~』って顔で見てる気がするんですけど?サーヤだっておっきくなったらっ!
『無理じゃないか···』
『無理じゃないかな···』
なんですか?おいちゃん、クゥ
『『ごめんなさい』』
「ぶー」
ぷんぷんですよ。

『ま、まあ、ほら、サーヤ。続きは?』
フゥが話しを逸らし···戻しました。そうでしたね。なんでこんな話に?
『お前だろう』
何の話ですか?話しを元に戻すんですよ。

「こほん。かぜの、せいれいしゃん、りーだー、でしゅか?」
『リーダー?ああ、真っ先に私が来たからそう思ったのかしら?』
「あい。しょれも、ありゅ、る。けど、しょのあちょ···あとも」
お話する時とか、きっかけは風の精霊さんみたいな気がするよ。
『ん~。ほら、私は風だから誰よりも精霊や妖精たちの声が届くし、誰よりも早くこの森をかけめぐれるから、そう思うんじゃないかしら?』
それだけじゃない気がするなぁ?

『風のは、誰よりも周りを見てるから』
『私たちが言いたくても言えないこととか気づいてくれる』
雪と氷の精霊さんが、顔を見合わせてから勇気を出すように話してくれました。

『そうね。それでさりげなく背中を押してくれたり』
『慰めてくれたりもするわね』
雷と氷の精霊さんたちも、仕方ないわね~ばらしちゃうのね?って感じで話してくれました。面と向かってこういうの恥ずかしいもんね。

『な、なななな』
あっ風の精霊さんが照れた。

『いつも、知らない内に助けられてたりする···かも?』
『うん。だから、実は感謝してたりする···かも?』
雪と氷の精霊さんたちも照れ屋さんですね!
『素直じゃないわね~』くすくす
『まあ、一番の気遣い屋さんよね』くすくす
なるほど~

「あかりゅく、たのちい、たよりになりゅ、おねえしゃん」
『『そうそう』』
『『そんな感じね』』
みんな、くすくす笑いながら、そうそうって言ってくれてますが、肝心の風の精霊さんは、ずっと

『ななななななな』
って言いながら、お顔真っ赤にしてます。かわいいです♪
風の精霊さんはだいたい分かったので、次行きましょう。

『じゃあ、私行こうかしら?』
雷の精霊さんですね。
「よりょちく、おねがい、ちましゅ」ぺこ
『はい。よろしくね』にこ

『なんかひどい!?』
なんですか?風の精霊さんはまた後でですよ。さあ、雷の精霊さんは?

「かみのけ、いりょんな、いりょ。ふしぎ。きりぇい。いちばんは、しりょ?」
長い、真っ直ぐな白い髪に、色んな色が、すーっ、すーっ。

『そうだな。全体的に白で、白っぽい青に、紫。あとは黄色、オレンジ?』
『溶け込むように、ところどころ、ひと房スーッと入ってる感じね?』
不思議です。フゥとクゥもまじまじと見てます。

『あ~。これはもしかして、人が雷として持つ色のイメージか?』
おいちゃんが、一人納得したように言います。

『えっ?すごい。なんで分かったの?』
雷の精霊さん驚いてます。

『ん?分量かな?』
「うにゅ?」
分量?どういうこと?

『雷っていうのはな、音だって距離で聞こえ方が違うだろ?色だって距離で見え方が違うんだよ。雨が降ってる場所で見る雷は白かったり、青白かったり、紫色に見えたりするよな?』
そう言えば、そうだね。
『遠くで雷が光ってる時は黄色く見えるよな』
そうだね。音が聞こえだした時に見る雷は黄色いかも。あと、うんと、遠くに見える時。
『赤っぽい色は飛びやすいから、よっぽど至近距離にいなきゃ滅多に見ることはないしな』
それに近いのがオレンジだね。
『赤なんて見たら、それこそ命の危険だよな。わははは』
あまり人が見たことないから赤は入ってないってこと?
『そう。人が雷に対して持つ一番多い色が、一番強く出たんじゃないかと思ってな』
ほぇ~おいちゃんすごい~。
ぱちぱちぱち
みんなも、ぱちぱちぱちです。

雷の精霊さんは、
『初めてよ。そこまで正確に言い当てられたのは。しかも、すぐになんて⋯』
驚きすぎて、おめ目開いたままになってます。

〖さすが師匠。あらゆることに精通していらっしゃる〗
し、しょー?そう言えば、この間からちょこちょこエル様言ってたような?
おいちゃん?

『······』ふい~
見ると、おいちゃん、そっぽ向いてます。
エル様?
ちらっと見ると、なんだかものすごい尊敬のまなこ…なまこ?
『まなこだよ···』
おぉ。さすがおいちゃん。天界で何をやらかしたのかは、後でゆっくり聞きましょう。

『あの~?私はどうしたら?』
「ふあっ」
雷の精霊さんが、放ったらかしに!
「ごめしゃい。おめめは、うすいむらしゃき、きいりょ、あお?きりゃきりゃ」
『ああ。綺麗な色だよな』
『この色も髪と同じ理由なんでしょうね』
三人でまじまじと覗きこみます。じーっ

『あ、あの?そんなに?』
『サーヤちゃんたち、雷の精霊さん引いてるだよ』
ありゃ?つい、キレイだったから。えへ?
それでもって、やっぱり

「おんにゃにょ、てき!」
びしぃっ!
『え、ええ?』
でも、お色気は風の精霊さんの勝ちかな?
『ん?今なんか感じたような?』
気のせいですよ。

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