270 妖精トリオがっ···!!
ジーニ様とシア様が実は親子だったショックと、ハクの将来が心配されたところで、
『お~い。この二匹、まだ目も開いていないないから、なんか籠とかに入れてやらないか?小屋は牛とかうさぎたちと一緒でいいと思うけどな?いや、しばらくはダメか?』
おいちゃんが一人、二匹の面倒を見てくれてました。
『籠はよろしかったら、こちらをどうぞ、お使いくださいませ』
『ココロの籠がまだまだあるにゃよ』
『よろしかったら、うさぎさんたちにも、どうぞ使ってくださいませ 』
そう言って、アイナ様とニャーニャにゃんがたくさんのお布団入りの籠をおいちゃんにくれました。
『こ、こんなに?ありがとう』
たくさんの籠にびっくりしつつ、おいちゃんが自分のインベントリにしまいました。
「おいちゃん、あかちゃん、ごはん、どうしゅりゅ?」
シア様に抱っこされたまま、おいちゃんの所へ行きます。
『そうだな。母犬がいないしなぁ。スポイトも哺乳瓶もないし、柔らかい布に牛のミルクを染み込ませて飲ませるしかないかな?離乳食はまだ先だろうしな』
「しょっか~」
あれ?もしかして
「おいちゃん、ちゅくれる?」
おいちゃんなら材料があったら作れそうだよね?
『ん?作る?そうだな。哺乳瓶は、無理かもしれないが、スポイト…いや、注射器みたいな形なら行けるか?なんか筒状のものがあれば…』
おいちゃんブツブツ言い始めちゃいました。筒状?
「たけ?みじゅてっぽー」
『竹で水鉄砲?そういや、サーヤにも昔作ってやったな。勢いを改良すればいけるか?でも、竹まだないんだよな。代わりになるようなもんあるかな?』
二人で話してると、妖精トリオがやって来て
『ねえねえ、おいちゃん』
『つつじょうなら、これ』
『つかえるんじゃないかな?』
そう言って、小さなポシェットから出てきたのは、
にょきにょきにょきにょき
『お、おぉ。そんな小さいポシェットから、よくこんなに長いもんが…』
おいちゃんもびっくり。
それは、大きな蕗みたいな?
『これ、ストローそう』
『さっき、しらゆきにつかったの』
『これで、おくすりのませたんだよ』
そう言って、おいちゃんに渡してくれました。
『へえ、すごいな!茎が筒状になってるのか!それでストロー草!』
おいちゃんが感心してるとエリュ様が
〖ああ、それ。この子達、素晴らしかったんですよ。その葉を器にして薬を少しずつ流し込んだんです。ちゃんとクリーンもかけてね〗
そうだったんだ~。すごいね!
すると、青葉ちゃんと泉の精霊たちも
『三人ともすごかったんですよ』
『そうそう。空から白雪見つけてくれて』
『ケガが、どんな状態かも見てくれたんだよ』
『それで、空の上から、僕たち準備できたんだ』
本当?すごいすご~い!妖精トリオが照れてもじもじしてます。
『ああ。我より先に見つけたんだ。しかも的確に。すごかったぞ。それに、降りてからも、周りを見渡してストロー草を素早く見つけたり、薬を入れる器を作り出したりな』
アルコン様も褒めてくれてます!
『私たちがポーションを作るまで、レンゲ女王の特別な蜂蜜を飲ませることを提案してくれたのも、三人だったんですよ』
『そうそう!結葉様の樹液と、はちみつレモン水も!』
『凄かったんだよ!テキパキ!』
『おかげで僕たちポーション作りに回れたんだ!』
みんなに褒められて三人とも照れすぎてくねくねしてます!可愛い!
〖あら、あなた達も頑張りましたよ。難しいポーションを作りあげたのは、あなたたちですもの〗
シア様は青葉ちゃんたちも褒めます。みんな照れ照れ~
〖もちろん、ハクも頑張りましたよ。この若さで治癒魔法を使えたのは素晴らしいことです。みんな頑張りましたね〗
エリュ様がみんなを褒めてくれました!みんなすごいすごい!
〖医神がそんなに褒めるなんて、本当にすごいわ。医神は滅多に褒めないのよ。命を預かることは厳しいことだと知っているから。それがこんなに手放しで褒めるなんて。みんな本当に頑張ったのね。偉いわ〗
ジーニ様がすっごく驚いてます。
みんなすごいすごい!
〖それだけ凄いことをしたんですよ。外傷だけじゃなく、内臓の損傷も酷かったんです。彼らじゃなければ諦めて、きっと白雪は助からなかったでしょう。あれだけの血を見たら、普通は怖気付いて動くことも出来ないはずです。怖かったでしょうに、ほんとによく頑張りました。誇るべきですよ〗
そんなに酷かったの!?
「みんにゃ、がんばっちゃ。あいがちょ」
『本当ね。みんな、今、私がここにいられるのはあなた達のおかげよ。改めて、助けてくれてありがとう』
みんなから褒められて、お礼を言われて、白雪を助けに行ったハクたちは照れ照れモジモジです。
そんな中、アイナ様はじーっと妖精トリオを見ています。
「あいなしゃま?どちたにょ?」
なんでそんなに見てるの?
『サーヤちゃん、いえ、妖精トリオなのですが、もしかしてと思いまして』
話しながらも、じーっと妖精トリオを見てます。すると、『やっぱり』と呟いて
『ジーニ様、結葉様』
真剣な声で話しかけました。
〖なあに?〗
『どうしたのぉ~?』
『大変ですわ。妖精トリオ、私と同じ、精霊眼が目覚めてますわ』
シーン……
ええ?二人とも固まっちゃったよ?なんか大変なの?
〖えええ?〗
『魔力視は確かに目覚めてたけどぉ、精霊眼もぉ?』
突然のアイナ様の言葉に妖精トリオも固まってます。大丈夫?
『はい。間違いないかと。アルコン様、三人は空の上から、どのように見てましたか?』
アイナ様がアルコン様に確認してます。
『あ、ああ。たしか、私の背中から三人方向を決めて別々に探索を始めたんだ。ゆっくり少しずつ目に魔力を流して見ていたようだった。我も探索を始めようとした時、いち早くフィオが見つけたんだ。そうしたら、三人とも、白雪が、木にもたれてぐったりしてると、更には、頭から血を流して、血を吐いていると言い出したんだ。しっかり見えているようだった。だから、空にいる段階で準備が出来たんだ』
アルコン様が空での様子を思い出しながら話してくれます。
『そうです。まるで近くに見えてるように説明してました』
『そうだよね。それでアルコン様がぼくに準備しておくように言ってくれたんだもんね~』
アルコン様に続いて、青葉ちゃんとハクも教えてくれます。
『おそらく、白雪を助けようと必死になったことで、一気に目覚めたのですわね』
アイナ様がなるほど、と、頷きながら言います。
〖驚いたわ。そうよね。魔力視だけなら魔力が見えるだけだもの。そんな事細かに映像は見えないわ〗
ジーニ様、まだおめ目まん丸。
『でもぉ、そうすると、困ったことになるわよぉ。高度な精霊眼の使い手は私が知る限り、アイナだけよぉ。魔力視とは訳が違うわぁ。私の精霊眼はそんなに強くないもの。今からそんなにすごい精霊眼、制御を教えられるのはアイナだけよぉ。数日で教えられるものじゃないわよねぇ?』
あっ、そうかぁ…
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