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はじまりのはじまり


 この天才。
 新宮 琢人様が、なぜあんなおバカさんたちのガッコウに入学したのか……。

 それは俺の仕事にある。
 一ツ橋高校への入学も俺の仕事のために入ったようなものだ。
 今更……俺はガッコウなんてもん、必要ない。
 そう思っていたのに、あのクソ編集のせいで……俺は騙されたのだ。
 被害者と言ってもいい。
 俺はこの春から晴れて高校生という身分を得たのだが、その前に社会人だ。

 未成年ではあるが、仕事は二つ抱えている。
 一つは新聞配達。朝刊のみを生業としてもう6年も続けている。

 そして、二つめは小説家だ。
 別になりたくてなったわけではないのだが、オンライン小説を小学生からやり始め、俺の小説は一部のファンからは人気を得ていた。

 そんなコアなファンが勝手に出版社へ打診し、今のクソ編集から連絡があった。

「センセイの小説を本にしてみませんか?」と……。

 これが全ての間違いだった。

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