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16章 異変

 お風呂に入ったことで、体と心をリラックスさせることができた。

 体を拭いていると、ふっくらとしているのを感じた。体重が増えたことで、脂肪を感じられるようになった。

 水気をふき取ったあと、体重計に身体を乗せる。体重計のメーターは、「41.8」を示していた。元々の体重から、200グラムも減っていることになる。

 1日でサンドウィッチ20個、焼きそば10人前、大量のお菓子、味噌ラーメン、唐揚げ、餃子などを苦にした。爆食いをしたはずなのに、体重を維持させることはできなかった。

 1日に200グラムずつ痩せていくと、1年で7.3キログラムの体重減となる。元々の体重の軽さからして、体重を減らす展開は避けたい。

 髪の毛に手を当てると、びしょ濡れになっていた。このままだと風邪をひきかねないので、しっ
かりと乾かそうと思った。

 ミサキはタオル、ドライヤーなどを使用して、髪の毛を乾かしていく。見た目を左右する部分だけに、たっぷりの時間を費やした。

 乾かしたあとは、トリートメントをつけた。こうすることによって、恥ずかしくない髪の毛を、維持させられる。

 自然の状態を取り戻した、髪の毛には柔らかさ、優しさ、しっとり感があった。髪の毛に触れるだけで、幸せな気分になれる。

 体重を元に戻すためには、200ミリリットルの水分が必要となる。200ミリリットルの水をコップに注いだ。

 水を飲もうとしたときに、異変を感じることとなった。どういうわけか、水を飲むことはできなかったのである。

 パンを口にしようとすると、こちらも受け付けなかった。

 何も食べられない、飲めないことに対して、焦りを感じるようになった。この状態が続けば、2日後にはあの世に旅立つことになりかねない。2日間限りの、セカンドライフなんて嫌だ。

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