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CHAPTER1 『異音咲きしルイの星 学級裁判編』

───学級裁判 開廷───

───そして、学級裁判は始まった。
僕はコトダマを構える。
真実を、事実を見つけ出す為に。

「皆、死体が発見されるまでどこに居たのかな?」
「姎は自分の研究教室でお茶を嗜んでいましたわよ。」
「俺も研究教室で刀を研いでたな。」
「え、えーと、わたしは学園内を探索していました。最後に居たのは中庭です。」
「僕は最終地点は食堂の手前辺りだネ。ちょうど叫び声が聞こえていたヨ。」
「エリス達は図書館に居たね〜。」
「うん。確かよーちゃんも居たよね?」
「え?あ、あぁ、居たぜ。」
「直ぐに隠れちゃったけど、あそこで何してたの?」
「え、あぁ、何か暇つぶしになるようなモンねーかなって思って探してたらさ。お前らが居たもんで…」
「ふむふむ〜、若干怪しいかな〜?と思ってたけど割とアリバイあるね〜?」
「え?」
「ふむ、まぁそれはそれとして。土屋さんは何処に?」
「私?私は食堂に何か作れるものないかな〜って見に行ったら…」
「俺様と水永と一緒に…倒れている斗鉤を見つけた。」
「そうっすね。何か血の匂いがしたんで、見に行ったら…って感じっす。」
「あたしは近くを歩いていたんじゃが、途中で富谷を見たぞ。」
「え、あぁ、確かに会ったな。」
「それは何処で?」
「んー、確か──────教室辺りか?」
「あぁ、そうだな。僕は教室に少し用があったから立ち寄って居たんだ。」
「ふむ………」
『怪しいのは富谷辺りじゃねー?ま、アタシちゃんには分かってるけどー。』
「──────。」
「ん?どうしたのめーちゃん。」
「──────いや、ちょっと考えをまとめさせてくれ。」
「おう、分かった。」

金澤君と天王洲さんはそれぞれの研究教室、信条さんは中庭、土屋さんと天神橋君と水永君は食堂、天堂さんと木ノ又君は廊下、そして僕含めその他の人は図書室、そして富谷君は教室──────。

確かに1番怪しいのは富谷君だ。
しかし、この情報のみで決めつけるのは良くない。
先程記録しておいた物も眺めつつ、考えをまとめよう。

斗鉤さんの遺体の周りに散らばるブロック片、近くに置いてあるブロック───

考えられるのは、食堂で殺害後、教室に戻り着替えて天堂さんとすれ違った、とかか。
しかし富谷君がそういう事をする様な人間とは思えない。
となると、考えられるのは──────

「ねえ、そこの。」
『あ?アタシちゃんの事?』
「そうだよ。お前、催眠機能とかある?」
『は?アタシちゃんを疑ってる?』
「まぁ、そのリスクも無くはないかなと。」
『はー、肉体も無いアタシちゃんがどーやって殺すんだっつーの。まぁ質問には答えてやんよ。催眠機能は──────ある。』
「──────ふうん。」
『それで?分かったのかよ。探偵気取りの宇宙学者野郎がよ。』
「──────まぁ、何となく?」
『はーーん、じゃあ説明してみろよ。』

まぁ煽られては仕方無い。
一から説明する。

「僕が今から説明するのは、富谷君が犯人だったという事が前提だ。そこは了承して頂きたい。」
「僕を疑っていると?」
「可能性として、だよ。」
「まぁ、聞いてみようよ。」
「───まぁ、そうだな。」
「理解頂き何より。──────さて、まずはね。富谷君が隙をついて催眠にかけられたとする。」
『ふーん?』
「ま、待ってくれ。確かに僕は彼女に話しかけられたような気はするが、催眠など───」
「仮定だから、落ち着いて。そしてその催眠は、コロシアイ促進のものだとしたら?」
「──────本人の同意無しに、殺害させる事が出来る。」
「その通りだ。そして──────富谷君の意思も関係無く、催眠によって斗鉤さんを殺した。」
「──────っ、」
『あー、そういえば〜、ちょっと前に催眠機能の試し打ち〜とか言って打ってみたっけ。そういやその時下にヘンテコ帽子が見えた気がするわ。』
「──────どうなんだ?富谷君。」
「────────────確かに、歩いていたら突然、上から何か打たれて。そこから記憶が無い。そして、気付いたら───」
「───目の前に、血だらけの斗鉤さんが居たんだね?」
「─────────そうだ。その時僕は訳が分からなくなって…混乱していた。」
「──────そういえば、ちょーっと亡くなった斗鉤さんに様子はどうだったか、聞いてみたんだよね。そうしたら『富谷が、何か様子がおかしかったな。目の色も違う色だった。』って言っていたよ。」
「───多分、催眠にかかった後かな?」
「だろうね。」
「どうやって聞いたの?」
「あ、えーと、そのー……僕、幽霊が見えるんだよね。それで聞いたの。あはは…」
「ふーん…?」
「……土間中さん、その顔やめて…」
「むふふ〜。」
「──────まぁ、つまり。犯人は君で確定、かな?」
「──────僕は、僕は…っ、取り返しのつかない事を、してしまった……!」
「うん。」
「僕は、心が弱い….…、試験段階の催眠などにかかって、斗鉤君を殺してしまった…すまない、すまない斗鉤君……」
「──────君の意思でやったんじゃない事は、きっと彼女も分かっているさ。大丈夫、きっと許してくれるよ。」
「──────っ!」

──────学級裁判 閉廷──────

「まぁーそんな訳で!斗鉤依音さんを殺したのは〜!富谷玲亜君でした!」
「──────僕も、あの時みたいに全てを許せたら良かったのかな。」
「君はそのままで良いよ。だって君は、凄く優しい人じゃないか。」
「──────ありがとう、宙風君。」

泣きそうな顔で、富谷君は笑った。
──────しかし、間髪入れずに間の悪い声がした。

「じゃあ、富谷玲亜君には特別なオシオキが待ってるヨ〜!!」
「オシオキ…!?」
「そんな、玲亜君は自分の意思で殺害したんじゃないのに…!」
『自分の意思とか関係ねーから。バレたクロはみーーんな、オシオキ受けんの。分かる?』
「そんな、富谷君…!」
「──────良いんだ。自分の意思では無いとはいえ、人を殺したのは事実だ。どんな罰も受けよう。」
「──────っ、」
「皆、今までありがとう。さようならは言わない。──────外の世界で、また逢おう。」
『うぷぷぷ…』
「それじゃあ、オシオキスタート!」

──────────────────

トミヤクンがクロに決まりました。
オシオキを開始します。

ガシャン
ヒューーーーッ

『暴走を止めろ!
超高校級のマネージャー 富谷 玲亜 処刑』


「─────────っ!?」

首輪をはめられた富谷君の目の前に、膝をガクンと落とした青年が現れる。
それを見た富谷君は、青ざめた。

そして、周りからブーイングの声と共に、石や土が舞い飛ぶ。

富谷君の顔色は、ますます悪くなっていく。

「やめてくれ───!僕は、僕は───もう二度と、あの失敗は犯したくないんだ!」

──────おそらく、この光景を富谷君は見た事があるのだろう。
彼のトラウマに似ているのだろうか。
彼の身体に、石や土で傷付けられた傷が増えていく。

「う、あ、ああああ──────ああああああああぁぁぁ──────」

頭を抱えた彼に、容赦無く人が群がっていく。
やめてくれ、彼が可哀想だ。
お願いだ、止めて─────────

……
…………

どのくらい時間が経っただろう。
彼に群がっていた人は、何時しか消えていた。
そして、その下から現れたのは──────


──────涙を流しながら、蹲って息絶えている、富谷君だった。

──────────────────

「そんな、惨い──────」
「玲亜っち!玲亜っち!お願い、返事をしてよ!」
「無駄だよ〜、富谷君はもう死んでるもん。」
「お前───っ!富谷が、何をしたってんだ!」
「富谷君は人を殺したでしょ?当然の報いさ。」
「だからって───!」
「おっと、学園長であるボクに対する暴力行為は校則違反だよ。もれなく君も死ぬけど良い?」
「─────────っ!」

「富谷君……君の意思は、僕が引き継ぐよ。絶対、絶対外の世界で逢おう。」

彼の死体の前で、僕は誓った。
絶対に、皆で外に出ようと。

──────────────────

「王太は自己評価が低いのう〜、もっと上がるよう褒めてやろうか?」
「やめて???俺キャパオーバー起こすからね??」
「──────何してるの?」
「ん?あぁ、冥か。いや何、王太の自己評価が低過ぎるからあたし自らあげてやろうかと思うてな。」
「やめてって言ってるのにやめてくんないの!」
「うーん、やめてあげた方が良いよ天堂さん。」
「ふん、そういう冥も自己評価が低いでは無いか。何ならお主も上げてやろうか?」
「え、」
「ちょっと!?」
「冥は見た目は整っているのにやたら自己評価が低いのう。もっと自信もって良いと思うのじゃ。それに──────」
「あの、やめ、」
「美湖ちゃーーん!やめてってばーー!!」

──────その褒めちぎり合戦は、夜時間まで続いたという。

「─────────んん?」
「どうしたの?」
「───────────────何か、富谷君が斗鉤さんに向かって凄く綺麗なスライディング土下座をしたのが見えた。」
「──────どういう状況なのそれ……」
「分かんない……」

──────────────────

「……よし、これで良いかな。」
「あれ、めーくん?何を……お花?」
「うん、中庭で摘んできたんだ。亡くなった2人の為に、置いておこうかなって。」
「なるほど…めーくんは、優しいね。」
「──────そうでも無いよ。」
「え?何か言った?」
「……ううん、何でもない。」
「そう?何かあったら言ってね。」
「…分かった。」

───────────────────

「………『つゆとおちつゆときえにしわが身かな』、か。」
「何読んでるの?尊木君。」
「うおっ、宙風!あ、えーと、昔の人の和歌の本…」
「そんなびっくりしなくても良いでしょ。へー、図書館から借りて来たの?」
「おう。」
「へ〜、面白そう。僕も、何か借りようかな。」
「……だったら、俺も一緒に行っていい?」
「ん?良いよ。別の本借りるの?」
「ま、まぁそんな感じだな。」
「じゃあ一緒に行こう。ほらほら、早く!」
「今から行くのかよ!?ちょ、ちょっと待てって…!」

──────尊木君と図書館に行って、色々本を借りてみた。
彼と、少し仲良くなれた気がする。
皆と、もっと仲良くなりたいな。

──────────────────

ガリレオの子を撃ち落としたルイの星は、冥府の弾丸によって撃ち落とされた。
ガリレオの子とルイの星が何を思い、何を考えたのかは知る由もない。
そして冥府の弾丸は、夜空に輝けぬ星に一歩、近付いたのだった──────

──────────────────

CHAPTER1 『異音咲きしルイの星』 END
残り生存者数 14名

CHAPTER2へ続く!

──────────────────

おまけ 次回予告

王太「彼処までする必要無いっしょ…玲亜っち泣いてたじゃん……えー、ゴホン。最初の事件と裁判が終わり、一息吐いた一行。俺とめーちゃんはあの後美湖ちゃんに褒めちぎられ過ぎてキャパオーバー起こしました!恥ずかしいわあんなん!!そして何やら、てっちゃんとかよちゃんが怪しい行動を…?次回!『CHAPTER2 金乱れし火の華 (非)日常編』!まだまだこれからだけど、もう心配なんですけどーー!!それでは次回までー、ブラックシューーーット!!」

おまけ② 挿絵

 
挿絵

しおり